ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

幻のエビチリ

2008年11月24日 | 家族とわたし
「かあさん、俺、シェフもびっくりエビチリ作ったるけん!」
息子Tが声も高らかにそう言いました。
おぉ~エビチリ大好物じゃけんね~。嬉しかよぉ。おまえも大きゅうなってそんなことも言えるようになったとね

夕飯の時間は、旦那の仕事の終わる時間に合わせて7時ジャスト。
旦那は夕飯を食べる時間帯にうるさい人です。
7時半を過ぎると、こんな遅いと健康に悪いとブツブツ

わたしは今日は早く終わる日なので、エビチリとは相性がちょいと悪いかもしれないけれど、
先日のコリアンマーケットで見つけた美味しそうなカボチャがあるので、それでスープを作って寄付することにしました。

キッチンに何人も料理人がいては動きにくいと思い、先にスープの下ごしらえを始めました。
スライスした玉ねぎとニンニク少々をしんなりするまでバターで炒め、水を足しコトコト煮ながら時計を見ると……、
むむむ、すでに6時半。
TとJ子ちゃんとS君は今日、ミツワ(日本食マーケット)に買い物に出かけているのです。
運転手はS君、Tがナビ……めちゃんこ頼んない

案の定、6時45分、「道迷たぁ~」と電話がかかってきました。
いったい何処を走ってるのかも分からないので、こちらも教えようがありません。

しゃあないので、カボチャスープを仕上げ、鶏肉と三度豆をちょいと甘辛く炒めたのとインスタントの餃子で食べました。

ついさっき「いやあゴメンゴメン!」と言いながら無事帰宅。
今、旦那と4人で、BOGGLEという英語の言葉遊びゲームに熱中してます。



木製のさいころにアルファベットが書かれていて、それをシャッフルして表面に出たアルファベットで言葉を作ります。
縦横斜めの隣の並んでいる文字を使って言葉を作ります。ひとつ飛びはできません。元の文字に戻ることもだめ。
アルファベットは3文字以上。言葉の文字が多いほどポイントが上がります。
自分が見つけた言葉を他の誰かが見つけていたらポイントゼロ。

第1ラウンドが今終わり、もちろん旦那がトップ、ところがTが2位になったのでS君納得いかず、リベンジ戦が始まりました。
S君は、5才から13才までアメリカ、14才から18才まで日本、19才から23才の今またアメリカに戻り、これから獣医さんになるべく大学院に進学予定。
完璧なバイリンガルの彼がTに負けたとあっては男がすたります。プライドがかかっています。

Tはこのゲームが大嫌いでした。見かけに寄らず負けず嫌いなので、負けるに決まってるゲームなんかしたくもなかったんでしょう。
ちっちゃなことだけど、息子はアメリカの大学生なんだと、なんだかしみじみ思ってしまいました。

ちっちゃな砂時計が見えますか。これで時間を計ります。みんなめちゃ真剣です。



さて、そろそろスープを温めるとしましょうかね
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ガソリン

2008年11月24日 | ひとりごと
新聞によると、ガソリン1ガロンあたりの価格が、2005年の3月以来、2ドルをきったそうです。
確かに、昨日ガソリンスタンドで、ほとんど空っぽになりかけていたスバルのタンクを満タンにしてもらったのに、
払ったのは27ドル?!なんだかキツネにだまされているような気分になりました。

ほんの数ヶ月前は、プレミアムしか入れられない旦那母からのお下がり車アウディにガソリンを入れると、
数字が恐いくらいにスルスルと上がり、40ドル50ドルなんて珍しくもなんともなかったのに……。
あれはいったいなんだったんでしょう。
まあ、この状態が異様なのかもしれないので、またしばらくすると上がるんでしょうけどね。

でも、今年の感謝祭(日本のお盆のようなもの)はガソリンがうんと安くなったにも関わらず、帰省する人がかなり減るそうです。
臨機応変を得意とするアメリカンは、こういう時の反応がなかなか早くて合理的です。
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ウィンターコンサート

