「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」
80年代の香港。密航者の陳洛軍は、黒社会のボス大兄貴に見込まれスカウトされるが拒絶、追われる身となり九龍城砦に逃げ込む。大兄貴から奪った麻薬を金に換えようとした陳洛軍を、城砦を守る信一たちはシマ荒らしと見なし攻撃する。ピンチの陳洛軍を救ったのは、理髪店の店主で城砦のリーダーである黒社会の伝説的人物、龍捲風だった…
最近、復興の兆しを見せている華流。近頃少し韓国男に飽きたところよ~♪(ピンクレディのUFO調)な私の心の間隙にハマりこんでいるのが、中華系の男たち。日本では韓流に凌駕されてるけど、華流もかつては映画ファンの間では大人気でした。古くはジャッキー・チェン主演作、90年代にはウォン・ガーワイ監督の新感覚映画がもてはやされるなど、香港が華流のメインストリームでしたが、現在が台湾が牽引してる感じでしょうか。香港も負けちゃいねえ!とばかりに、本国で大ヒットを飛ばした快作を観ました。香港映画復活の狼煙!とも思える作品でした。
香港といえば、ジャッキー・チェンを筆頭にスターがド派手に大暴れする、ありえねー!なハチャメチャアクション映画。この新作でも、そんな往年の香港節が炸裂、爆裂していました。その荒唐無稽に豪快で創意工夫にあふれたアクションショーン、バトルシーンは、斬新でありながら懐かくもあるコテコテに香港なノリで、往年の香港映画ファンにとっては感涙ものではないでしょうか。私も堪能しました!血沸き肉躍るような、息もつかせぬ激しさとスピード感、そして凝った演出。これぞ香港!
CGもふんだんに使用してるんだけど、それをあまり感じさせないのが俳優たちの生身のぶつかり合い。韓流のヴァイオレンスと違って、香港のそれは陰湿な残虐性がなくて、見ていて楽しいエンタメ感が強くて濃ゆい。無茶しよんな~なシーンばかりで笑える。ジャッキー映画とか、香港アクションって基本コメディ調なんだけど、この映画はシリアスタッチ。コミカルなシーンもあるけど、極力お笑いは抑えられてます。
この映画の最大の見どころは、九龍城砦のセットでしょうか。まるで異世界のラビリンス。猥雑で活気に満ちた、香港庶民の情緒が凝縮され充満している空間は、かなりの巨費を投じて創り出したのではないでしょうか。実社会とは隔絶された、治外法権な独立国みたいな住民の暮らしぶりが面白かったです。火事になったら大変なことになりそうでしたが。中華な料理が美味しそうだった。実在した九龍城砦、映画で描かれた中の様子はほぼほぼフィクションだろうけど、実際の九龍城砦の画像とか、その魔窟なスラム街の怪しさは、想像力を刺激するものです。
キャストは、フレッシュかつ懐かしい面々。まず、サモ・ハン・キンポー!うわ~ご健在だったんですね!さすがにお爺さんになったけど、まだまだお元気そう。セコい悪人役かと思ったら、けっこう極悪役でした。コミカル演技はもちろん、ハイッ!ハイッ!ハイッ!なカンフーとか、デブゴン時代を彷彿とさせるキレッキレのアクションも披露してます。龍捲風役のルイス・クーも、しばらく見ない間にすっかり激シブなイケオジに。ニヒルな慈愛と任侠の男、龍捲風は最もカッコいい役でした。龍捲風と過去に死闘を繰り広げた殺し屋役は、これまたイケオジになってるアーロン・クオック。二人の絆と悲しい運命が胸アツでした。
主人公である陳洛軍役のレイモンド・ラムは、精悍な日本兵みたいな風貌。龍捲風の片腕的存在の舎弟、信一役のテレンス・ラウが、この映画でのイケメン担当。「鯨が消えた入り江」や「次の犠牲者」「此の時、この瞬間に」それぞれ違った顔を見せてたテレンス、今回の彼が今まででいちばん男らしい役と見た目。クールで優秀有能、かっとばすバイク、鮮やかなナイフさばきなど凄腕の戦士だけど、気を許したシーンでは優しくて可愛い!ハードな役と演技でも、スウィートなイケメンであることは隠せてません。どことなく日本人っぽいので(役名も信一だし)親近感も。髪型とネクタイなど、なかなかおしゃれさんな信一でした。陳洛軍と信一、スカーフェイスを隠した医師、龍捲風の兄弟分の舎弟、敵と戦いながら友情をはぐくむ若者4人が、九龍城砦の四銃士みたいで痛快。ワンピースとか少年ジャンプ系漫画っぽい映画でもあります。
もっともオイシイ役だったのは、大兄貴の子分の王九。はじめはただのテンションが高いアホ、そのうち消える雑魚なのかと思いきや、最強最凶最狂な悪役でした。卑劣すぎる下剋上っぷり、不死身の気功術でどんどん無双状態となっていき、怪獣みたいに大暴れ。ラストの九龍城砦四銃士との死闘は、なかなかぶっとんでて圧巻です。王九役を怪演したフィリップ・ン、なかなか男前。若く見えるけど、もう熟年な年齢なんですね。AVビデオや田原俊彦、ダンシングヒーローやモニカ、家電、日本語の台詞など、日本ネタがちょこちょこ出てくるが楽しかったです。
↑ 劉俊謙、1988年生まれの現在36歳。台湾映画やドラマ出演にも積極的で、ADHDの少女を描いた「トラブル・ガール」も公開中。今後も追っかけていきたい俳優です🐼
