中国観音霊場めぐりも、いよいよ最後の1県となる鳥取県に入る。鳥取県の札所は6ヶ所で、大山に1ヶ所、倉吉・三朝に2ヶ所、鳥取に3ヶ所分布している。宿泊を含めて順調に行けば残り3シリーズで満願ということになる。
今回は札所順として大山を目指す。前回、島根の安来を訪ねたのは1月の積雪が多かった時で、アクセスで予約していた高速バスが運休して(ちなみに木次線も運休)急遽伯備線で往復したり、現地でも境内が雪に埋もれて歩くのに難儀したこともあった。まあ、冬の山陰を少しだけでも体験することができたのはよかった。
では大山にはいつ行くか。さすがに1月や2月に訪ねるのは厳しそうなので、3月の青春18きっぷの時季に焦点を当てていた。3月ともなれば麓の米子辺りは普通の景色だろうが、標高800メートルほどのところにある大山寺辺りは冬の風情が残っているかもしれない。そこで中旬の3月13日~14日を当てる。
大山寺へのアクセスは米子、もしくは大山口からバスである。13日の夜は麓の米子に泊まるのが便利だが、前回は米子に泊まっているし、初めてとなる大山寺周辺で泊まるのも面白そうだ。登山客、スキー客向けの民宿・旅館、あるいは大山寺の宿坊というのもあるが、ここは大浴場つきのホテルを選択する。13日の昼過ぎに大山寺に入って、参詣後に宿泊するか、夕方に大山寺に入って宿泊、翌朝に参詣するかの選択となる。その中で、こういう場所なら朝方にお参りするほうが気持ちよさそうに思い、米子、もしくは大山口から夕方のバスで上がることにする。いずれのルートも到着は18時前、日が暮れるぎりぎりのところだろう。
さて、例によって近くまでどうやって行くか。往路は青春18を使った鈍行利用で米子まで向かうことにする。広島から山陽線で倉敷、倉敷から伯備線で米子、場合によっては山陰線で大山口・・がまともなルートだが、ここはもう少しローカル線を巡っても面白そうかなという選択肢を含んで向かうことにする。
帰りは、前回雪による運休のため乗れなかった松江~広島の高速バスに乗ってみよう。こちらは14日の午後の便をネットで予約した。3月13日早朝、駅舎改築が進む西広島から山陽線の糸崎行きで出発する。このたびJRグループのダイヤ改正が行われ、この日から新しいダイヤでの運行となった。ただ広島地区にあっては、新しい列車が走るとか新車が入るという明るい話題はほとんどなく、列車の減便に関するものが多い(まあ、他の地方でもこうした話題が目立つのだが)。
中吊り広告がモノトーンなのも暗さを感じさせる。山陽線の快速・普通の減便、各線の終電の繰り上げが行われる。路線によっては最終の広島着の「のぞみ」が接続しないところもあるという。
糸崎で福山・岡山方面の列車に乗り換える。糸崎発7時57分というのは同じだが、前のダイヤでは岡山の先の和気行きだったのが、この日からのダイヤでは和気の手前の瀬戸行きに変更されている。この列車を含めて、山陽線の岡山以東でもこれまで和気行きだった列車が瀬戸行きに短縮されることになった。
普段利用する区間ではないので、まあ「そんなもんか」と、出かける時に時刻表を確認して行程を組めばいいだけだが、普段その列車を利用していた人にとっては厳しいことだろう。別の意味で「新しい生活様式」を考えなければならない。
9時13分、倉敷着。普通に米子または大山口に向かうなら、倉敷から伯備線に乗ればよい。ただ、今回はこのまま乗り続け、岡山で下車する。
今回、同じ米子に行くにあたって遠回りすることにした。岡山から津山線~因美線で鳥取に出て、山陰線に乗り継ぐ。この中でキモになるのは因美線の津山~智頭間。この区間も大概なローカル線で、この機会に乗ることにする。復路が松江~広島の高速バスということで、広島~岡山~鳥取~島根という中国循環ルートにもなる(山口が外れているが・・)。