まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

番外「元慶寺」~西国三十三ヶ所巡り・25(山科の住宅地)

2015年05月23日 | 西国三十三所
・・・金子、散々な内容だったようですな。

やはり二軍での調整登板も何もなしで、一軍で好投できるほど甘くはないということ。一体、何様のつもりか。最後の砦どころか、何も見せ場ないまま沈没した戦艦大和のようなものだ。結局はファンに対しても、相手のマリーンズの選手にも失礼な試合ではなかったか。ネット記事やファン諸氏のブログを見ると、ボールも全然走っていなかったようで、果たして次の登板機会というのはあるのか。

・・・ということを、自分がこの試合を大正ドームで観戦して、金子に懸命な声援を送った上で書くのならわかるが、私はどこに行っていたのかというと、山科・醍醐。

いや、観音さんにも上醍醐の五大力さんにも金子の好投も祈願したのだが、お賽銭を寺にあげるくらいなら、チケット買って球団にお布施をしたほうがいいって・・・あんたこそ何様かと言われそうだ。まあ、それはそれ。

さて今回は醍醐寺と元慶寺という、「京都市地下鉄東西線シリーズ」である。世界遺産にも登録されている醍醐寺と、西国三十三所の中興の祖である花山法皇が出家した(させられた)いわれのある元慶寺。このうち醍醐寺は、西国の札所としては上醍醐の准胝堂が該当する。そこは下醍醐から山道を1時間かけて歩くしかない。クルマで近づくこともできないということで、西国の中でも最難関とされている。お参りというよりはトレッキング、ハイキングと言ったほうがよい。いずれ行くことは決まっていたことだが、行くなら暑い時期になる前にということで、この5月に挑むことにした。

醍醐寺と元慶寺、どちらから行こうかプランニングした。いきなり山道に挑むのもしんどいかなということで、準備運動を兼ねて元慶寺から行くことにする。地下鉄東西線の御陵駅から歩いて20分。京阪の三条から乗れば先に通る駅である。

京阪の特急の前面展望を楽しみ、三条に到着。ここで地下鉄に乗り換えるが、京都の地下鉄というのも結構運賃が高い。そこで目についたのが地下鉄の一日乗車券。600円で発売しており、地下鉄を3回乗れば元が取れるというものである。

御陵に到着。乗り入れている京阪京津線が分かれる。ホームも2層に分かれており、下が六地蔵、大津方面、上が三条、太秦天神川方面のホームで、京阪と地下鉄の乗り場がホームの左右に分かれている。

改札を出たところに元慶寺の道順の張り紙がある。手作りの案内図も置かれていて、道順がマーカーで記されている。地上に出て、集落への曲がり角さえ間違えなければ後は道なりで行けるようだ。道幅は狭いが閑静な住宅街を歩く。ただその途中でも「保育園の子どもたちや通勤者のために丹精込めて育てた花を折らないで」という、民家の前の植え込みに出された張り紙や、「空き巣注意」「ちかん注意」の看板があり、閑静な住宅街の中にも何かトラブルが起こる一角なのかもしれない。

JR東海道線の下をくぐるトンネルがある。幅が狭くクルマが通ることはできない。それでもそのトンネルに向かってクルマが突っ込んでくる。道を間違えたのかと思ったが、運転者は慌てる様子もなく手前で停止し、ちょっとしたスペースを使って向きを変える。トンネルの手前に保育園があり、そこに子どもを送った後でクルマの向きを変えるのが日常のようだ。

15分ほどで渋谷街道というのに出る。結構クルマの交通量がある。そこに元慶寺への入口を示す立て看板がある。年季が入っているようで結構凹んだ跡がある。その向こうに、田んぼと住宅に挟まれた幅の狭い道があり、突き当りに山門が見える。西国の寺によくある仁王門ではなく、龍宮造りである。両側には元々梵天と帝釈天が安置されていたようだが、のぞいて見ると額に入った写真が置かれていて、「京都国立博物館に出展中」とある。うーん、こういう小さな寺にいるよりは、保存する環境のよい博物館のほうがいいのかな。

元慶寺は花山天皇が藤原兼家の計略にはめられて出家をさせられたことで現在も西国番外として知られるが、寺の開基は僧正遍昭である。百人一首の「あまつ風 雲の通い路 ふきとじよ 乙女の姿 しばしとどめむ」の歌でも知られている。西国三十三所は観音さんを回るものだが、こちらの本尊は薬師如来。まあそこは番外ということで、お勤めを行う。ちょうどご夫婦の先客が納経所で、ご主人が住職らしき人と歴史談義に花を咲かせている。私が朱印帳を納経軸を持っていくと奥さんが「お父さん、行きましょう」と話を終わらせる。何だか話の途中に割り込んだようで申し訳ない。

こちらの朱印、やはり花山法皇ゆかりということで菊の紋が入る。寺自体は非常に小ぢんまりとしており、拝観料を取るわけでもなく、どこか人の家の庭にお邪魔したような感じである。その中で境内にはさまざまな花や木が植えられており、緑にあふれている。

参拝を終えて御陵駅に戻ることにする。細い参道からさらに脇道を入ったところに元慶寺の駐車場があるのだが、先ほどのご夫婦が運転するクルマが出るのに苦労している。そしてガリガリっという音がする。駐車場から参道に出ようと曲がるのだが、角の家の縁石を曲がりきれずに底を擦ったようだ。この元慶寺、ネットでは「マイカーで行くには最難関」という書き込みがあるくらいだ。参道の幅も狭いし、駐車場の出入りも困難。先ほど、参道の入り口の立て看板がだいぶ凹んでいると書いたが、ひょっとしたら曲がる際にぶつけたというのが結構あったのではないか。クルマで行くなら、寺自体の拝観も時間がかかるものではないし、横のスーパーやドラッグストアの駐車場に一時置かせてもらうのがベターかもしれない(ちょっとモラルには反するかもしれないが、その店でちゃんと買い物をすれば大目に見てくれるのでは・・・?)。

駅上のコンビニで、上醍醐に挑むための食料と飲み物を仕入れ、再び地下鉄に乗る。到着したのは醍醐駅・・・。
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