2008年11月23日 | 音楽とわたし


今日は3時から、モントクレアコミュニティバンドのウィンターコンサートの本番がありました。
昨日、何度も何度も試奏して選んだ3本のリードと一緒に、今日の舞台に臨みました。

写真を撮り損ねたので、この写真は去年の物です。なので、ティンパニーをKが演奏してたりします。いやはや。
この年よりも金管の低音パートが充実して、がっしりと組まれた屋台舟の上で揺られているような心地良さを味わっています。
低音ってやっぱりいいなぁ。

今日は、ピッチが合い易い演奏者に挟まれて吹いたので、とても心穏やかに、純粋に音楽を楽しめました。

特に、今日はなぜだかみんながみんな、パリッと集中していて、とてもクリスプでダイナミックな演奏をしました。
指揮者のワスコ氏は大喜び。もちろん演奏者も、そして寒い中足を運んでくださったお客さんも一緒に音楽を楽しみました。

みんなと協力し合って作る音楽。
ピアノとはまた違う喜びがあります。
いい演奏会でした


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女王様

2008年11月23日 | ひとりごと


彼女が座っている椅子は、わたしの机の右側すぐ横にあります。
わたしがパソコンに座っている間中、こうやってお付き合いしてくれます。
椅子の上でグルグルグルグル、撫でて欲しい所をアピールしながら座り位置を変えてニャ~ン。
なかなかの甘え上手さんです。
でも、記事とかを読みながら片手間に撫でていると、
「ちょっとぉ、もっと愛情こめて撫でなさいよぉ~」とばかりに、頭をもたげてグイッとこちらを睨んだりします。
なかなかの女王様ぶりです。



 
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惨状

2008年11月23日 | ひとりごと


では、現場写真↑の説明をさせていただきます。

まず手前にございます赤い四角い箱は、息子Kのゲームコントローラー。これで毎週幾ばくかのお金を稼いでいるのであります。

真ん中のお皿の上には炒りピーナッツ。旦那とわたしの大好物でありまして、息子達のためにと旦那が昨晩せっせと炒りました。

周りにはビールの空き瓶、おちょこ、湯のみ、お持ち帰りのコーヒーにソーダ、食べさしのお菓子などなど。

ずっと奥、カウンターの上には、夜中未明に戻り、兄グループの酒盛りに合流したと思われる息子Kのバスタオルと米の残り。
カレーライスを作るのに、うちのお米をごっそり持ってった奴。今はお米がめちゃんこ値上がりしてるのにぃ~
昨日のガソリン代と、クィーンズまでの橋の通行料に加えて、米代も徴収してやるぅ~

朝起きて、1番に目にするのがこういうのだと、一気に気分が凹みます。
若者が4人……もちろんスウスウお眠りでございますが、起きてきたら、しっかり片付けていただきましょう
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横着息子

2008年11月22日 | 家族とわたし
息子Tが帰ってきました。感謝祭休暇の里帰りです。
ほんの1ヶ月後に、クリスマス休暇があるので、今回は帰らないかもと言っていましたが、気が変わったようです。

今回は、初めてのガールフレンドのJちゃんも一緒。そして大の仲良しのS君も一緒。
休憩無しでぶっ飛ばしても7時間半かかる道なので、3人で交代し合って運転すると聞いて、こちらとしては安心でした。
独りであのご老体スポーツカーを運転するのはかなり疲れます。
休憩をたくさん挟むとすぐに10時間なんて過ぎてしまうし、わたしとしてはどうするんだろうかと気をもんでいました。

実を言うと、Tが帰ると言っていた日は明日の23日でした。
なので、布団とかシーツとかそれからあちこちの部屋の調整とかは、まあ明日中にゆっくりやりゃいいか、と思っていました。
それと、なにより家庭料理をお腹いっぱい食わせてやらにゃあと思い、日本食のマーケットにも行くつもりでした。
今朝、パソコンの前でのんびりしていたら、仕事に出かける旦那が部屋にやって来て、
「T、今日帰ってくるって。もう車に乗ってて、あと6時間ほどしたら着くって」と言いました。
「はぁ~?!」←思いっきり大文字にしたい気分で書いております、はい。

