OECDが実施した国際学力テストの実施結果が発表され、読解力、数学力、科学力の3分野のテストにおいて、日本はそれぞれ5位、9位、5位と、一時の低迷が落ち着いて回復傾向にあるという結果が出た。
その中にあって、3部門でトップを独占したのが上海。このほか、韓国、香港、シンガポールというアジア勢が上位を占めるという結果だった。一方で日本の教育界が憧れる北欧の国々も安定した成績のようである。
私も試しに毎日新聞のホームページに掲載されていた「読解力」のテストを見てみたが、なかなか面白いものである。日本の大学のセンター試験に出てくるような、「ホンマにこのおっさんは何を言いたいねん」とボヤキたくなるような現代評論文とか、作者の意図がわかるようで中学生がブツブツ寝言を言っているような私小説のようなものではなく、実用的な文章を読んで、その意図や主張がどこにあるのか、それを読んだ者は何を読み取らなければならないのかが明確である。結構面白い。数学や科学はまあ何が来てもバテレンの暗号くらいにしかわからないが、おそらく似たような意図の出題なんだろう。
それにしても上海はすごいや。夜のニュース番組で上海の中学校の授業の様子を紹介していたが、授業が1日8~9コマに自習の時間があってとかいうハードなもの。「一人っ子だから子どもの教育にカネがかけられる」という親のコメントもあったが、「一人っ子でも子どもの教育に回すだけの経済的余裕がない」というのが今の日本の実情とあっては、その時点で勢いの差を感じる。
そしてなお問題なのが、「ゆとり」か「詰め込み」かという、その二者択一の間で揺れ動く教育方針であろう。どちらにしても、何のためにこの科目を学ぶのかというのが難しいところであろう。ただ、基礎のうちは「詰め込み」は必要であろう。とりあえずかかとで蹴っ飛ばしてでも詰め込むだけ詰め込んで、それからそれをどう消化するか、必要なものとそうでないものを仕分けるかということを自分で考えさせるような教育が必要ではないかなと思う。後は、そこに自分のカラーをどう出していくか。
どうも「詰め込む」というと公式や年号や単語を無理やりゴロあわせでも覚える、というのが真っ先に来そうであるが、ただその過程の中で鍛えられる「地アタマ」というのはあると思う。
でもまあ、確かなのは一つ。どんな形であれ、やはり子どもの頃はイヤでも勉強しないとね・・・・。「地アタマ」はつくられないでしょう。大人になってどれだけ苦労するか、大人になってみてやはり感じるものがあるなと思う今日この頃・・・・。