まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

夏の青春18はサイコロを振って・・・・

2010年08月05日 | 旅行記D・東海北陸

夏の「青春18きっぷ」のシーズン到来。前回の冬の分以来の使用である。

・・・ということで、「青春18」を利用した日帰り旅行ということでいくつかプランを組んでいたのだが、正直、関西を基点とするだけでもあちこちのコースができた。そのどれもがそれなりに「乗り鉄」の要素があり、見物・街歩きもあり、「飲み」も入るというもので、どれも甲乙つけがたい。

そんな折、ふとしたきっかけで聴いたのが樋口了一の「1/6の旅人」というナンバー。「サイコロの旅」で有名な北海道の「水曜どうでしょう」のテーマ曲である。なかなか旅心をくすぐられる一曲に、ふと「今回は、サイコロの旅にしてみようか」と思いつく。

・・・といっても行った場所でサイコロを振ってその目に従って次の行動を決める・・・というところまでの時間的な余裕はないので、一つここは大阪を拠点とした各方面にサイコロの目を割り当て、その出た目のコースに出向くことにする。

その目とは・・・

1→山陽線を西へ、岡山を通って井原鉄道の乗車、福山の鞆の浦あたりを見物。

2→姫新線を走り抜け、中国勝山や井倉洞、備中高梁あたりを回る。

3→福知山線・山陰線で城崎へ。温泉に浸かった後北近畿タンゴ鉄道、小浜線を回る。

4→岐阜から高山線、太多線、あわよくば明知鉄道にも乗車。

5→東海道線を東へ。天竜浜名湖鉄道に乗車。

6→近鉄線で鳥羽まで出て、廃止間近の伊勢湾フェリーで伊良湖岬へ。

・・・さて、7月25日の早朝4時。プランによっては始発電車に乗らなければならないものもあるということでえらい早い時間に机の前に座る。それでも外は明るい感じで、早くも真夏日間違いなしの空模様である。

ここでエイヤッとサイコロを一振り。・・・・出た目は「6」。

ということで、近鉄線で鳥羽まで出て伊勢湾フェリーで伊良湖岬へ、その先豊橋まで出るということに決定。近鉄電車と伊勢湾フェリー、それに豊橋鉄道のバス・電車の運賃がかかるから、最も「青春18」の乗車区間が短いコースではあるが、その分バラエティには富んでいる。

阪急で梅田まで出た後、地下鉄でやってきたのが近鉄上本町駅。関西にいながら、この駅の頭端式ホームから乗車する機会というのは記憶にほとんどない。その意味でも新鮮な感じがする。

Dscn1795 これから乗車するのは6時15分発の快速急行鳥羽行き。最初は「久しく参拝していないし、伊勢神宮に寄ろうかな」という頭もあったのだが、ここへ来て乗り換えなし、料金不要で鳥羽まで一気に行ってしまおうという気になった。2時間半で紀伊半島を横断できるというのも面白い。

写真を撮った後ろ寄り大阪方はロングシート車両であったが、前のほうは転換クロスシート車である。長時間乗るのだからとそちらに向かい、空席を見つけて座ると発車ブザーが鳴り出した。残念ながら先頭車両の撮影はできず。

鶴橋でそこそこの数の乗客を広い、河内平野を快走。大阪府内はノンストップで奈良県へ。日曜朝の早い時間だが結構乗り降りがある。クロスシートも4分の3ほどが埋まる。やはりこっちのほうが快適である。

Dscn1798 緑の濃い大和盆地を抜け、伊賀に入る。この辺りは快速急行でも連続して停車するところで、アーバンライナーなどの特急に乗っていたのではなかなかゆっくり見ることのない駅名標を見ることもできる。近鉄線の「秘境駅」西青山駅も停車する。

Dscn1800_3 伊勢平野に出る。伊勢中川でほとんどの客が下車。津・名古屋方面の電車に乗り継ぐ客が多い。一気にガランとした車内でさらに東へ。松阪、伊勢市とJR参宮線とも並走する。「青春18」の旅であれば関西線なり草津線なりに乗車して亀山、そして紀勢線、参宮線と乗り継ぐわけだが、申し訳ないが鳥羽に来るまでで半日仕事になってしまう。このため関西から伊勢といえば近鉄ということになる。

Dscn1804 8時37分、鳥羽に到着。真新しく、ハングルや中国語の表記も目立つ鳥羽駅。早くも夏の日差しが照りつける。それでも鳥羽の海の風景を眺めると少しは涼しく感じ、やはり来てよかったなと思わせる。

