風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/光州5・18

2008年05月14日 | 映画
映画光州5・18 2008/5/13

 


映画の原題は、華麗なる休暇=軍の作戦名に由来しているとのことだ。
待望していた映画だ、期待に違わなかった。
涙なくして見られない。

映画の冒頭、主人公のタクシードライバーは、延々と続く田園風景の並木道を進む。
そのあまりの美しさは、やってくる悲劇を予感させる。

1979年10月、朴正煕大統領が射殺された、
その政治的真相は未だ謎だが、朴軍事独裁政権の崩壊は、
「ソウルの春」とよばれる全国的な民主化を求める国民運動が盛り上がった。
だが、軍を掌握した全斗煥は民主化運動を抑えるため、80年5月17日、金大中氏らを連行した。
これに対し、光州市では戒厳令撤廃と金大中氏釈放を求める大規模なデモが起き、
軍は市内各所で武力弾圧・無差別発砲を開始した。
当時、この軍はドラッグを飲んで弾圧に向かったと一部ささやかれた。
それは、弾圧の方法があまりにも常軌を逸していたからだ。
全斗煥は、大統領に就任、軍事独裁を続けた。
金大中氏は死刑を宣告され、多数の民主化運動家が投獄された。
その後、全斗煥と盧泰愚は、内乱罪で起訴され、無期懲役、懲役17年の判決を受けた。
アメリカ政府・日本政府も全斗煥と盧泰愚を支持し、報道も十分ではなかった。
「光州事件」の真相は今なお闇の中で、死傷者の数も今なお定かではない。


この写真は映画のラストの一コマだ、
主演の女性だけがカラーで後は白黒、
そして、彼女だけが笑っていない、
生き残ったのは彼女だけなのだ、この結婚式の写真も実際にはなかった。
日本の女優・ともさかりえ似のイ・ヨウオンは綺麗でとてもうまい、
彼女は、父や恋人を思い、支えるだけの女性ではない、共に戦う民衆である。
監督のキム・ジフン37才で、この映画は長編2作目だそうだ。
配給は、シネ・カノン(社長~李鳳宇)。

シネカノン有楽町2丁目は出来たばかりで、今回初めて入場する。
席数150強の小劇場だが、50人を超える入場者だった。

韓国は、長期間、アメリカの半占領下・軍事独裁政権であった、
韓国民衆は、厳しい弾圧を受けながら絶えることなく民主化運動を進めてきた。
対北対峙の現実は、民主化運動はアカ・北スパイと言われ、暴力的苛烈な弾圧を受けた。
そして、それは徴兵制と相乗して、運動を先鋭化・軍事化させもした。
しかし、中国・日本・アメリカ・軍事独裁政権への韓国民衆の
自主独立・統一・抵抗・民主の運動は、絶えることはなかった。
そしてそこに流された人々の涙と誇りは、
韓国民衆のアイデンティティを新しく作っているに違いない。
かつて韓国民衆のアイデンティティを語る得る上で『恨』は欠くことはできなかった、
今もそれは大きいと思うのだが、
韓国民衆の自主独立・統一・抵抗・民主の運動の精神・誇りはそれと並ぶのではないかと僕は思う。
映画はもちろん運動をドキュメント、語ることではない、
父娘、母息子、夫婦、兄弟、先輩後輩、恋人同士、チンピラなど、
つまりそれはほとんどの民衆の姿なのだが、彼らの生き方そして別離を描いている。
愛する者[家族]のために戦うという、今はやりの言葉が使われていないのがなにより良い。
だが、その人々の内面まで描けているかと言えば残念ながらそうではない。
まあ、それはあまり求めまい。
人々は、大儀・時代の精神と共に生きた、と言うことだ。
「銃より恐い物のは何か?人間である」とは市民軍の隊長[ヒロインの父親]の言葉だが、
銃より強いのも人である、とこの映画は伝えている。
私の思い入れは強すぎるのかもしれないが。

シネカノンは1000円のシニア料金がある。
今週・来週と見たい映画があと2本ある。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ピースボート船内見学会
実はこの日は、ピースボート船内見学会があった。
当初の計画では、その前に周辺をウォーキングする予定であったが、
台風が来ていたので、映画にした。
映画の後の見学会で忙しかった。

これがクリッパー・パシフィック号、かなり老朽化している。
大きいのかそうでないかはわからない。
長さ約200m、幅24m、8F建て、乗客定員は1300人だそうだ。
船室も、スポーツジムもかなり狭い、これで3ヵ月はきついかもしれない。
だが、行くことにした。
見たいと思っていた売店、ランドリー室などは開放していなかった。

横浜港大さん橋

この地は初めて訪れたが、床は船の甲板を思わせる木製。[横浜港HPより転載]

横浜港大さん橋国際線ターミナル待合室


赤煉瓦倉庫と横浜方向


横浜開港記念館


横浜開港記念館・資料館=旧英国総領事館


ピースボート出発まで3ヵ月余である。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。