昨日も寒かったけど今日も寒い!零下はもう慣れたけど、やっぱ寒い!
家のセントラルヒーティングのボイラーはゴウゴウ言いながら働きっ放し。いったいどれだけかかるんやろ……光熱費……。
室温20℃ってのはちょっと贅沢なんかなあ……もうちょっと下げてみよっかなあ……けど、せっかく風邪治ったとこやしなあ……。
けれども今日は下げずに、いつも通りに設定しました。
旦那の親友、背ぃ高のっぽのアンドリューのガールフレンドモーリーがおめでただとわかり、つわりを軽くして欲しいと旦那の鍼治療を受けに来たからです。
アンドリューは44才、彼女は39才、アクシデントでのおめでたらしいけれど、授かった命はふたりで大切に育てようと決心したそうです。
アンドリューは今からもう15年ほど前に、長いこと付き合ったガールフレンドと結婚し、わずか1年足らずで、お互いにとことん傷つけ合って別れました。
その後遺症が心の中に深く残り、その後はとっかえひっかえ、時には複数の女性と付き合ったりしながら、それでもこの人!という女性には出会えないまま時間だけが過ぎていき、その経過の一部始終をわたし達は見守ってきたのでした。
モーリーと彼が出会ったのは今から数ヶ月前。彼女は障害を抱える子供のカウンセラーをしていて、地に足がしっかりついた素敵な女性です。
今までの彼のガールフレンドには無い、コントロールフリークの気があるアンドリューをうまくあしらいながらも彼を不安にさせない、いい意味でのどっしり感があるモーリー。旦那もわたしも密かに、今回はうまくいくかも、と思っていました。
旦那がモーリーの治療にかかっている間、アンドリューとわたしはふたりでいろんなことを話しました。
なぜだか彼は、なにか女性のことで悩んだり問題を抱えたりすると、わたしにいろいろと聞いてきたり、話をしたがるのでした。
「彼女とは、ドキドキ感もワクワク感もなくて、なんじゃこりゃ?って感じなんだけど……」
「その、なんじゃこりゃ?がええんちゃう?」
「これまでボクは、いつだって○○が足りないとか、△△が無かったらいいのにとかよく思ったけど、彼女に関しては、なんかそういうことはどうでもいいっていうか、別にあっても気にならないっていうか……完璧じゃないのにね……」
「あのさ、完璧な人も、完璧な結婚も、そんなもんこの世には存在しないと思うよ」
「でもボクは、ついついもうちょっともうちょっとって、上を見てしまう癖がある」
「上も下も見たら見るほどキリがないよ。それより自分のことや、足元のことをきっちりじっくり見た方がよっぽどいいと思うよ」
……ちょいと中略……
「あのさ、今回ボク達、結婚をするつもりは無いんだ」
「ふ~ん……」
「妊娠したから結婚するっていうのはなんかイヤなんだ。結婚はそういうことで決めるんじゃないと思う。彼女の存在が1番の理由であって欲しいもんな」
「じゃ、ふたりで子供を育ててみて、ああ、やっぱり彼女だ!って思ったら結婚するってこともあり得るってこと?」
「もちろん。こんな考え、多分おかしいと思われると思うけど……」
「別に。それがお互いの納得の上で決められたことやったらそれでいいんとちゃう?Bの弟だって、毎年更新する契約同居で、2人の子供育ててるよ」
「そうだったのか……」
「どんな形式であれ、そこに確固とした愛情と信頼と責任があったら、それはれっきとした家族やと思うけど」
モーリーは妊娠がわかってすぐに親元に知らせたそうです。
アンドリューはまだ。安定期に入って、事が確実になってからでないと知らせたくないと言います。
それを聞いている時のモーリーの表情が少し曇りました。
その、なんとも寂し気な、けれども仕方が無いと半分納得したような彼女の顔を見た時、あの時の自分の思いがザアッと思い出されました。
