中日新聞の読者投稿欄に「谷川さんの詩 今も胸に」というタイトルで、80歳の男性が投稿されていました。
詩人谷川俊太郎さんが昨年11月に92歳で亡くなった。
悲しみは癒えないが、平明な言葉を使いつつも実に深みのある作品が好きだった。
最も好きなのが詩集で初めて読んだ「さようなら」。
幼い男児が両親に別れを告げて天国に旅立つ姿を想像したら、涙が止まらず、一日一日を大切に生きようと心に誓った。
そのときのことが今も脳裏に刻まれている。
死後、改めて谷川さんの関連書籍や記事を読み返した。
そこで印象に残ったことは「死は怖くない」「死がないと生きることが完結しない。
死んだ後が楽しみだ」など。
その前向きさに衝撃を受けた。
私の手元にある谷川さんの詩集は今後も折に触れて読み返すつもりだ。
そのたびに、新しい発見がきっとあるだろうから。
以上です。
谷川さんの本は、一冊しか持っていません。
今は本箱を探しても見つからないです。
「さよなら」という詩集でない事は、間違いないです。
詩集を初めて読んだのは、中原中也の「汚れちまった悲しみに」という詩でした。
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる
汚れつちまつた悲しみは
たとへば狐の革裘
汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる
たとへば狐の革裘
汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる
汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
懈怠のうちに死を夢む
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
懈怠のうちに死を夢む
汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところもなく日は暮れる
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところもなく日は暮れる
中原中也さんは、30歳という若さで亡くなっています。
印象的な詩人でした。
まるでこの主人公のように竹内まりやさんが歌われています。
よけいに切なくなります。
竹内まりや - 駅 [Live Version / 2000@日本武道館]