まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

森と海と太陽~木の殿堂

2013年10月29日 | 旅行記E・関西

「癒しの森」である瀞川平にある但馬高原植物園から少し坂を下る。そして公園風景が広がる坂をまた上ると、円筒形の建物が見える。

Dscn3176ここが、あの安藤忠雄設計による「森と海と太陽」をテーマに建設された「木の殿堂」である。開館したのが1994年ということで20年近く経過しているから、特に新しいスポットというわけではない。知らなかったのは私ばかりで、安藤忠雄設計のファンのみならず、但馬の山々を訪れようという観光客には知られたところである。期間限定ではあるが、但馬の観光周遊バス「たじまわる」の2号でも、先の但馬高原植物園とセットで訪れることができる。

ありがたいことにここは入場無料(受付で名簿に住所氏名は書くことになるが)である。設計は安藤忠雄だが建物自体は県のものということもあるし、ここは美術館や博物館ということではなく、木に関する体験学習や、広く木や森に関する展示を行うスペースとしての場の要素が強いため、入るだけなら公共の施設ということで無料扱い。

Dscn3167建物の中はゆるやかな螺旋状になっており、その坂道の途中で世界各地の木造家屋に関するパネルや模型を見る。気候に合わせた家屋の造りの違いはあるが、木というのが人類にとっていかに大きな恵みをもたらしたかということの一端がうかがえる展示である。

坂道を下りきったところでは体験学習用の工作室、図書室や、木と森林から生まれた文化、習俗の展示を見る。訪れた時はこのあたりの森林をテーマとした写真コンテストの入選作が飾られており、先ほど訪ねた大カツラをターゲットとした作品もあった。やはり、私がただのデジカメで撮影したものなど歯牙にもかけられない見事な作品ばかりである。カメラが低レベルのか、腕が素人なのか。いやいや、最大の要素は、撮る人の顔がイケメンでないこと・・・・。

Dscn3168この建物、何かに似ているなと思ったら、「バームクーヘン」という異名があるという。展示を見て外に出ると、建物の中心が吹き抜けになっており、底面には池をイメージして水が流れている。空を見上げるとちょうど青空。直射日光は照りつけないが、自然の光を存分に味わえる。周りの木々は森のイメージである。そして見下ろす水はスケール大きく海・・・。

安藤忠雄といえばどうしても「コンクリート打ちっぱなし」というイメージが強いが、時にはこうした「木造」の仕事もやっていたということ。どこぞのコメンテーターみたいな「小銭稼ぎ」か?

Dscn3172この「バームクーヘン」から伸びるように通路が出来ており、その先には展望台がある。ハチ北高原を背に、前方の山々を見ることができる。その雄大さは、北海道や信州ではなく、ここが但馬であるということを一瞬忘れさせる。改めて、「兵庫県の広さ」というものを実感する。

高原の木の香りと風の心地よさを満喫して、ここから高度を下げる。香美町に別れを告げ、国道9号線の上り下りを経て、養父市へ。道沿いには日帰りの温泉施設の案内看板が目立つが、まずは少し先に進み、昨夜の宿で見たパンフレットをきっかけに「ならば一度行こう」と思いたった「とある集落」に行くことにしよう・・・。

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