3月6日、広島から高速バスで浜田まで移動。実質「前泊」のようなものだが、当初思っていたより早い時間に浜田に来ることができたので、一献の時間が取れた。
この日の寝床であるルートインにチェックイン。通常のセミダブルの部屋だが、テーブルがテレビとは独立したタイプ。大画面のテレビもゆったり見ることができる。
とりあえず部屋に荷物を置き、向かったのは駅前の商店街にある「炉端かば」。「山陰をこよなく愛する店」として島根・鳥取両県を中心に展開するチェーン居酒屋である。私の中国観音霊場めぐりでも米子店で登場するが、今回は浜田店に入る。
広島を出る直前に、スマホでカウンター席と「地酒飲み比べプラン」というのを予約した。店じたいはテーブル、座敷メインでカウンターはわずかだが、その一席に通される。店は賑わっていて、予約していたからスムーズに着席できたが、飛び込みだったら「満席です」と言われていたかもしれない。
島根県といえば、聖火リレーをめぐって県知事がもの申していたし、コロナに対する見方が厳しい地域である(ある高校で発生した集団感染に対する度を越したバッシングもその裏返しだろう)。ただこの時は店内も結構騒がしかった。まあ、私もそれについてどうこう言うつもりもなく、カウンターの隅で大人しく飲食するだけだ。
炉端かばのメニューは、店の造りにも表れているようにどちらかと言えば複数人でつつきながら食べるものが多いようだ。ただその中でもお一人様用、某料理店でいうところの「ジャストメニュー」もあり、そちらを中心にいただく。「地酒飲み比べ」を予約しておきながら、店内に飲み放題メニューがあると勧められるとそちらにも乗る。
ビールとともにやってきたのは、地酒飲み比べ。浜田の地酒・環日本海の2種類(店の方が一升瓶から直接注いでくれたが、詳しい種類は覚えていなかった)。
また、炉端かばは桶に2人前、3人前と豪快に盛り付けた刺身が一番人気というが、一人には多そうだ。そこに「ジャストメニュー」があるというので注文。サワラ、ブリ、ヒラメ、エンガワというところが盛り付けられた。分厚く切られていて頬張るのが贅沢だ。
二番人気は鳥取中部産の香美鶏の炭火焼き。これもジャストメニューだがボリュームあった。
そして浜田といえば、魚のすり身にパン粉をまぶして揚げた赤天が有名である。似たような一品として、広島(特に呉方面)では「がんす」としてポピュラーでスーパー・コンビニでも手軽に買えるが(私の日常の一献でもしばしば登場する)、赤天は赤唐辛子を練り込んでピリ辛風に仕上げたのが特徴である。実はこの赤天、地酒飲み比べのおつまみで一皿ついていたそうだが、それを知らずに単品でも注文していた。店員は「単品のお金は引くので下げましょうか?」と言ってくれたが、これは私の手違い。お代わりしたと思って2皿をいただいた。
ビール、環日本海の次は、出雲の神社、もとい出雲の「じんじゃエール」ハイ。出雲産の生姜を使ったジンジャーエール割りである。「神社にエール」という思いもあるとかないとか・・。
他にもお勧めメニューはいろいろあったが、一人だと限界も早い。最後は味噌味もしっかりしたしじみ汁をいただき、それほど遅くならない時間に店を後にする。
ホテルに戻り、大浴場に浸かる。ルートインならではの人工温泉だが、朝食と大浴場が売りのホテルチェーン、しっかり楽しむ。その後は部屋でまったり過ごし、結構早い時間に眠りに就いた・・。
さて翌日3月7日。島根県の天気予報は晴れ。これからローカル線を巡るには申し分ない天候だ。前の記事からの続きで、この日は山陰線から木次線に乗り、広島に戻る行程である。浜田8時47分発の米子行きに乗れば、11時09分に宍道に到着して、11時12分発の木次線備後落合行きに乗ることができる。宍道での接続が3分しかないのは慌ただしいが、実質2本の備後落合行きの早いほうに乗ることができるのはよい。
通常の感覚なら、8時47分発に間に合うようにホテルでのんびりするか、駅前の散歩でもするところだろうが、この列車は益田から来る。ならば少し早くに出発して、この列車をどこかで迎え撃つほうがいいな・・と欲張りなことを考える。