まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第21回九州八十八ヶ所百八霊場めぐり~夕日とともに

2025年02月08日 | 九州八十八ヶ所百八霊場

これまで長々と書いてきた九州八十八ヶ所百八霊場めぐりの熊本シリーズもようやく最後。結局、札所以外の記事のほうが多かった。

三井三池炭鉱の三川坑跡を訪れた後、レンタカーを返却するには少し時間があるので三池港方面に行ってみる。その道沿いにあるのが、三池港展望所である。遠くに雲仙普賢岳を見ることもできる。

三池炭鉱で採掘された石炭は有明海に面する三池港から各地へと運ばれ、日本の近代化、あるいは戦後の復興に役立てられた。この有明海は遠浅で、干潮時には干潟が現れるくらいのところ。三池の石炭は当初は小型船で島原半島の口之津まで運ばれ、大型船に積み替えられていた。当然のことながら時間とコストがかかるため、大牟田に直接大型船に石炭を積むことができる港を造る構想が持ち上がる。

その実現に貢献したのが工学者で後に三井財閥の総帥となった團琢磨。ヨーロッパに渡り技術を習得し、三池港の整備、炭鉱電車の敷設、大牟田川の浚渫を手掛けた。これにより三池炭鉱は成長し、当時の三井の稼ぎ頭ともいえる存在となった。

もっとも團琢磨は三池港築港時、「石炭山の永久というのはないが、築港をやればまた産業を興すことができ、100年の基礎になる」という旨のことを述べたそうだ。実際、石炭産業は先の三川坑の記事でも触れたが太平洋戦争後は石油に替わる形で衰退、閉山したが、三池港はそれこそ100年以上経過した現在も周辺の工場群とつながり、また福岡、熊本の物流の拠点として機能している。そこは團琢磨の先見の明といえる。

三池港の特徴として閘門がある。干潮時でも水位を維持するための水門である。この三池港、最近は「光の航路」というのをPRしている。ちょうど夕日の方角を向いており、毎年1月と11月には、長いクチバシのような長い航路の先端から、閘門をの中心を通って夕日がまっすぐに伸びる光景が(天候がよければ)見られるとある。私が訪ねたのは1月でも少し時季が早く、また日没まで多少時間があったので「光の航路」とはいかなかったが、太陽が西に傾きつつある中、港のシルエットくらいは見ることができた。

これで大牟田駅前に戻り、レンタカーを返却する。この次はいよいよ福岡・筑後シリーズとなる・・。

大牟田から門司港行きの区間快速に乗る。といってもロングシート車両。そろそろ日没の時間が近づき、車窓からその姿を捉える。

筑後船小屋を過ぎる。九州八十八ヶ所百八霊場めぐりの順番で次に訪ねるのは第59番・光明寺。駅からすぐのところに位置する。そして筑後船小屋といえば・・ホークスのファームであるタマスタ筑後も目の前にある。九州八十八ヶ所百八霊場めぐりのルートを見る中で、光明寺に行くならタマスタ筑後もセットになる。ウエスタンリーグの試合観戦が理想だがさすがにそこまで待てない。シーズンオフもスタジアムの見学ツアーがあるようで、それとセットでもいいかな・・。

鳥栖に到着。このまま門司港行きに乗ればいいのだが、あえて特急料金を追加して、先行する「ゆふいんの森4号」に乗り換える。博多での乗り換え時間を増やすということもある。ここまででほとんどの席が埋まっているが、鳥栖で下車した人もいるようで空席ができた形。次は終点博多。帰りの列車ということで眠っている客も多く、静かに過ごすことができた。

博多からは18時53分発「こだま776号」広島行きに乗る。通常なら700系レールスターが充当されているが、この日に限っては車両運用の都合でN700系みずほ・さくら用車両が入って来た。これはラッキー。

この列車は広島までなので寝過ごしの心配もなくリラックスできる(私が九州方面から戻る際に選択することも多い)。その車内でいただくのは、鳥栖駅の名物(といいつつ博多駅内で購入した)「焼麥(しゃおまい)」。ビールのつまみにちょうどよい。

新下関では500系の「こだま」と対面。この500系も2027年目途で引退すると発表されている。これを受けて、この3月9日には山陽新幹線全通50周年記念企画の一環として、ツアー列車「リバイバル500系のぞみ」が運転される。新神戸発(新大阪発でホームが混乱するのを避けるため?)博多行き、途中の停車駅は岡山、広島、小倉のみという往年のガチンコのぞみ。ちょうど募集期間前で私も応募しようかと考えたが、同日は他のイベントを選択することにした。「リバイバル」はともかく、もうしばらく「こだま」で走るとはいえ、500系は乗れる時に乗っておいたほうがよさそうだ・・。

広島に到着。さて、次の九州は・・・。

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