今年もまた10月14日の「鉄道の日」の時期がやってくる。このところ「鉄道の日」に合わせたイベントが全国各地で行われており、今年は14日が日曜日ということもあって、かつ日本の鉄道140周年ということもあってさまざまに盛り上がることであろう。
そんな鉄道趣味の一つに、これはジャンルの一つとしてもいいのかな、「懐古型」というのが結構あるように思う。これは、乗る、撮るを問わず、その対象がかつて全国を走っていた「国鉄型」を中心として、今では実際に見る、触れることがすくなくなった車両や施設を追いかけるというものである。
これも思いっきり主観が入る趣味で、ある程度年齢を経なければなかなかわかりにくい嗜好であると思う。おそらく子どもの頃は「オンボロ車両」という感じでバカにしていた車両が、ええオッサンとなったら「懐かしい」「今までありがとう」というように変わるものだが、カギカッコの部分をいろんなものに当てはめてみると、その人のバックボーンがわかるような。
現在でもかろうじて現役の姿を見ることのできる車両や施設を紹介したのがこの一冊。『すばらしき国鉄遺産』(塩塚陽介著、ベスト新書版)。
国鉄からJRに移行したのがちょうど25年前。民営化後、車両入れ替えのペースも早くなったと思うし、様相がガラリと変わったように思える。技術の進歩で利便性や居住性が向上し、それが乗客へのサービス向上につながるのであれば、それは悪い話ではない。
その一方で、かつてのベテラン車両がまだまだ現役で頑張っているのを見ると、当時の技術が現在でも十分通用するという普遍性も感じるものである。同じ乗るならベテランを選んでみたいし、そのチャンスは探せばまだあるように思う。
この「すばらしさ」を次代の鉄道につなげていくこと、何とかがんばってほしいものである・・・・。