わたしは田舎の長男の所に嫁いでいったにも関わらず、8年近く妊娠することができませんでした。
見るからに安産型の、しかも若い女が、どうしてこれほどに子供を産めないのか、同居する両親や小姑、それから近所や婦人会の会員にまで、
時には病気扱いをされ、時にはなにか内緒で避妊しているのではないかと疑われ、散々なことを言われたり噂されたりしましたが、
とうとうのとうとう、ほとんどあきらめた頃にTがお腹に宿り、わたしはもう天にも昇る気持ちで、産婦人科の近くにあった公衆電話から家に電話をしたのでした。
すると、
「ほんまに妊娠か?なんか他の、腹の病気と違うんか?ほんまに医者が妊娠してるって言うたんか?」となんとも暗い声が返ってきました。
家に戻って、仕事から帰ってきた元旦那に報告しても、今いちパッとしない表情です。
あれれ?この人達は、今の今まで、ずうっと待ち続けていたのじゃなかったのか?とわたしがかなり疑わしい顔をした時、
「とにかく、このことはまだ誰にも言わんように。ちゃんと持つかどうかもわからんしな」と義父がヒソヒソとわたしに言いつけたのでした。
彼らのために、旦那がチキンのインド料理を、わたしが青梗菜としいたけの炒め物を、そして彼らも、レンタル豆のスープを持参してきてくれました。
どれもこれも美味しくて、モーリーもいつもより食欲があると言ってよく食べてくれました。
鍼治療中、彼女はもう、それはそれは深く、まるで赤ん坊のようにスウスウと寝息をたてて眠っていたそうです。
彼女の身ひとつの間の生活が、幸せに満ち満ちた、それでいてエキサイティングな毎日になりますように。
初めての妊娠は、そりゃもう不安だらけで、大小含めて山ほどの問題を抱えていたけれど、
あの時の、自分の身体の中にもうひとつの別の命が育っているんだという、なんともいえない満ち足りた嬉しさは、何物にも代え難いことでした。
おめでとうモーリー!おめでとうアンドリュー!
家のセントラルヒーティングのボイラーはゴウゴウ言いながら働きっ放し。いったいどれだけかかるんやろ……光熱費……。
室温20℃ってのはちょっと贅沢なんかなあ……もうちょっと下げてみよっかなあ……けど、せっかく風邪治ったとこやしなあ……。
けれども今日は下げずに、いつも通りに設定しました。
旦那の親友、背ぃ高のっぽのアンドリューのガールフレンドモーリーがおめでただとわかり、つわりを軽くして欲しいと旦那の鍼治療を受けに来たからです。
アンドリューは44才、彼女は39才、アクシデントでのおめでたらしいけれど、授かった命はふたりで大切に育てようと決心したそうです。
アンドリューは今からもう15年ほど前に、長いこと付き合ったガールフレンドと結婚し、わずか1年足らずで、お互いにとことん傷つけ合って別れました。
その後遺症が心の中に深く残り、その後はとっかえひっかえ、時には複数の女性と付き合ったりしながら、それでもこの人!という女性には出会えないまま時間だけが過ぎていき、その経過の一部始終をわたし達は見守ってきたのでした。
モーリーと彼が出会ったのは今から数ヶ月前。彼女は障害を抱える子供のカウンセラーをしていて、地に足がしっかりついた素敵な女性です。
今までの彼のガールフレンドには無い、コントロールフリークの気があるアンドリューをうまくあしらいながらも彼を不安にさせない、いい意味でのどっしり感があるモーリー。旦那もわたしも密かに、今回はうまくいくかも、と思っていました。
旦那がモーリーの治療にかかっている間、アンドリューとわたしはふたりでいろんなことを話しました。
なぜだか彼は、なにか女性のことで悩んだり問題を抱えたりすると、わたしにいろいろと聞いてきたり、話をしたがるのでした。
「彼女とは、ドキドキ感もワクワク感もなくて、なんじゃこりゃ?って感じなんだけど……」