Dscn1806 伊勢湾フェリー乗り場へは鳥羽駅から15分ほど歩く。こういう形で東海地方を股に架けるというのも悪くない・・・・。

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佐渡汽船~きたぐに、再び

2010年08月04日 | 旅行記C・関東甲信越

まだ7月18日の記事が続く。

両津港でレンタカーを返却し、佐渡汽船ターミナルビルで土産物など買い求める。ただでさえ重い荷物がより一層重くなる。16時05分の出航を前に改札口には長蛇の列ができている。連休の真ん中、レジャーを終えてそろそろ帰途に着く客が多いことだろう。

Dscn1518 往路と同様、復路でも1等の切符を持っていたのだが荷物を置くにとどめ、またも甲板に出る。相変わらず強い日差しが照りつけるが風の気持ちよさというのはよろしい。

カモメたちの見送りを受けて出航。またかっぱえびせんを放り投げる子どもたち。

Dscn1524 それを見ながら最上階の甲板へ。往路の時と違って甲板にもベンチがあり、ここに腰掛けることも寝転がることもできる。よし、ここを根城にしよう。

Dscn1523 ・・・ということで、海を見ながらのビール。往路の時はその後でクルマに乗るために飲めなかったが、もうクルマからは解放されている。いや、フェリーの旅はよろしいもんですなあ・・・。

Rscn1537 途中でジェットフォイルが追い抜いて行く。その姿を見るうち、その向こうに両津行きのジェットフォイル。ちょうど3隻が横に並ぶという、なかなか見られないシーン。これはぜひカメラに収めたいところだ。これを「乗りながら」撮るのは鉄道ではできない芸当である。

Dscn1532 それにしても、フェリーの開放感というのは恐ろしいものである。ベンチに寝転がって空を見上げる。ビール飲んでベンチに寝る・・・普段の公園とか、電車のベンチシートでやっていたら怒られることだが。ツイッターにそのことを書いてみると「フェリーの上、ありです!」というコメントが返ってきた。

Dscn1564 2時間半の航海はあっという間で、そろそろ日が水平線に消えようとしている新潟港に戻る。佐渡は大きな島とはいえ、こうして朱鷺メッセやみなとぴあの建物を見ると本土に戻ってきた安堵感を覚える。

Dscn1571_2 さて、今夜の「きたぐに」で大阪に戻るのだが、それまでの間は新潟での滞在時間。ということで、日本海の幸を食べさせてくれそうな店を探す。通りを少し入ったビルの2階に「魚魚屋」という店を見つける。混雑していたが6席のカウンターに1席だけ空きがありそこに入らせてもらう。

Dscn1573 ここは新潟でも北部の村上、笹川流れ辺りの魚介類を取り扱っている。ということで刺身の盛り合わせや岩ガキを注文する。このところメニューに岩ガキがあれば必ずといっていいほど注文するのだが、そのきっかけを作ってくれたのが以前に村上の民宿に泊まった時に出てきた岩ガキだったと思う。

いや美味いなあと味を楽しむうちに、いきなりバチっという音。店内の照明が落ち、エアコンが切れた。どうやらブレーカーが落ちたようである。騒然とする店内。途端に店内が蒸し暑くなる。接客係ではどうしていいかわからないようで、しばらくして板場から割烹着姿の男性がやってきてカウンター奥のスペースへ。配電盤がこちらのようでブレーカーを上げて電源は復旧。店内にも安堵の声が。やれやれ。ただ再度のブレーカー落ちが恐いので照明を少し落とし、暑いのでエアコンはつけることにした。いやそれにしても、店に入っていてブレーカーが落ちたというのは初めての経験である。ただこれで店員と客が気軽に話をするようになり、距離が縮まったようにも感じたから、何がどう転ぶかわからない。

Dscn1575 村上の魚、地酒を楽しんだ後、シメということで店を変えて同じく駅前の利休庵へ。新潟ということで「へぎそば」を注文。腰の強い特徴があり、こちらもおいしくいただく。

Dscn1595 時刻は22時を回り、新潟駅に戻る。今夜再び急行「きたぐに」に乗車するのだが、今回は産まれて初めて「A寝台」というものに乗る。料金はB寝台に比べてもちろん割高であるが、3段寝台の倍の高さがあり、料金の差は高さの差であることを思わせる。

後は帰るだけという安堵感があるためだろうか、出発してしばらくは起きていたのだが、そのうちにベッドに横になる。静かな走りということで揺れも心地よく、早くも寝入ったようである。このために「寝台車」のムードを楽しむ時間は少し短かったかな・・・。

