かなり倒錯した性を描いていますが、けっして「過激」ではありません。
イザベル・ユベール(65歳)は、多くの女優が断ったこのミシェルの役を逆オファーしたそうです。
彼女を含め、登場人物がセックスを欲求だけで「処理」している感じです。
ゲーム会社の社長をしているミシェルはすごい大金持ちです。
彼女がどのようにして成功したのか映画は触れません。
彼女は、同僚で仲の良い女性の夫と性的関係を持っています。
80歳を越えている彼女の母親は、ツバメと結婚を考えています。
息子は、幼稚です。
別れた夫は若い女と関係を持っています。
そんなある日、彼女は覆面をした男に自宅でレイプされます。
超高級セレブなのに家にセキュリティが無いのですから変な話です。
しかも、「警察は信用できない」と、鍵を取り替えただけ、セキュリティを導入するわけでも無く、
何事も無かったように平然と生活します。
ミシェルは、隣の家の若い男・パトリックに性的関心を抱き、パーティに招待し、
足で彼の股間を愛撫したり、双眼鏡で彼の姿を見てオナニーしたりします。
ミシェルは、彼とのレイププレイを期待します。
彼女は、それまで拒否していた父親に面会に行きます。
その知らせを受けた彼は、自死します。
彼女は、彼の自死を予想、期待したのでしょうか?それとも…、私にはわかりませんでした。
映画をどのようにして終わらせるのかが非常に興味深くなりますが、単純でした。
夫が関係を持たれた同僚の女性と共同生活を始めるところで終わります。
セックスシーンは過激ではありませんが、たくさん描かれます。
そもそも私は、映画で、セックスシーンを生々しく見せる必要があるとは思いません。
実は、彼女の父親は多くの住民・少女を性的異常をもって殺戮し、終身刑で服役中しています。
彼女は、父親が殺した人々の衣服などを燃やす手伝いをしました。
その「異常」経験=トラウマは、彼女の倒錯した性欲や精神に影響を与えているのでしょうか?
それとも、彼女の性癖は、性的マイノリティの一種で、「異常」でもなんでも無い、とでも言うのでしょうか?
あれこれ屁理屈は想像できますが、さて、この映画、いったい何を言いたいのでしょう、
私にはさっぱりわかりませんでした。
訳がわからない映画を評価する癖の第69回カンヌ映画祭ではやはり高い評価を受けたそうです。
ちなみに、原題のELLE はフランス語で「彼女」だそうです。
ユベールの映画の私のブログは、 「未来よこんにちは」、そしてアスファルト です。 【1月22日】