ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

アバターとトトロとラピュタ

2010年01月02日 | ひとりごと
今年のお正月は、大げさな言い方をすると、生まれて初めての、おせち無し、お雑煮無し、なんにも無しのお正月でした。
そのかわり、といっちゃあなんですが、元旦にはすき焼き(これまた我が家では初めてのすき焼き用牛肉2パック(安物だけど)で、ひとり何枚食べたかをいちいち検問せずに済みました!)、2日の今夜はカニ牡蠣鍋と豪勢太っ腹夕ご飯が続いております。

今朝方はまだゴホゴホくっしゃ~ん!とうるさかったわたしでしたが、時間とともに、そろりそろりと回復に向かっているのがわかります。
この風邪、多分、あの悪夢のような雪嵐の夜から始まっていて、けれども先に旦那が本格的にダウンしたのでとりあえず踏ん張っていたのだけれど、ゆるゆると状態が悪くなってきていたのだと思います。なかなかにスローで、なかなかにしぶとそうな風邪です。

家族ごっこにかなり飽きてきた旦那。シャバの空気が吸いてぇ~と、家の中でウロウロ、クマのように落ち着きません。
それを見てるだけでしんどくなるので、さっさと出かけて欲しいのだけど、独りではイヤだと駄々をこねるので始末が悪い。
心優しい息子Tが、映画を一緒に観に行ってくれることになり、いそいそと映画探しが始まりました。
『アバター』と『シャーロック・ホームズ』のどっちにしようかと、二人で映画サイトを検索しまくり、結局劇場のスケジュールと近さで『アバター』に決定。
3Dと普通の上映があるので、どちらにしようかと迷ったようですが、3Dは観ている途中で嫌気が差した場合取り返しがつかないということで、普通に決定。
わたしは鍋の用意をしいしい、ふたりの様子を横目で見ているうちに、自分も行きたいなぁ~という気になってしまいました。

映画はしばらく観たくないというKは、ぜんざいを作りながら留守番をすることに。
ぜんざいといっても、缶入りのあずき煮をお湯で薄めたところに焼きもちを投入!それだけなんですが……。

気温マイナス10℃、体感温度マイナス18℃という中、近所の映画館に行って参りました。
そんな寒さでも、うちと同じような考えの人達がいっぱいいて、映画館のあるモールは大にぎわい。

『アバター』は3時間近い上映の長さを感じさせない、とても楽しい娯楽映画でした。
CGを駆使した、いかにもハリウッド映画っぽい映画だったけれど、その作品の映像や思想の中に、宮崎スピリットが影深く入っていたことにびっくり!
アメリカと米軍の、欲のためにはなんでもありのバカさ加減が、かなりステレオタイプに描かれていて、別段なにも目新しいことはないのですが、なぜか観た後に、すぅっといい気持ちがした映画でした。

Tがひとこと、「今日の映画の中で一番CGっぽかったのは、あの米軍の隊長やったな」
わたしも全く同じことを感じていたのでした。
人は、心をどこかに置き去りしすると、その時点でもう人ではなくなるのかもしれない……そんなことをふと思った夜でした。