まったく……Tはよくこのパターンをやりやがります。
帰ってくるのはそりゃもちろん嬉しいけれど、この突然予定変更ゲリラ的帰省ってのはやめて欲しいもんです。
ちょっと電話でもかけりゃ済むことなのに。電話が面倒ならメールでも。メールが面倒ならチャットでも、
とにかく簡単な連絡方法が選り取り見取りのこの時代に、よくもまあ……いったいどんな性格してんねん?
と、母親のわたしが思いっきり首をひねる今日この頃。

しょうがないので、旦那の仕事が終わるのを待って、ミツワとトレーダージョーズとコリアンマーケットをはしごショッピングし、
家に戻ってから、3人用のベッドを作り、部屋のプチ模様替えをし、Tの連絡を待ちました。
…………………………思いっきりシーン。
いつ着くのか、夕飯をどうするのか、とにかく着くまでに連絡しなさい。
Tの携帯の留守電に入れといたんですけどね

明日は、旦那のいとこのエミリーがフィラデルフィアマラソンで走るってんで、旦那は応援に出かけるために、めちゃ早く起きなければならないのに、みんなに一言挨拶したいからって待ってるのに……。
頭にきたのでシャワーに入りました。すると、シャワーカーテンが汚れているのが目に入り、ゴシゴシシャカシャカ掃除し始めちゃって、ほんま、いったい何やってんのわたし……。

明日はマンハッタンで焼き肉(ニューヨークの友達と)、明後日はミツワに買い物。明々後日はライオンキング鑑賞、
そやし金足らんから貸して、クリスマスに返すから。あ、水曜だけここで食えるかも(T達は木曜に大学に戻る予定です)。

ふぅ~んだっ!いっぱい買ってきたのにさ。別に珍しくもな~んもないいつものおかずやけど、いろいろ作ったろと思てたのに。

まったく、息子なんかつまらんつまらん
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3大車会社

2008年11月22日 | 世界とわたし
なかなか情けなかったですね。CNNの、台所の後片付けをしながら時々観るニュースでの、自動車大手3社の首脳さん達。

ワシントンの米下院金融委員会の公聴会に、3人ずらりと並んで議員達と対面してはりまして、
議員の方は自分の次の選挙のことなんかもあるからかもしれないけど、まあほんま、キツいというか皮肉たっぷりというか、言いたい放題の意見と質問をガンガン浴びせ、
観てるわたしはどうかというと、前々から同じようなことを思てたので、ええぞええぞ~もっと言え!もっとやれ!とすっかり野次馬状態。

わしらは天下の3大車会社の親玉じゃ。
わざわざここまで来たったんじゃ。
そやからごちゃごちゃ言うとらんと、さっさと金貸さんかい。


ここでちょっと、その時の様子を書いた記事を見つけたので入れておきます。

ビッグ3首脳に議員「自家用機売ったら?」…公聴会【ワシントン及川正也・毎日新聞】

米自動車大手3社(ビッグ3)首脳に対する19日の米下院金融委員会公聴会で、
公的支援を求める立場の首脳らが一般の民間機ではなく自家用ジェット機(プライベートジェット)で米連邦議会のあるワシントンに乗り付けたことが、議員からやり玉に挙がった。

民主党のアッカーマン議員は「まるで高帽子にタキシード姿で貧困者が並ぶ給食施設に現れたようなものだ」と皮肉り、
「民間機のファーストクラスや(自家用機でも)乗り合いで来られないものか」とあきれ顔。

同党のシャーマン議員は「今すぐジェット機を売り払って、帰りは一般の民間機を使おうと思う人は手を挙げて」と質問した後、
反応を示さない首脳らを見渡して「だれもいないようだね」と冷めた目を向けた。

