ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

日の丸のひかり

2011年04月05日 | 世界とわたし
米ニューヨーク市の観光名所であるエンパイア・ステート・ビルが昨日の夜、日の丸をイメージした紅白2色にライトアップされました。


震災の犠牲者に追悼の意を表するとともに、被災者への支援を訴えるのが狙いです。
同ビルの呼びかけに応じて世界各地の有名な7つの高層ビルも同日、日没時に紅白に点灯されました。
ライトアップに加わったのは、米イリノイ州のジョン・ハンコック・センター、カナダのCNタワー、マレーシアのマニラKLタワー、中国のマカオタワーなど。

中東の混乱や戦争も起こっているけれど、みんな続けて応援していますよ。
スーパーのレジに、日の丸がプリントされたステッカーが貼ってあります。
そこに、少額ではあるけれど、募金のお願いが書かれていて、買い物客が支払いを済ませる時に、ちょっとした気持ちで募金できるようにしています。
学校の児童も、学生も、様々な場所で活動しています。
大人達も、街角に立って、募金を呼びかけています。

日本への思い……冷めてなんかいませんよ。
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これが本当ならばどんなに嬉しいだろう

2011年04月05日 | ひとりごと


という名目で、稲恭宏という方が行った講演をビデオで観た。6つとも、2回観直した。
とても断言的に、今の福島県周辺にかかっている放射能は、健康に良く、かえって元気に、これから生まれてくる胎児にもいい影響を及ぼすので、全く心配しないで、そこに住み、農業漁業酪農に勤しみ、積極的に食べてくださいと絶叫しておられる。

それが本当に真実ならば、どんなに嬉しいだろうか。
どんなに安心できるだろうか。
東北の、水に破壊され流された土地は放射能のおかげでみるみるうちに復活して、今までよりも豊かな土壌になり、野菜や魚や家畜はスーパーパワーを含んだ特別な食材として、日本のみならず世界各国に輸出されるのだ。

低線量率放射線。
これは、重症に陥った患者に対して行われる治療のひとつであって、健康な人間が、起きている間中ずっと休み無く受け続けるとどういう影響が出るのか、そんなことを試しておられるわけはないのに……。

信じることができたら、どんなに嬉しいだろうか……。



対して、以下↓の文章は、崎山比早子氏(元放射線医学総合研究所主任研究官)の講演のまとめです。
 
放射線と放射性物質(放射能=放射線を出す能力)があり、放射線は近づいたら危険だが、離れていれば安全。
その線が体内に突き通り、線の数が多い(大量に浴びる)と死に至る。
放射性物質は体内に入って、核爆発(体内被曝)して、細胞を犯してガンになる。
細かい粒だから風に乗って空気中に飛んで、土に潜れば作物が汚染されて、生き物がそれを食べれば、肉や卵や牛乳が汚染される。
ホットスポット=放射性物質の放出雲(放射能雲)から雨や雪が降った場所でより強い放射能がでる。
3/14に降った雨の土から高濃度な放射能が検出された。

DNAが分裂しても、元に戻り再生する力があるが、体内にある放射性物質が多ければ多いほど複雑に分裂してしまうので、再生不能になり、最悪で死に至る。
その基準は、
7000ミリシーベルト以上 =100%死亡
3000~4000        =50%死亡
100~250         =急性障害の敷位置と決めてこれ以上を急性障害という。
100ミリシーベルト以下  =晩発障害(発がんのリスク)といい、急性障害で助かった人もリスクがある。
1ミリシーベルト     =一万人に1人が発ガンする確率で、年間被ばく線量の限度値。
5ミリシーベルト  =一万人に5人が発ガンする確率で、緊急時の制限値。

【放射線には安全量は存在しない】と国際防護委員会で勧告を出している。

「日本は制限値が厳しすぎるので20ミリデシベルに上げてもいいのでは?」では、
制限値を上げるのは人間の都合で、低ければ低いほどよいが、厳しくすれば食べるものがなくなる。
これは生物学ではなくて、政治の問題になる。
発ガンリスクから言えば低いほどよいので、安心問題とは違ってくる。
原発作業員が基準を100から250ミリデシベルに変えたのは安全だからではない。
政府の発表で「基準値が上がっても直ちに人体に影響はない」とは急性障害は起こりません、という意味で、
晩発障害の発ガンリスクをまるっきり無視した言い方である。

≪東大の放射線専門の準教授の発言≫
「全身4000ミリデシベルで50%の確率で亡くなる。
もっと低い線量では症状もなく、検査でも分かりませんが、発ガンリスクは若干上がります。
但し、およそ100ミリデシベルの蓄積がなければ発ガンのリスクは上がりません。
危険が高まると言っても0.5%程度です。
そもそも日本はガン大国で2人に1人がガンになる。
100ミリデシベルを浴びると50.5%に上がる。これはタバコを吸うほうがよほど危険」

↑これは晩発の発ガンリスクを無視した発言で、
「ガン大国で2人に1人がガンになる」についても、それはそうでしょうが、ガンで亡くなるのは加齢で、年を取ると遺伝子に変異が溜まってガンで亡くなる。
私達が被ばくさせられているのは、年齢を問わないで全ての人が平等に浴びている。
しかも、放射線に感受性の高い胎児や子供を、高齢者と同じレベルにするのはおかしいし、50~70歳でガンになるのとは違う。
若い人が発がん率が高くなるのと、中高年がガンになるのを同じように考えている。
こんなことを放射線の専門医がおっしゃるのはどういうことか。