80年代の香港。密航者の陳洛軍は、黒社会のボス大兄貴に見込まれスカウトされるが拒絶、追われる身となり九龍城砦に逃げ込む。大兄貴から奪った麻薬を金に換えようとした陳洛軍を、城砦を守る信一たちはシマ荒らしと見なし攻撃する。ピンチの陳洛軍を救ったのは、理髪店の店主で城砦のリーダーである黒社会の伝説的人物、龍捲風だった…
最近、復興の兆しを見せている華流。近頃少し韓国男に飽きたところよ~♪(ピンクレディのUFO調)な私の心の間隙にハマりこんでいるのが、中華系の男たち。日本では韓流に凌駕されてるけど、華流もかつては映画ファンの間では大人気でした。古くはジャッキー・チェン主演作、90年代にはウォン・ガーワイ監督の新感覚映画がもてはやされるなど、香港が華流のメインストリームでしたが、現在が台湾が牽引してる感じでしょうか。香港も負けちゃいねえ!とばかりに、本国で大ヒットを飛ばした快作を観ました。香港映画復活の狼煙!とも思える作品でした。
香港といえば、ジャッキー・チェンを筆頭にスターがド派手に大暴れする、ありえねー!なハチャメチャアクション映画。この新作でも、そんな往年の香港節が炸裂、爆裂していました。その荒唐無稽に豪快で創意工夫にあふれたアクションショーン、バトルシーンは、斬新でありながら懐かくもあるコテコテに香港なノリで、往年の香港映画ファンにとっては感涙ものではないでしょうか。私も堪能しました!血沸き肉躍るような、息もつかせぬ激しさとスピード感、そして凝った演出。これぞ香港!
CGもふんだんに使用してるんだけど、それをあまり感じさせないのが俳優たちの生身のぶつかり合い。韓流のヴァイオレンスと違って、香港のそれは陰湿な残虐性がなくて、見ていて楽しいエンタメ感が強くて濃ゆい。無茶しよんな~なシーンばかりで笑える。ジャッキー映画とか、香港アクションって基本コメディ調なんだけど、この映画はシリアスタッチ。コミカルなシーンもあるけど、極力お笑いは抑えられてます。
この映画の最大の見どころは、九龍城砦のセットでしょうか。まるで異世界のラビリンス。猥雑で活気に満ちた、香港庶民の情緒が凝縮され充満している空間は、かなりの巨費を投じて創り出したのではないでしょうか。実社会とは隔絶された、治外法権な独立国みたいな住民の暮らしぶりが面白かったです。火事になったら大変なことになりそうでしたが。中華な料理が美味しそうだった。実在した九龍城砦、映画で描かれた中の様子はほぼほぼフィクションだろうけど、実際の九龍城砦の画像とか、その魔窟なスラム街の怪しさは、想像力を刺激するものです。
キャストは、フレッシュかつ懐かしい面々。まず、サモ・ハン・キンポー!うわ~ご健在だったんですね!さすがにお爺さんになったけど、まだまだお元気そう。セコい悪人役かと思ったら、けっこう極悪役でした。コミカル演技はもちろん、ハイッ!ハイッ!ハイッ!なカンフーとか、デブゴン時代を彷彿とさせるキレッキレのアクションも披露してます。龍捲風役のルイス・クーも、しばらく見ない間にすっかり激シブなイケオジに。ニヒルな慈愛と任侠の男、龍捲風は最もカッコいい役でした。龍捲風と過去に死闘を繰り広げた殺し屋役は、これまたイケオジになってるアーロン・クオック。二人の絆と悲しい運命が胸アツでした。
主人公である陳洛軍役のレイモンド・ラムは、精悍な日本兵みたいな風貌。龍捲風の片腕的存在の舎弟、信一役のテレンス・ラウが、この映画でのイケメン担当。「鯨が消えた入り江」や「次の犠牲者」「此の時、この瞬間に」それぞれ違った顔を見せてたテレンス、今回の彼が今まででいちばん男らしい役と見た目。クールで優秀有能、かっとばすバイク、鮮やかなナイフさばきなど凄腕の戦士だけど、気を許したシーンでは優しくて可愛い!ハードな役と演技でも、スウィートなイケメンであることは隠せてません。どことなく日本人っぽいので(役名も信一だし)親近感も。髪型とネクタイなど、なかなかおしゃれさんな信一でした。陳洛軍と信一、スカーフェイスを隠した医師、龍捲風の兄弟分の舎弟、敵と戦いながら友情をはぐくむ若者4人が、九龍城砦の四銃士みたいで痛快。ワンピースとか少年ジャンプ系漫画っぽい映画でもあります。
もっともオイシイ役だったのは、大兄貴の子分の王九。はじめはただのテンションが高いアホ、そのうち消える雑魚なのかと思いきや、最強最凶最狂な悪役でした。卑劣すぎる下剋上っぷり、不死身の気功術でどんどん無双状態となっていき、怪獣みたいに大暴れ。ラストの九龍城砦四銃士との死闘は、なかなかぶっとんでて圧巻です。王九役を怪演したフィリップ・ン、なかなか男前。若く見えるけど、もう熟年な年齢なんですね。AVビデオや田原俊彦、ダンシングヒーローやモニカ、家電、日本語の台詞など、日本ネタがちょこちょこ出てくるが楽しかったです。
↑ 劉俊謙、1988年生まれの現在36歳。台湾映画やドラマ出演にも積極的で、ADHDの少女を描いた「トラブル・ガール」も公開中。今後も追っかけていきたい俳優です🐼