大企業の首脳らは安全上の理由などで自家用ジェット機を使うことが多いが、
議員の間には、会社経営に失敗しながら税金を無心してくるなら「態度で示したらどうか」とのいら立ちがあるようだ。

ブルームバーグによると、最大手ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長の07年の報酬は約13億7300万円、
フォード・モーターのムラリー社長は約20億6900万円と高額。


ついこないだまでの、常識を激しく逸脱していた生活が、彼らの人間としての、何かとても大切なものを壊したんでしょう。
3人とも、揃いも揃って、とんでもなく馬鹿に見えました。

会社のことは知りません。一所懸命に頑張っている多くの社員や作業員の人達が必死に支えてきたはずです。
でも、こういうアホ連中が1番上に立っていて、そのすぐ下に位置する人間がいきなり賢いはずもなく、
そんな輩が何人集まっても、現場の惨状や不満や危機を理解できるわけもなく、
なるべくして、迎えるべくしての危機であり倒産だとわたしは思います。

だいたい、ワシントンに来るだけのために、しかもそれは金の無心のためなのに、3人が3人とも専用機を使ってる。
分かってないっちゅうかなんちゅうか、空気、読めてないっちゅうか、やっぱりアホです。

アメリカがコケる。ボロボロになる。10人に1人が失業する。犯罪が増える。

もっともな予想や話が巷であれこれ言われています。
それらの多くはデタラメでも脅迫でもなく、きっとほんとに起こることだと思います。
でもいっぺん、ここらで一回、リセットするのもいいかもしれない、と思います。
現実世界のリセットはゲームと違ってメチャクチャ厳しいかもしれません。
わたしやわたしの家族が、その真っただ中に生きることになることを考えると、恐ろしくてビビってたりもします。
けれどもいっぺん、これを機会に、ドスンとコケて、傷だらけになって、10人に1人の家族が辛い目に遭って、
あとの10人に9人の家族が、その辛さを分け合い、支え合って、またいつか良い時代を迎えられるように頑張る。
よその国をボカボカに壊したり混乱させたり、やりたい放題をしてきたこの国が、今同じように壊れていると考えれば、
早さに差があるとはいえ、どこの国もそれなりに復活できているのだから、この国だっていつかまた復活できるはずです。

なんて、調子のええこと言いながら、治安がどんどん悪くなって、事件に巻き込まれたりしたらどないしょう、
息子達の就職が全く決まらなかったらどないしょう、
ピアノ習ったり、鍼治療受けたり、そんなことはどうしても必要なことでもない部類のことで、仕事が減ったらどないしょう、
こんなクソ寒いとこで住んでるのに、石油がとうとう限定配給制になったらどないしょう、
支え合うどころか、みんなギスギスぴりぴりして、滅茶苦茶生きにくくなって、それが10年も20年も続いたらどないしょう、ほんでもってええと、あれやこれやetc……

まあ、これが小市民たる者の哀しい性なんでしょうね



 
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漢方だぁ~!!

2008年11月22日 | ひとりごと
今朝起きて台所に行く手前の部屋に、旦那の漢方を煮詰める匂いが強烈に漂っておりました。
テーブルの上には、中国版漢方の分厚い本とこれ(↓)がドンと乗っていて……ふむふむ、奴は朝っぱらから勉強してたのね。



さっそく、写真に撮りまくってみました。
名前も、効用も、な~んも知らないので、ただただご紹介です。
初期の老眼&近眼&乱視のわたしが、裸眼で撮る写真……すんません、ピンぼけ多いっす

















