まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

観戦記・大阪クラシック第3戦はあと一人で逆転負け・・・

2015年05月04日 | プロ野球(バファローズ・NPB)
36,154人。

5月3日のバファローズ対ホークスの大阪クラシック第3戦の入場者数である。これが、入場者数を実数で発表するようになって大正ドームでの最多記録である。その前の記録が先日4月29日の36,128人だったが、わずか4日でこれを更新した。29日のオリ姫デー、そして1~3日の大阪クラシックというイベントが当たった形である。チーム成績は今一つなのだが、これだけの声援があるのだから選手の皆さんの奮起をお願いする。

その試合を、今季初めて鈍な支障さんと観戦する。昨年秋のクライマックスシリーズ以来のこと。大阪クラシック「近鉄対南海」戦は、昔のパ・リーグを知るお方としては楽しみにされており、一昨年の第1回もご一緒している。昨年も予定していたのだが急用で来られなくなり、2年ぶりの観戦となる。

29日の超満員の試合を観たということもあり、上段自由席のかぶりつきを確保するなら早めに行かなければということで、私が先に順番を確保しに行く。朝の8時半頃に入場口に着いたのだが、それよりも早く行列ができている。列の先頭のほうには、観戦に行くとだいたい同じように見かける人たちがいるのだが、この人たちはいったい何時から来ているのかなと思う。係員が人数のカウントを取りに来たが、私のいるところで200番くらいのようだ。今季から、週末など観客動員が見込める試合は内野下段の自由席エリアが狭められ、その分上段にも客が押し寄せることになるのだが、このくらいなら、かぶりつき席は確保できそうだ。

2階のショップも開いたのでのぞいてみる。大阪クラシック特集ということで近鉄、南海の復刻グッズがズラリと並ぶ。今季は「大阪近鉄バファローズ」の復刻であり、その時代のホークスは南海ではなく「福岡ダイエーホークス」であるから、リアルタイムの「近鉄対南海」ではないのだが、こういう時空を超えた対決というのもそれはそれで面白い。

いろいろと時間をつぶすうちに支障さんとも合流し、開門を待つ。ところが11時になってもドアが開かない。一部のファンから「11時なっとるやろ!」「はよ開けろ!!」と怒号が飛ぶ。中の準備が遅れたのかわからないが、2分後で開門。何とか上段の最前列席を確保することができた。その後次々に客が押し寄せ、一塁側からみるみる席が埋まっていく。その時の現場での感触としてはオリ姫デーの時のほうが混雑していたように思ったのだが、試合開始の時となると三塁側まで埋まった。結局最多入場者数を記録することになったのは、最初に書いたとおりである。

ホームゲームではあるが、復刻したのは大阪近鉄の黒のビジターユニフォームである。白のホームユニフォームは以前に別のイベントで復刻したこともあるし、「Osaka」のロゴが入っているのがポイントか。当時はそんなにかっこいいデザインとは思っていなかったのだが、こうして選手やファンが着ているのを見ると懐かしく感じるし、当時を知らない若い人にはシャープに見えて斬新に見えるのかもしれない。少なくとも今季のゴールドよりも・・・いや、何でもない。かくいう私は、2000年に特別にあつらえた赤のビジターユニフォームを久しぶりに着用しての観戦である。実際に観た当時のことをいろいろと思い出す。

試合前のイベントには、水口栄二氏がメモリアルピッチで登場。現役時代は渋いバッティングを見せてくれた名選手である。

さて試合。バファローズの先発は西。顔面けいれんで28日の先発を回避し、その後どうなるかと危ぶまれていたが1週間で戻ってきた。その立ち上がり、二死から柳田に四球、内川のヒットで一・三塁のピンチで李大浩を迎えるが二塁ゴロで切り抜ける。その後2回、3回と三者凡退。状態はよさそうに見えた。

バファローズ打線は2回、ホークス先発のスタンリッジから先頭のT-岡田がヒット、続くカラバイヨにもう少しでスタンドインとなる二塁打が出る。私は打球の行方を見て1点先制したと思い、スコアボードに点数が記録されないのを見て「??」と思ったが、グラウンドをよく見れば三塁にランナーが残っていた。二死の場面なら、あるいはランナーがより俊足なら、一気にホームインできたのだろうが・・・。「ここで一気に行かないとなあ」という支障さんの言葉だが、坂口が一塁ゴロでランナー動けず、小谷野のボテボテの三塁ゴロで1点は入ったが続く安達も凡退。無死二・三塁で内野ゴロの間の1点どまりというのが何だか嫌な感じである。それにしても安達・・・どないかならんのか。