Dscn1597 朝の目覚めは大津辺り。後は京都、新大阪、大阪と停まるだけである。早朝の大阪駅は祝日の朝ということで乗客の姿もまばら。この時間であれば職場に直行することもできるが、休日ということでそのまま帰宅。

今回久しぶりの「週末夜汽車紀行」ということだったが、やはり翌日の時間が有効に使えること、そして列車に揺られながら眺める外の景色というのは夜汽車の面白さである。今回はこの他にフェリー、レンタカーと、それぞれの交通手段の面白さも味わうことができ、さまざまな魅力が凝縮された「3泊2日」の旅であった。将来的にどうなるか不透明な「きたぐに」であるが、また利用して今度は南東北あたりにも行ってみたい、そんな気にさせられた。

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佐渡・外海府を周遊

2010年08月01日 | 旅行記C・関東甲信越

相川の佐渡金山を見学後、レンタカーの進路をさらに北にとる。相川の町を過ぎ、達者という集落へ。9年前の冬に来たときは天候も荒れていたし、容赦なく打ち寄せる波に冬の厳しさを感じたものだが、今は穏やかな海岸風景が広がる。

Dscn1477このあたりは外海府と呼ばれる海岸。大陸からの風波によって豪快に海岸が削られている。この先に大陸があるのかと思うと身が引き締まる。

Dscn1494 外海府海岸に沿ってのドライブはそれなりにカーブ、アップダウンもあるが走りやすい。またこの時期ということでスポーツ自転車をこぐ人の姿もちらほら見える。気持ちいいだろうな。

Dscn1485 両津でのレンタカーの返却時間も気になるところだがカーナビの予想時刻で間に合いそうな感じになったので、クルマを海岸べりに停める。入崎海水浴場というのがあるが、その手前に静かな砂浜を見つけた。

Dscn1487 しばし佇むうち、何だか入りたくなってきた。ただ水着の用意はないのでズボンの裾をめくり上げて足先を海水につける。それだけでも冷んやりとして気持ちいい。

さて、ドライブのお供に音楽を聴いているのだが、私の場合はウォークマンをFMトランスミッタに差し込んでFM放送で聴いている。電波状況によって音が割れたりかすれたりするので多少聞き苦しいところがあるのだが・・・。

ただその周波数で、他の放送が割り込んで入ってくる。それもよく聴くと日本語ではないようだ。そしてその音が鮮明になって聞こえてきたのは中国語の放送。ほお、中国のFMが入るか。DJらしい男性がしゃべっていて、その後にあちらの曲が流れる。また間には各地の天気予報を読んでいるようでどうやらいくつかの局の放送が聴けるようである。

これってどうなんだろう。佐渡ならではのことか、それとも日本海側ならよくあることなのか。いずれにしても大陸とのつながりを感じさせて面白い。ウォークマンをやめて、中国の名も知らぬアーティストの歌声をドライブの友とする。

Dscn1499 相川を出て1時間半ほどで、奇岩・大野亀に到着。海抜167mの一枚岩で出来ている。

Dscn1508 こちらの景色も実に雄大なもので、ようやく先端までたどり着いたなという開放感にひたる。

Dscn1512 ただ本当の佐渡の北端はこの先10分ほど進んだ弾埼灯台。ここに小ぶりな白亜の灯台がある。灯台そのものは小さいが、日本海を行く船舶にとっては頼りになる灯りであることだろう。ここは映画「喜びも悲しみも幾年月」の舞台となったと案内にある。灯台の職員のことを描いた作品であるとは聞いたことがあるが、実際どのように描かれたのだろうか。一度、レンタルして観てみようかな。

Dscn1509 荒々しさが続く外海府はここで折り返しとなり、ここからは東側の内海府に沿って走る。一転して瀬戸内のような穏やかな海岸線となる。海の色もきれいだし、走りやすいのは走りやすいが、外海府を見た後だけにやや単調にも映る。いつしか中国のFMも山の陰になったためか聞こえてこなくなった。

レンタカーの返却時間が近づいた15時過ぎ、両津港に到着。ちょうど前日乗ってきた新潟からのフェリーが到着したところで、港はまた下船客で賑わっていた。

短い時間の滞在となったが、また季節を変えて訪れたくなった佐渡。歴史、文化、自然、味覚・・・さまざまなよいところがある。再訪を期すこととして新潟行きのフェリーの客となる・・・。

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