↓煮詰めた後の漢方さん達。お役目ご苦労さまです



こんなシンプルな袋いっぱいに詰まっています。知識と経験……深いです……

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いつかきっと

2008年11月22日 | 家族とわたし
今夜は雪が降って-7℃になる予報が出ていましたが、雪は降らず、気温も-5℃ぐらい。ま、寒いことは寒いですが……。

珍しいことですが、昨夜に引き続き、家のことでお世話になったエージェントのデブラへのお礼ディナーに出かけました。
今夜はギリシャ料理のレストラン。旦那のオフィスがあるビルディングの1階にできたレストランです。
満席で、人の話し声が充満していて、そうなるとわたしは英語の聞き取りがかなり難しくなるので、食べ終わる頃にはすっかり疲れてしまいました。
デブラも一緒に家まで戻り、うちのキッチンでゆっくり、お茶と、なにか甘い物を食べることにしました。

デイヴのガールフレンドとしての彼女しか知らなかったので、こうやってゆっくり話していると、ゆるりゆるりと彼女の暮らしや家族のこと、生い立ちなんかが分かってきます。
彼女には成人した娘と息子がいて、息子のことで、とうとうなにも心配することが無くなったことがとても嬉しいという話が出て、旦那もわたしも興味津々、いろいろと詳しく聞かせてと頼みました。

彼女の息子は基本的に学校にあまり熱心に行く生徒では無かったようです。
高校をやっとのことで卒業し、学費の高い大学に入ったものの、
別に真面目に勉強する様子でもなかったので、彼女は学費の支払いをストップしました。
彼は家に戻り、近所のコミュニティカレッジに行き始めましたがそれも続かず、また別のカレッジに行き再び挫折。
心機一転の機会になればと旅行に出て、そこで知り合った女性に心底惚れて、彼女に導かれるように看護士の学校に入学。
けれども、大学卒業の資格が必要だったので、精力的にクレジットを取り、看護士資格の取得のための4年間もクリアし、
インターンの訓練中に麻酔科の手伝いをしたところ、認められ、麻酔医としての勉強を3年間みっちり頑張ったそうです。
彼女にいいところを見せたいがために、彼はがむしゃらに勉強し働き、今は立派な麻酔医として働いているそうです。
彼と彼女は結婚し、今も互いに愛し合い、一緒に暮らしていることが嬉しくってたまらないそうです。

生きる指針をしっかり持ち、最良のパートナーと子供と共に幸せに暮らす32才の息子。
そんなふうに嬉しそうな子供の様子を知るのが、母親として1番の幸せかもしれません

なんてことを言いながらうなづき合っている所に、Kが帰ってきました。
おお~、なんというグッドタイミング
Kをキッチンに呼び、まあちょっと話を聞きんしゃいと、無理矢理椅子に座らせました。
デブラの話は、とても具体的で、Kの今の、ゆらゆら揺れている心の琴線に触れたようです。
Kの瞳が2、3度キラキラっと光ったのを見て嬉しかったです。

僕は、どんな形でも方法でもいいから、人を助ける仕事に就きたいんです。
そして、もちろん、その仕事で暮らしを賄えるよう、それ相応の収入も得られることも大事だと思っています。
僕は、人の喜ぶ顔を見るのが、とても好きなんです。

そんなことが言える彼を、わたしはとても誇りに思います。
ただまあ、お風呂使ったら、マンガ本とかシャンプーとか、そこらへんに置きっ放しにしないでよね。
ヒゲを整えるのはいいけど、周りに散らばった細かい毛を流して、シェービングクリームを元の場所に戻してよね。
それからあんたの部屋、なんとかしなはれ~

Kは明日、ゲーム仲間10人に、日本のカレーライスを作って食べさせてあげるため、材料をいっぱい買ってきました。
材料費を皆で割って出してもらうので、別に損はしないけれど得にもなりません。
おまけに、クィーンズにあるその子の家に行くためには、複数の橋を渡らなければならないため、通行料もバカになりません。

Kは小学生の頃から、子供用のお菓子作りの本を見い見い、クッキーやシュークリーム、ライスクリスピートリートなどを作っては、友達にあげていました。
台所の後片付けはもちろんわたし。
でも、彼のその心意気は大事にしたかったので、大目に見て片付けはこちらがしてあげていました。
Kは、そういうことの延長線上で、いつか本当に、人に喜んでもらえる仕事を見つけるのかもしれません。
見つけてからが勝負ですけどね
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日本人とりんご