3回も駿太のヒットなどで二死一・二塁のチャンスをつくるが、T-岡田が空振り三振。チャンスはつくるが点が入らない・・・悪い時の試合展開である。

その直後の4回、ホークスは先頭の柳田が二塁打を放ち同点のチャンスを迎える。踏ん張りどころの西だが、内川を遊ゴロ、李大浩、松田を連続三振に切ってピンチを切り抜ける。観ているほうも気合いが入る。

5回裏、山崎の死球、西野の四球で一死一・二塁のチャンスでクリーンアップを迎える。西の奮闘に応えてほしい打線だが、糸井、T-岡田とあえなく凡退。結構ランナーは出るのだが、どうもなあ・・・。支障さんのグラウンドを観る目も厳しくなってくる。

ピンチの後には何とやらで、6回表のホークスは一死一・三塁のチャンスをつくる。一打同点で内川の当たりはライト前へのフライ。これをセカンド西野が俊足で追いついてキャッチ。ランナーは戻れない。ここで李大浩。嫌な予感がするのだが西が気迫の投球で空振り三振に取る。ヨッシャー!!の雄叫び。結局この回で降板となったが、ともかく無得点に抑えたのは大きい。このまま行けば勝ち投手、お立ち台は西だろう。

その裏、カラバイヨ、小谷野のヒットで一死一・二塁とまたまた追加点のチャンス。打者は安達、山崎、駿太と続くが、私と支障さんは「ここは代打攻勢では?」と話す。ただ捕手2人制、しかも伊藤があの状態では山崎に代打というのは難しいだろう。となれば安達のところで代打なのでは?というところだが、安達がそのまま打席に立つ。四球を選んで満塁にしたのはよいが、山崎は空振り三振。

「こらあきませんなあ」と駿太を迎えるが、上のほうに座っていた客から「駿太は満塁の打撃がすごいんやぞ」という話し声が聞こえる。そういえばそうだったか。そしてそのことを裏付けるかのようにライト前にヒットを放つ。カラバイヨ生還。しかし続く小谷野はあえなく本塁でタッチアウト。2対0と、追加点が入ったのはいいが、それにしても一死満塁で1点しか入らないのかと残念である。結果的にこれが後で大きく悔やまれることに。

7回表には灰田勝彦の南海ホークスの歌が流れる。またここから先は両チームとも応援歌も復刻バージョンとなる。

その7回の守備、三塁が小谷野から原拓に交代。本塁タッチアウトの懲罰なのか? それにしても、ここで原を出すのであれば、安達のところで代打に出してもよかったのではと思う。平野恵もベンチにいるはず。まあ、ベンチの采配のことだし、いろんな事情があるのだろうが・・・。

またマウンドには西に代わり、佐藤達が登板。直球も150キロを出すなど三者凡退で抑える。救援陣も好不調あり当初ベストとされていたメンバーからいろいろと入れ替わっているが、馬原が下がっても佐藤達が戻ってきたのは大きい。

7回裏、今度は久しぶりの「ドリーム&パワー」が流れる。歌詞を見れば「ミラクル、豪快な野球のチーム」という「大阪近鉄」らしさがはっきりと出ている。これを聴いて思い出すのは近鉄として最後に優勝した2001年、そして球団合併が決まった2004年の頃である。

マウンドにはスタンリッジに代わり、左腕の飯田。一死から糸井、T-岡田が連続四球で出塁。ここまで2安打のカラバイヨに期待が集まる。糸井が意表を突く三塁盗塁を決めてチャンスを広げる。しかしカラバイヨ、空振りのバットが三塁側の大商大シートに飛び込むハプニングもあり力が入っていたか、空振り三振。坂口もフルカウントからボール球を振らされて二者連続の三振。本当にもう、どこまでチャンスをつぶすのか。得点は2対0だが、塁上を多くのランナーが賑わせており、試合時間も長くなってきた。とても2対0の試合とは思えない。

8回のバファローズのマウンドには、昨年佐藤達が務めていたセットアッパーの位置をつかんだ塚原が上がる。この塚原も三人でピシャリと抑え、これで後は9回を平野佳に託す・・・ただし第1戦、第2戦と本塁打を打たれた李大浩に回るのが気がかりで、三度目の正直で抑えるか、いやいや二度あることは三度あるなのか・・・というところである。支障さんとは「打ち上げはどこに行きましょうかね?」などと話せるくらいまで来た。

その9回、一塁側ベンチから出てきた背番号は「16」・・・に見えたがどうも様子が違う。よく見れば似た形の「18」である。最後は岸田で来た。支障さんとこの采配についてもいろいろ推測してみると、他の多くのブロガーの方も書かれているように、「9連戦の最中であり、この後も連続登板の可能性もあるためあえて休みとした」「やはり2試合続けて李大浩に一発を打たれており、万が一のことを考えてあえて外した」というのがあり、「岸田ならクローザーの経験もあるし」というところだろう。9連戦、どこも選手のやり繰りが大変である。

先頭の柳田は三遊間を破るヒットで出塁。しかし内川を三振に打ち取り一死。周りでは勝利時のゴールドの風船を膨らませ始める。ここで李大浩だが、高めのボールを山崎がミットにはじいて後ろへ逸らす。柳田は一気に三塁まで進む。それでも「2点差あるし、一発さえなければ・・・」と話をしたところで李大浩の当たりはレフトへ。観戦した角度ではレフトスタンドに持って行かれたと思った。レフトの坂口がフェンス際でキャッチを試みるが打球はその上で跳ね返ってグラウンドに戻って来る。幸い一発にはならなかったものの二塁打で2対1と追いすがる。坂口はフェンスに強打した模様でしばらく立てなかった。続く松田もこういうところで嫌な打者。三塁へのボテボテの当たりに原拓が一塁へ送球するもセーフ。一死一・二塁と逆転のランナーを許す。ここで坂口に代わり、川端がレフトの守備につく。

踏ん張りどころの岸田は続く明石を二塁ゴロに打ち取る、ランナーは二・三塁となったが二死。あと一人である。打者は吉村。「(欠場の)中村でなくてよかったですなあ」と、「最後は岸田が危なかったが何とか逃げ切り、西に今季初白星がついた」と締めくくる話をしていた。

ところが、である・・・。吉村の当たりはライトへ。ヤバいんちゃうの・・・と打球の行方を見る。糸井がスライディングキャッチを試みるが打球はその横を抜けてフェンスまで。一塁側・ライト側からは悲鳴が起き、三塁側・レフト側からは大歓声。二者生還、吉村も三塁まで進んだ。ゴールドの風船が空しい音を出してグラウンドに飛ぶ。気持ちはわかるが、そういう行為はよくないなあ・・・。

一気に力が抜けた感じだが、まだ9回裏がある。マウンドには150キロ超のストレートをバンバン投げてくるサファテ。ただ1点差だし、これは「ミラクル近鉄」の再来を期待するしかない。1番・駿太からの攻撃だが、一人出ればT-岡田まで回る。前に見た、クライマックスシリーズでの逆転本塁打も思い出す。

その駿太はセンター前ヒットで出塁。続く西野もきっちりと送りバントを決め、お膳立ては整った。

しかし糸井は力のないレフトフライ。逆転サヨナラ本塁打を期待したT-岡田もサファテの剛球に力負けして平凡なレフトフライ。9回二死からの逆転負けという、何とも嫌な展開で試合終了。この大阪クラシック、東明、ディクソン、西と先発陣はよく頑張ったが、東明と西に勝ち星をつけることができず、また打線もチャンスにもう一本が出ないという何とも残念な結果になった。内容だけ見れば3連勝もあり得たところだが、本当にちょっとしたボタンの掛け違いというか。

9回で3対2のスコアなのに、試合時間は3時間55分・・・これは疲れる。支障さんも残念がっていたが、大阪クラシックの興行としては面白いし、これはぜひとも継続してほしいとのこと。この後の打ち上げ会は残念会ということになったが、連休中ということで天王寺に場所を移動し、野球談議や大阪都構想、今は亡き大和人さんとのことなどもいろいろと話したものであった。

さて、この記事を書いていてもうすぐ始まる所沢ドームでのライオンズ戦。先発は中山である。9連戦中、先発に育成から支配下に復帰した近藤を起用したり、果てはこの日の中山といい、先発陣のやり繰りも大変である。ただ一方で「松葉はどないしたん?」というのも気になる。

5位イーグルスが連敗で停滞していて、何とかその翼をつかむところまでは来ている。このライオンズ3試合をいい形で戦い、浮上のきっかけにしてほしい・・・・。
コメント (5)