HAT神戸にある阪神・淡路大震災を総括する「人と防災未来センター」を見学後、「春日野道」の次の「千早口」まで移動する。再び阪神本線~阪神なんば線と乗り継ぐが、雨も少しは収まったようである。
阪神、近鉄、南海という3つの大手私鉄が集まることから「サイコロしりとり」では何度となく通過する難波を経て、南海高野線の人となる。シートにどっかりと座るとそのまま午後の睡眠モードに突入した。
千早口に到着。紀見峠を控える山間の小駅であるが、住宅もポツポツとは見える。「秘境駅」というほどではない。ただ、人の姿もほとんど見られず、駅前にあるクリーニング屋と併設したミニショップの明かりがついていて、日曜の昼間のテレビがついているくらいである。ここまで来た記念で何か買い物をしてもいいのだろうが、よほど腹が減っているとかならともかく、入るのにはちょっと勇気がいる。
折り返しの列車まで少し回ろうかとも思ったが、またここで結構な雨が降ってきた。ホームのベンチに座っていても吹き込んできそうなくらいの勢いである。それでも、真夏の暑さが少し和らぐような気がして悪くはない。次のなんば行きが来るまでの半時間、誰もいない(駅員もいない)ホームで一人ポツンと佇むのも悪くない。駅に案内掲示板もあったが、この日は悪天候で海水浴場は閉鎖ということであった。
で、お気づきの通り、「ちはやぐち」だから次も「ち」である。先の記事でも少し触れたが、「ち」で終わる駅というのは結構多い。ただ一方で「ち」で始まる駅は実は少ない。この時点で、
1、2.千鳥橋(阪神なんば線)・・・また難波から阪神で移動。
3、4.千船(阪神本線)・・・いざ西淀川へ。
5、6.千代田(南海高野線)・・・上の1~4に行く途中にこの駅はある。
こうなれば移動途中で「5、6」で千代田に降りて、次の「た」から始まる新たな展開に期待したいところである。
そこで出たのが・・・「4」。ということは、千船である。
高野線でなんばまで北上し、ここは歩きが長くなるが地下鉄の四つ橋線に乗り換える。西梅田から阪神の各駅停車に乗り換え、千船に到着。島式ホームが2面あり、特急や急行はここで各駅停車を追い越す造りになっている。
駅名は千船、近くに「千舟」という町名はあるが、駅があるのは「佃」である。佃といえば「佃煮」にゆかりのある名前として知られている。この地域の住民が幕府の許可を得て江戸初期に新たな開拓地に移住し、そこに故郷の名前をつけたのが東京の佃島の由来、そして佃煮の名前の元となったという。
また隣接する大和田、それに尼崎市に入った大物というあたりは、かつて源義経が四国の平家討伐の折などにも船を出したところ(その後、兄の頼朝の追及から逃れる際にも出航したが失敗したところ)である。現在は中小の工場や古い家並み、そしてその間に再開発で登場した高層マンションが混在しており、大阪にあってなかなかに下町風情を残しているところである。
駅は高架となっており、その下を利用したスーパーなどをぶらつく。そこで次のサイコロということになるが、この時、あることでギョッとすることになった・・・・。