原発のエキスパート、アーニー・ガンダーゼン氏が緊急警告「事故当初からそうですし、今もなお一番危ないのが4号機です」 [週プレNEWS・2012年03月15日]
『福島第一原発の事故は収束し、「冷温停止状態」にある……と、政府や東電は昨年末に宣言。
しかし、それは〝まやかし〟だと指摘する米原子力専門家がいる。
事故直後の3月18日、米CNNに出演し、事故はすでに最悪の「レベル7」であることを強調したアーニー・ガンダーセン氏だ。
これまで一切語られてこなかった事故の真相、薄氷を踏むような福島原発の現状……。
冷温停止とは程遠い、原発の〝今〟が明らかにされる!
―昨年12月。日本政府は原発事故は収束し、原子炉は「冷温停止状態」にあると宣言しました。
アーニー 言葉遊びのようなもので、ウソです。
原子炉が冷温停止状態にあるのは喜ばしいことです。
しかし、だからといって、原子炉が安定しているわけではない。
ちょっとしたトラブルで、事故当時の深刻な状況に逆戻りします。
レスリングでいうなら、今は手ごわい対戦相手を、辛うじてねじ伏せているにすぎません。
―隙あらば、フォールをはじき返して襲いかかってくる?
アーニー 冷温停止とは、放射性物質の漏洩がなく、大気圧下で93℃未満に保たれた原子炉冷却システムのことを指します、
ただし、システムは密封されて、漏れのないことが条件で、福島第一原発はこれを満たしません。
そもそも、メルトダウンした燃料が、どのような形状で、どこにあるのかもわからないのです。
このような状況を、収束と呼べるわけがありません。
―では、4基の原子炉の現状をどう評価しますか?
アーニー 最も古い1号機は、津波でなく、その前の地震によって、配管などがダメージを受けた可能性が高い。
津波が到達する前から、圧力や温度データに、異常が見られるからです。
また1号機もそうですが、2号機は、7㎝の亀裂が生じるなど、格納容器の破損が最も激しい。
損傷した格納容器の割れ目から、漏れ出る冷却水で、今後何年にもわたって、大気と地下水が汚染されることでしょう。
ただ、残りの2基よりは、まだ扱いやすいと言えます。
―3号機はどうでしょうか?
アーニー 3号機では、使用済み核燃料プールで、穏やかな即発臨界が起こったと考えています。
3号機から立ち上った黒いキノコ雲に、見覚えがあるんです。
1961年に、アイダホ州のSL1という原子炉で、即発臨界事故がありました。
その事故の、検証実験を収めた米政府のビデオにも、同じような現象が映っていたのです。
今回、3号機の建屋の南側で、閃光が見られた後、上向きに大きな爆発が起こりました。
しかし、通常の水素爆発の衝撃波とは、速度が異なるのです。
だから、東京電力の主張している水素爆発ではなく、プール内で、臨界による爆発があった、と考えるのが最も自然なのです。
―3号機は、格納容器からの放射性物質漏れに加え、臨界による爆発があったと考えられる分、1,2号機よりも、より事態は深刻というわけですね。
アーニー 爆発によって、プール内に落ちたコンクリート瓦礫から、溶け出た水酸化カルシウムによって、プールの水がアルカリ性になっていることも心配です。
燃料棒の被覆管に、悪影響があるかもしれません。
―4号機は、定期点検のため、原子炉内に燃料棒が入っていませんでした。
リスクは、プール内の使用済み核燃料だけと考えると、3号機よりは安心なのでは?
アーニー 実は、事故当初からそうですし、今もなお、4号機が最も危険なのです。
プール内の燃料は、事故の4ヵ月前に、炉内から取り出されたばかりのもので、今でも何メガワットもの崩壊熱を発しているシロモノです。
重量も膨大で、日本の原発1基が燃やす、10~15年分に相当します。
そのプールが斜めに傾き、建屋も損傷し、核燃料が野ざらしの状態にあるのです。
もし大きな地震が起きて、プールが壊れたら、内部の冷却水が流出する事態になります。
そして、プールの水は干上がり、2000℃に達した使用済み燃料が燃えかねません。
さらに、蒸発した水から水素が発生すれば、大爆発を引き起こしかねないのです。
―格納されていない核燃料が、むき出しの状態で燃える?
アーニー はい。そうなると、もはや消し止める方法がわかりません。それは、科学がシミュレーションさえしたことのない、未知の事態なのです。
―万が一、プールで火災が起きたらどうなるのでしょう……?
アーニー 4号機のプールには、人類がこれまで行なった核実験で放出された、全放射性セシウムに匹敵する量の、燃料が眠っています。
それが放出されるのだから、日本列島は、放射性汚染物質で分断される事態になりかねません。
人体への影響も深刻で、米ブルックヘブン国立研究所によれば、事故によって、がんによる死亡が、最大13万8000件も増えるといわれています。
―プールの核燃料を、コントロールする方法はないのでしょうか?
アーニー プールから一刻も早く、核燃料を取り出すことです。
ただ、その作業は、専門家でさえ途方に暮れる、難作業です。
・まず、使用済み燃料を、空気中でも保管できるよう、水中で3~4年間、じっくり冷やします。
・その後、大型クレーンを建造し、
・直径3m、厚さ7.5cmほどのキャスク(鋼鉄製ドラム缶。核燃料を詰めた状態で重さ約100t)を、地上から30~40m持ち上げ、
・プール内に沈めて核燃料を詰め込み、
・再び地表へ下ろし、
・運び去る作業を、50回前後こなさなければなりません。
もしキャスクを落としてしまったら、東京を壊滅させるほどの事故になりかねません。
一度だけなら、そのリスクに挑戦できるかもしれません。
しかし、人が近づけない高線量の中で、50回連続で成功させることは、容易ではないのです。
【事故の本当の原因は冷却用海水ポンプ?】
―なんだか、絶望的な気持ちになります。そもそも原発事故はなぜ防げなかったのでしょうか?
