ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

Do it yourself!

2009年06月26日 | お家狂想曲
のキャッチフレーズでお馴染みの、アメリカ最大の住宅リフォーム小売チェーン、ザ・ホーム・デポに行ってまいりました。
この大型チェーン店に足を踏み入れるたびに、あ~、ここほど自分の世界から遠い所はないなあと思いながら、
巨大な建材やペンキの缶を、これまた巨大なゴロゴロで運び、トラックの荷台に黙々と積む人達をぼや~っと見ていた自分が、
事もあろうに、3メートル以上もある板が山積みになっている所で、メジャー片手に思案することになろうとは……しみじみ人生を振り返るわたし……。

あまりに場違いなのが長い時間同じ通路でウロウロしていたからか、レゲエ風のお店のおにいちゃんがやってきて、どないしたん?と聞いてくれました。
「あのね、元は掃除用具の置き場だった所をね、できたら食品置き場にしたくてね、6~7段の棚をつけようと思ってね」
「どれぐらいの大きさ?」
「横幅39インチ、奥行き8インチ、って感じ」
「ふむ……じゃ、こういうのはどう?」
と案内してくれたのは、一枚11ドルの4メートル近くある板の前。
え、でもさ、あそこの板は一枚3ドルだよ。あっちの方がよっぽど安いんじゃないの?
でも、おにいちゃんは頑として11ドルの方を勧めます。計算機片手に、あ~だこ~だと頭をひねりひねり考える彼。なんでなん?
5分ぐらいかかって、やっと彼が説明してくれていることが分かりました。一枚3ドルだと思っていた板は、1フィート3ドルだったのでした!
なので、わたしが欲しい分量の板を切り分けてもらうと、一枚11ドルの板の方がとても経済的なのでした。
もしかして店の売り上げ貢献のために騙そうとしてるんちゃうか?などと疑ったわたしを許してね。

板を乗っける巨大ゴロゴロも探してくれたおにいちゃん、もうこうなったら店の中をウロウロするわけにはいきません。速やかにカットサービスの所に直行しました。
よほどわたしが到底日曜大工などをやりそうにないタイプに見えたのか、何人かの人に呼び止められて、何作るの?とか、テレビとかだと簡単そうだけど、なかなか現実は厳しいぞぉ~とか言われながら到着。
切ってくれたのは若い女性。板の方はまだよかったのだけど、板を乗っけるつもりの木片を作るための細長い棒が16個必要だったので、その手間といったらもう……。
切り分ける前に「2フィート以上は切り賃が一回につき50セントかかるけどいい?」と聞かれ、「切ってもらえるだけでありがたいので払います」と答えたわたし。
ところが、実際に切り終わってみると、切り賃だけで13ドルにもなってしまっていました。
「でも、家でゴリゴリ切っていることを思えば、楽をさせてもらった分助かったので払う」と言うと、「う~ん、ちょっと待って」と彼女。
電卓を出し、書いては消し書いては消しして、結局9ドルにまけてくれました。手間をかけたのでチップを少し渡そうとすると、hon de na, hon de na, oishii restaurant ni tabe ni itte na, hara mecchakucha ippai ni natte, buttotta.←
すみません、またお邪魔虫Bに侵入されてしまいました……。

とにかく、チップを無理矢理受け取ってもらい、壁紙を選びに売り場に向かいました。
壁紙といっても、カバーしたい面積はそんなに広くありません。係の人に尋ねるとここには置いてないと言われてしまいました。
うーん、どうしたもんか……考えていると、「あのさ、キッチンとかの棚の張り紙を利用したら?あれ、裏がくっつくようになってるから便利だし」
そのアイディアいただきです!
さて次は釘の調達。ええっと釘、釘、釘……広い店内で小さな物を探し当てるのはほんとに難しい。
今度は釘の前で思案六法。またまたウンウン唸っていると、
「どうしたの?分からないことがあったらなんでも聞いてみな」と、ベテランそうなおじさんがやってきてくれました。
「あの、この木材で簡単な棚を作ろうと思ってるんですけど、釘の長さとか太さとか、やっぱり考えないといけませんかね?」
「え?釘?ツルッとしたやつ?」
「そう」
「いや、ネジ釘の方がいいと思うよ、この場合」
「でも、16個×2で32回もねじ回しすることになるので、それはちょっと……」
「電動ドライバー持ってないの?」
「はい。いつかは持ちたいと思ってるけど、まだちょっと買う勇気がなくて」
「なんで?」
「だって、高いでしょ?」
「え?30ドル出しゃいいのが買えるよ」
「え?ほんと?」
ということで、今度は電動ドライバーの売り場でおじさんの講義を受けることになりました。なんだか楽しそうでワクワクしてきました。
それに、リョービやマキタという日本のメーカーが売り場のほとんどを占めていて、ちょっと嬉しくなりました。

道具も材料もすべて揃い、意気揚々とレジへ。
「あの、これ、何本でした?」
「え、一本です」
「ほんとにぃ?」
「ほ、ほんとです、長~い一本の棒を頼んで切ってもらいました」
「それにしちゃあ、ちょっと数が合わないんですけど……」
「あ、でも、切ってくれた係の女性がこの紙を渡してくれたので、わたしはもうぜ~んぜん分からなくて、えへ、えへへ、えへへへ」
メチャクチャ疑わしい目でジィ~~ッと見つめられながら、それでも笑顔を絶やさず頑張りました。

家に着き、材料をおっちらほっちら台所に運び、電動ドライバーのバッテリーをチャージャーにセットし、他の片付けをしながら待つこと3時間。
やっとやっと、台所の床を占領している食品やスパイスを片付けることができます!
初めての電動ドライバーは、ううっ重い。角度が難しい。んで、ネジ山をつぶしてしまうこと数回。簡単なのか難しいのか分からなくなってきました。
おまけに、やはり超初心者だけあって、ギリギリいっぱいの幅に切ってもらった板は、いったん取り付けたが最後融通がきかなくて、それはそれはちっちゃな部分で苦労しなければならない羽目に陥ってしまいました。
でも、メゲずに、わたしなりに、全くの素人なりに頑張りました。

ほぼ半分できた状態です。下で横たわっているのがリョービの電動ドライバー。失敗もあるけれど、うまくいった時にはやっぱり速くてワクワクします!



じゃ~ん!とりあえず完成しました。旦那とわたし、それぞれのスパイスや食品で、早くもギュウギュウ詰めになってしまいました。



扉を閉じるとこんなふうになります。元は掃除用具入れなのでした。



Do it yourself は、想像以上に面倒で難しかったけれど、終わってみればなんだかこちょこちょと誇らしくも楽しい経験でした。
さあ~て、次はなにを作ろっかなぁ~。




 
コメント (4)
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