JR東日本の旅行センター「びゅう」のパンフレットをあれこれ見るうちに、このような文字が目に留まった。
「日帰りの旅 八戸旬グルメ 10,000~15,000円」
東京から八戸まで、はやて号の指定席利用の運賃・料金が15,000円あまりである。それが、冬季限定プランで、はやて号(便は指定されます)の往復で、土曜日出発が15,000円、その他の曜日(日曜日を含み、水曜日を除く)日帰りなら10,000円というプランである。この基本プランには八戸の食のスポットとして最近人気という「八食センター」へのシャトルバスの往復運賃(100円×2)と、八食センターで使用できる500円分のクーポン券の引き換えがついている。また2,000円程度の割り増しで、八戸市内の観光タクシーや、三沢の古牧温泉の入浴などのオプションもあるとか。これが1名でも申し込めるという優れものだ。
八戸は列車の乗り継ぎで乗り換えたことがあるだけで、改札口を出たことがない。そういうこともあり、古牧温泉のプランも捨てがたかったが、格安で行けるのであれば行こうかということで基本プランを申し込む。日曜日出発なので10,000円のプランとなる。出発は東京駅8時28分発の「はやて7号」。行きは7号かこの次の9号のいずれかを選択。いずれの列車でも、八戸まで3時間、ちょうど昼時に着く。
・・・ということで出かけた2月3日であるが、ちょうどこの日は東海から関東にかけての雪の予報、そして案の定、朝起きたら路上や周りの家の屋根にうっすらと雪が積もっていた。その一方で、東北地方の太平洋側は晴れのち曇りの予報。何だか季節が逆転しているな。
東京駅に向かい、八重洲中央口横のびゅうプラザの案内所でクーポンと引き換え、東北新幹線のホームに上がる。外は完全に雲に覆われており、東京駅舎もうっすらと雪化粧。うーん、時間もあったのだから、新幹線ホームに上がる前に赤レンガ駅舎の写真でも撮ればよかったな・・・。
「はやて7号」、日曜日の朝に東北に向かうとあって乗客はさほど多くなく、上野、大宮と停まっても6割程度の入り。なるほど、これでは格安プランも成り立つわけだ。東京都内から埼玉にかけて雪は降り続け、並木にも雪がこびりついている。滅多に見られない風景に窓の外をじっくりと見る。
大宮を過ぎれば仙台までノンストップ。広い田園地帯にも差し掛かるが真っ白に覆われており、学校のグラウンドで子どもたちが雪だるまをこしらえるのも見える。宇都宮を過ぎ、白河の関に差し掛かる山間の積雪が多かったように見えたが、これが郡山、福島とくるとまた雪の量が少なくなり、仙台に来る頃には全くなくなった。その後も根雪くらいしかない風景が続き、盛岡からは晴天。岩手山もきれいに見える。うーん、やはり季節が逆転したような感じだ。
盛岡からの区間はほとんどがトンネル。そして東京から3時間で八戸着。結構早く感じるものだ。改札の外では、このプランのオプションで市内観光や古牧温泉を選択した客を出迎える係員の声がする。その中を縫って、バスターミナルに向かう。まずは八食センターに行こうというのだが、八戸で下車した人の中には結構同じコースの人がいるようで、バスも後続車が出ていずれも満員の盛況。晴天で、路上にも屋根にも雪がない八戸市街を走る。ただ暖房だけは北国のそれで、やたら暑く感じる。外が寒いから暖房を思いっきり効かせるのだろうが、これではかえって体調を崩しそうだ。
走ること10分、八戸の食のスポット八食センターに到着。大勢の客がここに吸い込まれていく・・・・。