「その、なんじゃこりゃ?がええんちゃう?」
「これまでボクは、いつだって○○が足りないとか、△△が無かったらいいのにとかよく思ったけど、彼女に関しては、なんかそういうことはどうでもいいっていうか、別にあっても気にならないっていうか……完璧じゃないのにね……」
「あのさ、完璧な人も、完璧な結婚も、そんなもんこの世には存在しないと思うよ」
「でもボクは、ついついもうちょっともうちょっとって、上を見てしまう癖がある」
「上も下も見たら見るほどキリがないよ。それより自分のことや、足元のことをきっちりじっくり見た方がよっぽどいいと思うよ」
……ちょいと中略……
「あのさ、今回ボク達、結婚をするつもりは無いんだ」
「ふ~ん……」
「妊娠したから結婚するっていうのはなんかイヤなんだ。結婚はそういうことで決めるんじゃないと思う。彼女の存在が1番の理由であって欲しいもんな」
「じゃ、ふたりで子供を育ててみて、ああ、やっぱり彼女だ!って思ったら結婚するってこともあり得るってこと?」
「もちろん。こんな考え、多分おかしいと思われると思うけど……」
「別に。それがお互いの納得の上で決められたことやったらそれでいいんとちゃう?Bの弟だって、毎年更新する契約同居で、2人の子供育ててるよ」
「そうだったのか……」
「どんな形式であれ、そこに確固とした愛情と信頼と責任があったら、それはれっきとした家族やと思うけど」
モーリーは妊娠がわかってすぐに親元に知らせたそうです。
アンドリューはまだ。安定期に入って、事が確実になってからでないと知らせたくないと言います。
それを聞いている時のモーリーの表情が少し曇りました。
その、なんとも寂し気な、けれども仕方が無いと半分納得したような彼女の顔を見た時、あの時の自分の思いがザアッと思い出されました。
わたしは田舎の長男の所に嫁いでいったにも関わらず、8年近く妊娠することができませんでした。
見るからに安産型の、しかも若い女が、どうしてこれほどに子供を産めないのか、同居する両親や小姑、それから近所や婦人会の会員にまで、
時には病気扱いをされ、時にはなにか内緒で避妊しているのではないかと疑われ、散々なことを言われたり噂されたりしましたが、
とうとうのとうとう、ほとんどあきらめた頃にTがお腹に宿り、わたしはもう天にも昇る気持ちで、産婦人科の近くにあった公衆電話から家に電話をしたのでした。
すると、
「ほんまに妊娠か?なんか他の、腹の病気と違うんか?ほんまに医者が妊娠してるって言うたんか?」となんとも暗い声が返ってきました。
家に戻って、仕事から帰ってきた元旦那に報告しても、今いちパッとしない表情です。
あれれ?この人達は、今の今まで、ずうっと待ち続けていたのじゃなかったのか?とわたしがかなり疑わしい顔をした時、
「とにかく、このことはまだ誰にも言わんように。ちゃんと持つかどうかもわからんしな」と義父がヒソヒソとわたしに言いつけたのでした。
彼らのために、旦那がチキンのインド料理を、わたしが青梗菜としいたけの炒め物を、そして彼らも、レンタル豆のスープを持参してきてくれました。
どれもこれも美味しくて、モーリーもいつもより食欲があると言ってよく食べてくれました。
鍼治療中、彼女はもう、それはそれは深く、まるで赤ん坊のようにスウスウと寝息をたてて眠っていたそうです。
彼女の身ひとつの間の生活が、幸せに満ち満ちた、それでいてエキサイティングな毎日になりますように。
初めての妊娠は、そりゃもう不安だらけで、大小含めて山ほどの問題を抱えていたけれど、
あの時の、自分の身体の中にもうひとつの別の命が育っているんだという、なんともいえない満ち足りた嬉しさは、何物にも代え難いことでした。
おめでとうモーリー!おめでとうアンドリュー!