本日11日はほぼ半月ぶりに職場に復帰。夏休み取得中の人もいて会えなかった人もいるが、職場の朝礼にて帰還のあいさつを行う。「飲酒のせいでインシュかいな(インシュリン)」と微妙にうまいことを言う人もいるが、温かく出迎えていただいたのが何より。ただ「退院祝いに一杯行こう」というわけにもいかないのが辛いところだが・・・。
さて、「糖尿病入院への道」と大げさなタイトルをつけているが、診断・入院に至るまでの経過を振り返ってみることにする。
元々、内臓脂肪型肥満ということで健康診断等でさまざまな指摘・注意を受けていたことがある。それを「まあまあ」といいつつ放置したことが最大の要因であることは間違いない。
それでも血糖値については空腹時で120~130mg/dl(以後、単位は省略)ということで、いわゆる「境界型」に分類されており、糖尿病でたちまち病院に行くというところまでに至ってはいなかった。
ところが今年の6月に入り、暑くなりだした時期。どうも喉が渇くということで水分を多くほしがる傾向が出た。また暑い中外に出る時の熱中症が恐く、「こまめな水分補給が大切。ただし水分だけではなく塩分も摂る必要がある」という理解のもと、ならばということでお茶や水だけではなくスポーツドリンクを多飲していた。と同時に、無性にトイレが近くなることがあった。
また、このブログでも一時「熱中症か」「体がだるく、体調が思わしくない」という内容のことを書いたが、そういう症状も出ていたのは確か。ただそれらを「夏バテのせい」と言い聞かせていたものである。
そんな中で行われた会社の健康診断。7月に入りその結果が返ってきたが、私の結果を見た保健指導員から直接連絡があった。「血糖値が300を超えている。また尿検査も糖の強い反応があった」という旨。「これは糖尿病に違いない」ということで、自宅からも近い阪急塚口駅近くの専門医を紹介され、数日後、外出先から直接帰宅できたタイミングを見て病院を訪れる。
初診ということで各種の検査や、症状や生活状況のヒアリングを行った結果、その際の血糖値が400を超え、HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー→赤血球に付着するブドウ糖の割合)も12%を超えていた。このHbA1cは正常値で5~6%と言われ、8%を超えると入院して血糖コントロールを行う必要があるとか。ましてや10%超えは「重症」の部類に入るといわれる。「よく倒れずに我慢できたなあ。よほど体が強いんやな」と、看護師も半ばあきれ顔だった。
この結果を見た医師も看護師も「このまま家に帰らずに今晩から入院!」と主張したが、私も一人暮らしの身とはいえ、職場のこともあるし今晩いきなりは無理と押し返す。結局、一度1泊の検査入院を行い、その結果を見て再度処置を検討することで了解してもらった。
しかし何か手を打たないといけないということで、その晩から注射器を使用してのインシュリン注射である。食前の超速効型を毎食前6単位(注射器の目盛りの量)、持続型を夕食前に6単位注射するよう指示され、早速看護師からレクチャーを受ける。最初は自分の身体に針を立てることの恐れがあった。しかしこれが最善の方法ということで気持ちを持っていざやってみると、思ったよりは痛みもなく、やれ一安心である。それにしても腹部に注射針を立てる自分の姿を見ると、切腹の儀式を行っているようにも、怪しげなクスリをやっている芸能人(芸能人は余計か)のようにも見える。あまりカッコイイもんやないな。
・・・ということがあったのが7月の半ば。その後数日間インシュリン注射に自分での血糖値測定を行い、7月19・20日の検査入院(一時娑婆から隔離)ということになった。
入院時には一日の血糖値の動きを見るということで、24時間で9回の採血、さらに膵臓や腎臓の機能を検査するための蓄尿検査(コップの中に尿を出し、その尿をビンに溜めるもの)を実施。多尿の症状もまだあったため、24時間で3000ccは出た(通常で1000~1500ccくらい)。
22日、その結果を確認する。インシュリンを使いだしたとはいえ、血糖値は空腹時の最低でも250、食後は最高で450近い数値で、これでは改善したとはいえない。以前の外来時には「仕事があるから」と入院を拒むような反応を私が示していたため、「インシュリンの量を各6単位から8単位に増やして様子をみよう。外来患者の場合、インシュリンの量はそれほど増やさないほうがよいのだが、とりあえずこれで2週間後に様子を見よう」という案が示された。
確かに外来での治療が可能であれば、職場への損失も少なくて済む。しかし、検査入院前に職場から「だましだましやっていてもどうせ入院ということになるのだろうから、今のうちに割り切って、スパッと治療したほうがよい。長期離脱もやむを得ない」というありがたい言葉もあった。そのこともありもう一度医師と話し合い、「2週間の教育入院」を提示された。検査を通してインシュリンの量のこまめな調節も出来るし、糖尿病に関する講義や食事や運動に関する指導プログラムも受けられるというものである。「長期離脱」が思ったよりも短い2週間で済みそうなことから職場の了解も得られ、不在時の引継ぎその他を行った次の週初めの27日からの入院ということになった。
入院といえば、小学生の時に盲腸の手術をして以来のこと。今のところ寝たきりになる病気ではないので付き添いは必要としないのだが、何せ慣れていないものだから「あれもいる、これも必要」といろんなものを買い足し(自宅からも近いのだし、入院中も買い物に出るくらいの時間はあるのだが)、まるで夜逃げするかのように大きな荷物を両手と背中に抱えての入院。入院というより籠城戦に挑むかのような出で立ち。
こうして、この夏の一つのイベントが始まった・・・・。