まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

最初で最後の三木鉄道

2008年01月07日 | 旅行記E・関西

P1035706北条鉄道に乗車後、粟生から厄神に南下する。次に乗るのはこちらも初めての三木鉄道。ただ、この路線、乗客の減少もあり今年の3月末で廃線となる。このあたりまで出張ってくることもなかなかないだろうから、私にとってはこれが最初で最後の三木鉄道になる。

P1035709三木方面からやってきた1両の気動車が折り返す。わずか6.6キロの区間であるがクロスシートを備えている。廃止が近いということで「その筋」の乗客の姿が目立つが、それ以外にも地元の人とおぼしき乗客も結構いて、座席もほどよく埋まる。車内は「ありがとう三木鉄道」というポスターやら、車両の走行風景や駅の写真などが飾られている。ただその中に「鉄道アイドル」のナントカいうのやらのポスターも混じっており、私としては不快に感じる。

厄神を出発し、わずか6.6キロの間に8つの駅に停まる。だから2分も走れば次の駅で、もっと身近に利用しやすそうなものなのだが、やはり走る場所が中途半端なのだろう。三木から神戸に向かう人は神戸電鉄に乗るし、加古川方面に出るにも厄神乗換えが面倒だし・・・。

途中の駅に停まると、そのたびに誰かがホームでカメラを構えている。また沿道のあちこちにはこれもカメラを構える姿を見かける。これが3月の春休みともなればもっと大勢の「その筋」の人が押し寄せ、乗車もままならず、沿線はカメラの放列ということになるのだろう。

P1035719わずか13分で終点の三木着。先の北条鉄道の北条町駅とは異なり、昔ながらの木造駅舎が出迎える。いかにも一昔前の国鉄の駅という雰囲気がそのまま残っている。窓口では各種入場券やらグッズやらが売られているが、中には完売となったものもある。私は三木駅の「単品」の硬券入場券を買い求め、これで乗車記念とする。

P1035729しばらく駅舎を眺め、そのまま折り返しに乗ってもよかったのだが、どうせなら三木の町を歩いてみよう。かつては羽柴秀吉が中国攻めの先鋒戦として兵糧攻めを行った三木城跡や、姫路から有馬を経由し、参勤交代の街道でもあった「湯の山街道」の名残を残している。

P1035730このほか三木は金物の産地であり、今でも金物を扱う店や、三木城跡近くには金物資料館がある(あいにく訪れた日は休館日だったが、唱歌「村の鍛冶屋」の石碑が見られた)。また道が「鍵屋の辻」のように折れ曲がっていたり、格子に漆喰壁の町家もいくつか残るなど、小さいながらもなかなか味のある町並みである。屋号の絵が描かれた卯建も三木独特のつくりという。

ここまでくれば神戸電鉄のほうが近くなり、神鉄上ノ丸駅から神戸電鉄で神戸に出ることにする。三木の人からすれば神戸電鉄に乗るほうがまだ便利だろうし、三木鉄道もこれと接続していればまた状況が変わったのかもしれない。そんなことを思いつつ、六甲の山を越え、神戸の街に降りる(この後、こちらも初めての和田岬線に乗車)。

P1035723第三セクター線や地方私鉄の「廃止」が相次いでいる。元々乗客が少ないことに加え、これらの路線を支援している地方財政が年々厳しくなっていることも追い討ちをかけているのだろう。三木鉄道の場合も、財政再建の一環として三木鉄道の廃止を掲げた人が市長選挙に当選したということも廃止を早めることになったとか。これらローカル線をどうするかという妙案がなかなか出ないだけに難しい問題だ。これらがなくなる前に一つでも多くの路線を訪ねて、沿線の様子を見ることしかできないのだろうか・・・・。

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