≪水道水について≫
今後、どうなるかは分からないが、一生ペットボトルの水を飲み続けることはできない。
自然放射能以上を浴びたくないなら、ここを出ることしかない。
出ることができないなら、基準値を上げて我慢せざるを得ない。
これが原発事故の過酷な現状。

≪アメリカのロバート・ゲイル医師の発言≫
「原発避難地域については私だったら、いまの状況なら避難する必要はない。アメリカの80キロ圏内は過剰反応だ」について。
彼は急性障害を治療する医師だから、ガンになることを考えないならそういう表現になる。


グレーゾーン以下の放射性物質であったとしても決して安心できない。
なぜならば、単なる放射線とは意味合いが違うからである。
微量の放射能であったとしても1万人に1人は発ガン性が起こる可能性があるということは、今回の原発事故の責任は重大ということになる。

放射能の危険性については様々な説があり、結局はどれが結論というところまで実証するのは現時点で困難であり、結果は5年、10年以上経たないとわからないので、
国民はどの説を信じるかでそれぞれの対応の仕方が違ってくると思われる。

急性でない放射線障害の発生確率には閾値がなく、ゼロから正確に比例するという説明や基準値というのは、生物学者が答えることではなく政治家の判断である。
官房長長官の「直ちには……」のどこが不適切なのか、死亡率が50から50.5に上がるだけ、と言う論理のどこに間違い(誤魔化し?)があるのか。
稲氏の持論を、鵜呑みにしていいのか。



追記。
稲氏の6つのビデオの中の最後に、現地に物資を運んでいるボランティアの方からの生々しい情報が残っている。
それによると、
衣類は、新しい靴下と下着以外はいらない。
食べ物は生だと保存がきかないので、インスタントやレトルト類を。
そして飲料水。
生活用品全般。
医療用品もかなり足りない状態が続いている。
缶詰を送られても、開ける缶切りが無い。
避難所以外で居られる人達に、物資が送られていない。
のだそうだ。
これは1週間ほど前の情報なので、今はまた違う状況になっているかもしれないけれど、
今回の災害では特に、政府は原発に翻弄されているので、被害に遭われた人達への配慮も援助も棚に上げられているだろうから、
とにかく現場で居られる方々からの情報を少しでもたくさん得て、助けてあげて欲しい。




 
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世界的心中?

2011年04月05日 | 世界とわたし
日本がこんなことになるまで、まるで蚊帳の外のことやった原子力発電所。
大丈夫かなあ、とふと思うようなことはあっても、あれが無くなったら不便になるやろからと、ひょいと浮かんだ不安雲を押しのけてた。

ふと、原子力発電所の事故は今回に限ったことと違うし、それに、核実験してるあちこちの海やら地面の周りは、いったいどないなってるのやろと思う。
それと、原発のゴミは?
ものすごい量の廃棄物は、ほんまのほんまに完璧に密封されて、いつまでも大人しくしてくれてるのやろか?
今の今まで、この地球上に、自然界以外に放射能がどんなふうに存在してるのか、全く考えたことも、想像したこともなかった。
電磁場のことにしても然り。
飛行機乗っても被ばく。これにはびっくりした。
ほな、パイロットや機内アテンダントの人らはえらい量の被ばくやん。

いっそのこと、花粉情報と同じように、世界中の原発保有国が、放射能情報を出せばいいねん。
きっと、アメリカでも、いろんな場所で濃い色の雲が浮かんでるはず。
ほんで、そんなふうに考えると、今こんなふうにワイワイ大騒ぎせんでも、
わたしらはもうとっくの昔から、放射能に汚染された食べ物を、いっぱいいっぱい食べてるんちゃうの?と思えてきた。
見えへんし臭えへんから、まったく知らんままに生きてきたけど、それはそれでまたよかったんかも。
せめて心だけは健康なままでいられるもんね。

アメリカでは、こんな事態になった原発施設をニュースで散々知ってるにも関わらず、今だに『原発は不可欠なもん』『原発は安全』と思てる人が半数以上もいる。
そうか、そんなに電気が好きなんや。地球を痛めつけて、次の世代に病んだ未来しか残せへんでも、今の便利さを手放したく無いんやな。
今の繁栄も便利さも、ほんまに脆い、儚い夢みたいなもんやのに。

この国は、もっといろんな意見が生きる、デモクラシーのお手本みたいな国やと思てた。
ところが、テロの時も、イラクの戦争の時も、大型ハリケーンの時も、なんや、やっぱり政治家や軍は自分らの好きなようにした。
住んでみてやっと実感したけど、この国はものすごい数の移民と異文化が混じり合ってる東西両端の州、昔ながらの白人が中心の州、広々とした自然の真っただ中の州とかが土地続きでくっついてて、
そやから法律も風習も文化も違う、極端に言えば同じ言葉を話す外国の寄せ集めみたいなもんやから、
小さなことひとつとっても、ヨーロッパの国々みたいに、国民の意志や思いが、あちこちの街角から発生して、それがいつしか大きなうねりのようになって政治に反映する、なんてことにはまずならへん。
不幸やね。

わたしらは、わかってない一握りの阿呆どもに、ジワジワと真綿で首を絞められてる、囲いの中の哀れな羊なんやろか。
けど、その阿呆どもも、結局は自分の首も締めてるのやから、やっぱりこれは、ハッピーが言うたように、世界的心中なんやろか。


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