アーニー お金、採算の問題です。
電力会社が、コストを惜しんで、安全対策を怠ってきたためです。
今回の事故の原因として、非常用ディーゼル発電機が、地下階に設置され、津波で水没したことが指摘されていますが、
高台に2台、それぞれ異なる高さで、分散設置しておけば、水没は免れたはずでした。
このためのコストは、1億ドル(約80億円)もあれば十分なのに、東電は実行しませんでした。
コストを惜しんだのです。
冷却用海水ポンプの問題に、東電が触れたがらないのも、同じ理由からでしょう。
―冷却用海水ポンプ? どういった問題なのでしょうか?
アーニー 原発の冷却システムは、燃料の崩壊熱を取り除く、循環系統(下図のA)と、海水をくみ上げて、炉心から出る蒸気を冷却する系統(下図のB)の、ふたつで基本的に成り立っています。
昨年3月の原発事故では、海べりにある冷却用海水ポンプは、津波で真っ先に壊れました。
ということは、もし、非常用ディーゼル発電機が無傷で、その電力によって原子炉を冷やすことができていたとしても、
海水での冷却機能は使えず、最終的に、原子炉を根本から冷やすことはできなかった。
つまり、ディーゼル発電機が無事だったとしても、1~3号機のメルトダウンは防げなかったのです。
海水ポンプを津波から守るには、設備を防水すればいいのですが、そのコストは、100億ドル前後かかる。
先日、中部電力が、熱心に安全対策を進めている、浜岡原発(静岡県御前崎市)を視察したところ、
海水ポンプの防水策を進めようとしているものの、まだ実現できてはいませんでした。
●福島第一原発の冷却システムのイメージ(図を転載することができなかったので、写真を撮ってつなげました。なので、少し左右がずれています)
原発の基本的な冷却システムは、AとBの両方が、循環することで成り立っている。
津波や地震で循環水(海水)ポンプが損傷すると、海水をくみ上げられず、根本的な冷却機能を失うことに。
事故の原因は、海水ポンプの防水性が、脆弱だったから!?
―海水ポンプの防水コストを惜しんできたことがバレると、さらに非難されるから、東電は、冷却用海水ポンプの話題に、触れてこなかったのでしょうか?
アーニー はい。海水ポンプの不備は、日本中の原発に共通する弱点です。
その対策がない以上、ストレステストに合格しても、政府は、原発を再稼働させるべきではありません。
―今後、日本は、エネルギー政策を、どう進めるべきでしょうか?
アーニー これ以上、原発にエネルギー源を頼ることは、賢明な選択ではありません。
原発の危険性、経済的非効率性が、はっきりしたからです。
ドイツのように、長期計画で脱原発を進め、再生可能エネルギーの開発へと乗り出すべきです。
さらに、スマートグリッド(次世代送電網)を実現させ、それらを、再生可能エネルギー関連技術として、世界に輸出すれば、脱原発と経済成長を、同時に実現できます。
日本には、その技術力、資金力がある、と確信しています。
●アーニー・ガンダーセン
1949年生まれ。原子力技術者として、全米で原子炉の設計、建設、運用、廃炉に携わり、エネルギーアドバイザーも務める。著書ではその豊富な知識と経験を基に、福島原発の現状を分析』
四号機の危険性は、ずっと予々聞いてる。
聞けば聞くほど恐ろしゅうなるから、かなんのやけど、知らんふりできることやないから聞く。
日本に、しかも四号機に万が一事故が起こった時に、確実に被害を被るとこに暮らしてはる人達は、
わたしらみたいなもんに、危ない、終わりやと騒がれたら、どんな気持ちにならはるやろと思う。
けど、一年前にあの事故が起こってからというもの、テレビも新聞も隠し事ばっかりで、
人の命に関わるような重大な情報まで平気でウソついたり、ちょこっと変えてみたり、上からかどこからか知らんけど、
「こうこう書いとけ」言われたまんまを、もしかしたらちょっとは心が痛んでるかもしれんけど、それでも文字や声にしたらおんなじや。
あんたら全員、業務上過失致死や。
この四号機のことかて、もう事故後数日経った時ぐらいから言われてる。
今までの間にも、それこそ奇跡のようなことが重なって、爆発を免れてきた。
けども、日本はまだまだ揺れ続けてて、地震が起こるたんびに、原発は?燃料用プールは?って、みんなが肝を冷やさなあかん。
四号機の解決のための作業は、専門家でさえ途方に暮れる難作業。
使用済み燃料を、空気中でも保管できるよう、水中で3~4年間、じっくり冷やし、
その後、大型クレーンを建造し、
直径3m、厚さ7.5cmほどの鋼鉄製ドラム缶(核燃料を詰めた状態で重さ約100t)を、地上から30~40m持ち上げ、
プール内に沈めて核燃料を詰め込み、
再び地表へ下ろし、
運び去る。
それを50回前後、めちゃくちゃな高線量の中で、一回の失敗も無くこなさなあかん。
できひんやんそんなこと。どないすんのん?
原発をどないしても再稼働させたい言うてる野田さん、それの子分や取り巻きのみなさん、
それから、原発を推進してきた議員や企業の役員さん、最初は反対してたけど、今じゃどっぷり原発の金風呂でボケてしもた自治体の首長さん、
あんたら、手分けしてこの作業やり。
四号機の始末つけるぐらいの気概と決意を見せてんか。
それが大人の責任っちゅうもんちゃうの?
あんたらの大好きな原発との絆の強さを証明してんか。