ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国人種差別するウェブカメラ事情

2009年12月28日 | 米国○○事情
HP(コンピューター大手米ヒューレット・パッカード社)のウェブカメラが黒人は認識できない?!という、ユーチューブに投稿された映像がネットで話題になっておりました。
昨日の昼間、Tとわたしがランチを食べていた時、旦那がある映像を見せてくれました。
最初、黒人男性が映っていて、HP社の開発したウェブカメラは人種差別カメラだと言い、これからそれを見せるからと言って、いろんなことを試す映像でした。

問題のカメラはHPが発売したPCの新モデルに搭載されているもので、ソフトウェアを使って人間の動作や顔面を認識し、自動的に動きを追ったりピントを合わせたりできるはず……でした。

ところが、投稿された映像には、白人女性の動きにはカメラが反応するのに、黒人男性の動きには反応しない様子が映っていました。
登場する2人は職場の同僚で、PCのカメラをテストしていてこの問題に気付き、面白いと思って友人に見せるつもりで映像を公表することにしたそうです。
ただし、そのことで人種差別論争を巻き起こす意図はなかったそうです。映像の中の男性も、ただただ可笑しく事実を語っているだけでした。
先にこのことがわかって良かったよ。知らないでクリスマスのプレゼントにしちゃったらさ、シャレになんないもんね~と笑ってました。


この映像を見て、旦那とわたしはただただ呆れたり笑ったりしていましたが、Tは途中から急にトーンダウン。
「今頃、HP社の、このソフトウェアを作ったエンジニアら、どないしてるんやろ……」と、かなり真剣に心配している様子。
明日は我が身……コンピューターエンジニアとして、Tはこの先、いろんなものをデザインしたりプログラムしたりする仕事に就くべく会社を探しています。
今の時代、特にユーチューブがこの世に出てからは、時としてこういう、思いもしていなかった問題が発生すると、数分後には公共に晒されるようになりました。
いい意味でも悪い意味でも、このスピードはもう変わらないのだから、そのことに関しても用心しなければなりません。
きっとTは、自分の近未来に照らし合わせて考えたのでしょう。
「会社、クビにならんかったらええけど……」そうポツリと言って黙ってしまいました。
「それにしても今頃、HP社では、これが新聞のニュースで流れてしまう前になんとか収拾つけられへんかと、てんやわんやの大騒ぎをしてるんやろな……」
などと言いながら、わたし達はそれで終わり、なんの責任も無くのんきなものです。

ところが、やっぱり隠せなかったようで、今日の新聞に記事が載ってしまいました。HP社さん、お気の毒です……。

でも、製品にしてしまう前に、人種のルツボであるアメリカの会社なんだから、どんな顔にも反応するようテストしとくべきだったんじゃないのかしらん……。
 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする