まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

「銀座鉄道」と国鉄型車両の出会い

2010年08月31日 | 旅行記C・関東甲信越

Dscn2570 8月23日、浅草から地下鉄銀座線で銀座へ。一時東京に住んでいたとはいえ銀座にはほとんど来ることはなく、いわばお上りさん状態である。

それがこの関東旅行で訪れてみようと思ったのが、銀座で行われていたあるイベント。23日は月曜日で、博物館や美術館などは通常は休館日であるが、こちらのギャラリーは火曜日が休みということでまことにラッキーだった。

そのイベントとは「銀座鉄道」というもの。

銀座4丁目交差点、向かいは三越というロケーションにリコーのギャラリー「RING CUBE」に現れる。ここで8月29日まで行われていたイベントである。鉄道写真家の広田泉さんの主催によるもので、広田さんのほか、何名かの鉄道写真愛好者の作品も合わせて約50点が展示されるというもの。銀河鉄道をもじって、「銀座鉄道」。

Dscn2571 この展示会を訪れるきっかけになったのが、私も愛読させていただいているブログ「とくとみぶろぐ」の徳富政樹さん。この方の鉄道旅行記(本職は何ですか?というくらい出かけてらっしゃるようです)や、街並み(井戸がお好みのようです)や鉄道を追いかけた写真の数々が面白いなと思っていたのだが、とくとみさんも出展するという記事を読んで、それならばぜひ訪れてみようと。

会場内の写真撮影はできなかったし、出展者の写真集を販売していたわけではないのでその様子をこのブログで紹介することができないのが残念だが、回廊式のギャラリーに大きくカットされた写真の数々。

鉄道の写真展といっても、珍しい汽車の走行シーンや車両の形式写真のような作品は少なく、「鉄分」は薄めといったところ。ただ逆にその分、「鉄道のある風景」「鉄道と共に生きる人たちの表情」というものを主眼にした作品が多く、ムードを楽しむことができる。

私も鉄道旅行をするようになって長いが、心の中でのイメージは「ああ、こんな景色に出会えれば」という憧れがある。ただ実際に目にするシーンはもっといろんな余計なものが入ってくるようだ。それをカメラを通して、その一瞬をうまく切り取ってくれているように思う。

また、普通であればただ何と言うこともなく通り過ぎるであろう景色も、そこに鉄道の2本の線路、または1両の車両を配置するだけで、何とも情緒あるシーンになるのはどういうことだろうか。これがレールの持つ魔力とでもいうものだろうか。

そんな中、とくとみさんの作品に出会う。舞台は九州、車両は肥薩線だろうか。出発していく列車を、両手を振りながら見送る人たちの後姿を切り取った一枚。後姿ではあるが、鉄道を見送る人たちの喜びの表情が背中越しに伝わってくる。列車ではなく人に照準を合わせたところが、写真の世界観・・・。

一枚一枚に感心し、十分満足して会場を後にする。またどこかの作品展で目にすることができればな、と思う。

Dscn2575 さて、この日の午前中はこのような感じで東京都内で過ごし、昼過ぎの列車で東京駅から中央線に乗る。この日の宿泊地は上諏訪である。午後はもう途中下車観光などはなくひたすら移動するだけだが、時刻表を見ればいろんな乗り継ぎパターンが出る。要はどこで長時間待たされるかだが、どう乗り継ぐかは野球の継投策を考えるようにも思えて面白い。結局、高尾、大月、小淵沢と乗り継ぐことにする。

大月での待ち時間。ふと売店のスポーツ新聞を見ると、この日の一面が「T-岡田30発」のはずの日刊スポーツが、「巨人坂本、先頭打者本塁打」となっている。ははあ、同じ東京版とはいえ、発送時間の関係でいくつか版が分かれる中、当初は「坂本」が一面で走ったのだろうが、途中で「T-岡田」の連発のほうがニュース性があるとして差し替わったのだろう。このあたり、山梨というのも微妙な位置やなと思ったものだ。

Dscn2576 さて大月からは115系の横須賀色。いわゆる「スカ色」。本家横須賀線からはなくなって久しく、このところは房総半島からも113系が姿を消しつつある中、山梨県で元気に走っているのは貴重な存在である。

Dscn2579 そこへ接続列車としてやってきたのは、高尾を1本後に出てきた大月止まりの快速電車。それが201系であった。思わず席を立ち、今となっては貴重なツーショットとなるこの顔合わせを撮影。201系は今年の10月での中央線からの引退が決まっており、それを追いかける人も多いようだ。果たして、列車の周りには結構多くの「その筋」の人たちが集まっていた。

Dscn2586 途中にわか雨も降る中、甲府盆地を経て上諏訪に到着。ホームの足湯が出迎えてくれる。かつては服を脱いで入る本式の風呂であったが、何かと手入れが大変なのだろう、数年前から足湯になっている。現在は「駅露天風呂」の石碑が当時を物語るだけである。

23日と24日は、上諏訪駅前の「ルートインホテル」に連泊する。シングルの料金でツインルームに泊まれるプランがあり、部屋を広々と使う。信州らしいものを食べようと店を探しに出るが今ひとつこれという店が見つからず、結局駅前の「庄や」に入る。新しくオープンしたばかりというがちょっと店員の応対が遅いなと思いつつ、旅行3日目の夜の一時を過ごした・・・。(続く)

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