そろそろ前期のシーズンも終わりを迎えるプロ野球BCリーグ。前期2回目の観戦ということで、27日に富山アルペンスタジアムで予定されている富山サンダーバーズ対信濃グランセローズの試合を見ようと、本日26日は富山で宿泊。
午前中は所用で大阪市内におり、昼食後に出発。今回はクルマでの移動である。激しい雨の中で、まあ今日は移動日と割り切っていればいいのだが、翌日も雨ということならば今回の目的というのが崩れることになり心配である。
阪神高速の東大阪線から近畿道、そして先日全線開通したばかりの第二京阪を通る。京滋バイパスと合わせて瀬田までのバイパスルートとなっており、快適に走る。もっとも私のクルマのカーナビは新規開通区間に対応しておらず、何もない住宅地の中をカーナビの矢印が暴走していくのが面白い。
特に目立った混雑もなく、2時間少しで敦賀を過ぎた杉津パーキングエリアで休憩。かつての北陸線に近いルートをたどる北陸道にあって、この杉津はかつて駅があったことで知られる。パーキングエリアの中にはそのことを記すものはないが、展望台からの日本海の風景はどんよりした空の下でも情緒ある。雨天、昼下がりの時間帯ということでカップルの姿もなく、「恋人の聖地」を独り占めする(←そんなんで寂しくないのか?と言われそうだが・・・)。
激しい雨の中を走り抜け、富山インター下車。ここまで4時間半ほどかかった。今夜の宿泊は市内電車の走る道沿いにある富山マンテンホテル。最上階に立山連峰を見渡せる展望風呂があるという。私は日本海側の街の中でも富山が特に好きな街の一つで、これまでにいくつかのホテルで何回も宿泊している。ここマンテンホテルも一度連泊したことがあるが、その時は展望風呂はなく、ホテルからの無料送迎で富山地鉄のどこかの駅近くだったかにあるスーパー銭湯の「満天の湯」まで行ったことがある。
さて、富山に到着したのが夕方、もうハンドルは握らない・・・ということになれば、富山湾の魚を味わうことにしよう。富山駅周辺にもいろいろと魚料理をアピールする店が多く、北陸の味を楽しむのがBCリーグ観戦の楽しみでもあるという私にとっては目移りする。
最初は以前にも行った「五條」にしようかと思ったが、今回はその向かいのビルにある「さんじゅうまる」に入る。小ぢんまりとしているが地元客、観光客のいずれも気軽に楽しめそうな店である。私自身、旅先ではそういう店を好む傾向がある。
ぶりや白えび、大間産まぐろなどがびっしり載った刺身の7点盛りや、白えび唐揚、岩ガキなどを楽しむ。
それにしても岩ガキの粒がでかい。カキといえばどうしても広島産を応援したくなる私だが、夏の日本海の岩ガキは瀬戸内のカキとはまた違った豪快さがあり、楽しんでいただく一品である。
店のテレビでは明日の天気予報。富山県内は午前午後とも雨だけのマークだが、降水確率がいずれも50%とある。うーん、キャスターの概況を聞く限りでは雨天中止だろうが、50%の確率、そして隣の金沢では午後から曇りマーク、降水確率20%というのが微妙。いや、中止が確定的なら明日は朝から別の動きをするし、雨がやむのならアルペンスタジアムに行くし・・・。このあたりは選手も含め、地元富山のファン、そして信州から応援にやってくる信濃ファンもやきもきするところだろう。
そんな富山のローカルニュース枠での天気予報。北陸以外の天気として東京、大阪など国内の主要都市と並んで「ウラジオストク」が同列で報じられていたのが「ああ、日本海やな」と感じさせる。そういえば富山といえば「環日本海経済圏」の中心的役割を果たしており、南北を逆にした環日本海を中心とした日本地図を出しているところである。
さて富山の味を楽しんだ後で、まだ外が明るいのでふらりと富山地鉄の電鉄富山駅に向かう。ふとホームをのぞくと、元京阪特急の車両と並んで元西武のエースであるレッドアロー号の車両が停まっているのが見えた。ふと「これに乗ってちょっと出かけようか」という気になる。このままだと富山には単に食事をしに来ただけ、となるのはよろしくないという気持ちがあった。
JRとの接続駅である新魚津までの乗車券を買い求め、レッドアロー号に乗車。リクライニングシートを回してボックスを作り、すっかりくつろぐ。この時間帯のこととて乗客も少なく、少しずつ暗くなる富山平野の中を淡々と走る。私の気持ちも次第に鉄道モードになってきた。
新魚津到着。そういえばこの魚津にもBCリーグ絡みで一度泊まったことがあるが、今回は地下道を渡ったJR魚津駅に出て、下車から10分後にやってくる富山行きの列車でそのまま引き返すことにする。
やってきたのは国鉄急行型の車両。現在読みかけで今回の観戦旅行にも持参した西村健太郎著『週末夜汽車紀行』でも、北陸の旅行中で同地区に残存する国鉄型車両との遭遇に喜ぶ一文があるのだが、私も同じような心境。
ましてガラガラの急行型のボックス席に大の字になって陣取るというのは、最近の鉄道旅行ではなかなかできないこと。短い区間の利用、よそ者としての利用であるが、大いに楽しむことができた。
そうしてやってきたJRの富山駅。今年の冬にもやってきたが、その後で新幹線乗り入れに向けた駅の改修工事が本格化したようで、ホームの位置も全て北側にずれていた。何度となく降り立った富山駅の駅本屋もテナントを残して移されており、全く初めての駅に降り立ったかのような感覚である。ましてや暗い中だったし。
そんな仮駅舎の売店で二次会用に立山の純米などを買い求め、ホテルに戻る。ただ、歩いても戻れるところを、目の前にやってきたLRT「セントラム」の車両に吸い込まれる。ホテルの最寄は桜橋電停ということもあり、このまま環状線運転の4分の3を回る。結局なんだかんだ言って、鉄道の要素が強くなったかなあ・・・・?(写真は夕方撮影したもの)
これも富山の面白さだと思う。同じ北陸の金沢や福井とは違って、こと交通という点でいればいろんなバリエーションがある。やってくる車両もいろいろだ。