バスに揺られてやってきた八食センター。郊外でよく見る大型店舗というところで、広大な駐車場には多くの車。観光バスも何台か停まっており、その賑わいがうかがえる。
案内所で500円分のクーポン券と引き換えてもらい、まずは食事とする。おまかせ寿司15貫で1000円というのがあり、それにとびつく。さすがにイカの水揚げが多い港らしく、イカの種類がヤリイカ、モンゴウイカ、赤イカと3種類ある。うーん、正直どれがどれかと聞かれても「イカの味ですなあ」としか答えられないのだが・・・。
八戸の名物料理といえば、ウニとアワビの吸い物「いちご煮」であるが、これが結構な値段がする。というわけでそれは敬遠し、もう一つの名物「南部せんべい汁」を注文。南部せんべいを適当な大きさに割り、他の具財と一緒にとろとろと煮る(写真は煮る前の状態)。少しやわらかくなったところでいただく。出汁を吸った南部せんべいが独特の歯ざわりで、地酒「陸奥男山」とともにいただく。
食後、新鮮な魚介類や、野菜、菓子類など何でも揃う市場ゾーンを見学。特に賑やかなのが鮮魚ゾーンで、食材の大きさと種類の豊富さはうならせる。買って帰ることができないのが残念だ。・・・・という人たちのために、この八食センターには、買った食材を炭火焼で味わえる「七厘村」というのがあり、満員の盛況。グループ客なんぞはこういうのが楽しいだろうな。
市場散策で目のほうも満腹にしたところで、ここからタクシーで八戸市博物館に移動。バスだと乗り継ぎになるので、ショートカットする形だ。運転手から、「博物館からはどこかに行くの?」「最近城とか砦跡なんかあちこち整備しているよ」というような意味のことを話かけられたが、そのほとんどが東北言葉で聴き取れなかった。
このあたりは南部氏の根拠地。八戸城というのもあるのだが、もともとの拠点は博物館のある根城。まずは博物館で南部地方の歴史を学ぶ。郷土芸能「えんぶり」の展示もある。豊年の願いをこめた「えんぶり」であるが、一方では冷害によるコメの不作→飢饉→ヒエなどで飢えをしのぐという厳しい気候風土であり、だからこそこのような祭りが伝統として受け継がれているということ。そういえば最近「冷害」という言葉を聞かなくなったな・・・。
続いて根城跡の見学。いわゆる石垣に天守閣というものではなく、中世の風情を残す砦というか、館である。長年にわたり復元整備に力を入れてきたそうで、馬淵川沿いに堀や館跡などがきれいに残されている。そして本丸には主殿、馬屋、工房などが再現されている。本丸の中に武器工房や鍛冶工房があるというのは、江戸時代の城郭の感覚ではイメージが沸きにくいが、臨戦の感じというのがよく伝わってくる。中世の城跡というと石碑だけであとはほったらかし・・・というのが多い中、ここまで整備されているのは感心した。日本100名城の一つというのも初めて知った。まだまだ観光のことについて知らないことが多いものである・・・・。