中日新聞の「くらしの作文」に「こころは元気です」というタイトルで、70歳の女性が投稿されていました。
母は92歳。余命2週間。老衰。
プリンやヨーグルトしか喉を通らない。
水とビタミンの点滴で命をつないでいる。
介護付き老人ホームのスタッフの笑顔に支えられて。
延命治療は望みません。
回診のドクターが聞く。
「とみえさん、元気かな」
「はい、先生、こころは元気です」。
母は元気な声で答えました。
とみえさん、かっこ良すぎるよ。
苦しいはずなのに、本音で一生懸命生きてきた母は、時に会話が冴える。
母は部屋のベッドより食堂のリビングで過ごすのが好き。
みんなの声がうれしいから。
「とみえさん、元気になって」。
励ましてくれるから。
窓越しの田んぼの緑が美しい。
農作業した頃が懐かしい。
お風呂に入れてもらうと、「やーあまだのなーあかの一本足の案山子ー」と十八番を歌う。
童謡大好き。いい声。
「戦争はこりごりや」。
母は平和を愛していた。
「百歳まで生きると銀杯がもらえるよ」と無駄口を叩く私を一喝。
「戦争したいような首相の銀杯なんて、わしはいらん」
最後の一日、一秒まで生ききった母。
駆け付けた私は、まだ温かい母に満身の力で叫んだ。
耳がいいから聞こえたでしょ。お母さん。
永眠。
ふつつかな娘の愛と悔いを極楽浄土で笑っているでしょうか。
以上です。
このお母さんのように、ボケもせず、延命治療もせず、最後まで元気に生ききる。
このように死ねたら、最高です。
Scott McKenzie - San Francisco [HD]