2008年11月21日 | お家狂想曲
しばらく考えることも見ることもしないでおこうと決めていました。
けれども、まったくゼロにするのではなくて、軽く探し続ける方がいいよと複数の人から言われ、
旦那がまた、エージェントのデブラに物件資料をメールで送ってくれるよう頼みました。
わたし達が資料をフムフムと熱心に読み始めたのは、今からほんの半年前のことですが、
今だに売れ残っている同じ家がとても多いことと、価格が三百万から五百万円下がっていることに気がつきました。
それにしても、とんでもない数の家が売れていません。ショートセールと書かれた家の数もうんと増えました。

わたしはショートセールという言葉を、まるで逆の意味に勘違いしていました。
ショート=短いと思っていて、早く売りたい物件のことなんだなと思っていました。
それが今朝、ふと思い立って、ちゃんと意味を調べてみようとネットを検索したら……、
ショート=不十分な、足りない、の方の意味だったんですね……いや、今更なに言うてんのって感じですが。

なぜそんなことを調べてみようと思いたったか。
それは昨日、うちから少し離れた所にある、前々から好きだった隣町の通りに、我々の予算よりかなり高いのだけれど、部屋が9部屋もある物件を見つけ、見るだけ見ようということで中を見せてもらいに行ったからなんです。
その家の紹介にはショートセールにかかっているという意味の、クロージングという但し書きが書かれてありました。
先程にも言ったように、ショートの意味をはき違えていたわたしは、こりゃ急いで見せてもらう方がいいなと思いました。



かわいい、こじんまりした家です。
古くてがっしりとした日本紅葉が家の両側にあり、真っ赤な、乾燥して丸まった葉っぱが前庭にいっぱい落ちていました。
家の中に入るとびっくり!まだ人が居ました。
この家は、うちから少し歩いた所にある室内サッカー競技場で働く、イギリスからやって来た若者の寮になっていて、
キッチンと居間と食堂以外の6部屋それぞれに、若い男の子達が住んでいるようでした。

ここに限らず、どこの国でも、片付けない若者ってのはいるのだろうけれど、いやあ、ど迫力のばばちさです。
こりゃゴキブリやらネズミやらの天国だわ……食べ物カスをはじめ、得体の知れないブツなどがそこら中に散らばっています。
そしてなんといっても匂いがキツい!。それぞれの好みのコロンやら香料やら……もうクラクラしてしまいました。
キッチンのガスコンロは、思わず記念に写真を撮りたくなるほどの惨状、トイレの便器もさもありなん。

けれども、地下にある3部屋は、旦那の治療室とオフィス、それからテレビ部屋兼Kのゲーム部屋にバッチリな構造、
外からの出入りも直接簡単にでき、バスルームと洗濯室もあり、わたし達の生活様式に完璧に合います。
1階にピアノを置いて、2階の寝室3部屋を適当に使うこともできます。
家は大き過ぎず小さ過ぎず、後ろの庭も頃合いのサイズ、ガレージには2台の車が入り、ドライブウェイにも数台置けます。
車がごくわずかしか走らない通りなので、旦那の患者やわたしの生徒も、路上駐車が簡単そうです。

なんて盛り上がってしまったけれど、提示されている売値は我々がなんとかできる予算より六百万も高いのです。
まあ無理だろうと99%はあきらめつつ、ショートセールの家がどんなふうに売られるのか調べてみました。


ショートセールとは、住宅ローンの支払いが滞りそうになったり、滞り始めた家の持ち主が、
差し押さえになる前に、ローンの貸し手である銀行に相談し、ローンの借金額よりも低い値段で、家を売りに出している物件。
銀行にとっては、赤字。
持ち主はまだ物件の中に住んでいる場合がほとんどだが、
買い手が購入オファーを入れた場合、交渉は持ち主を素通りし、ローンを持っている銀行とすることになる為、
オファーしてから、だいたい2週間から1ヶ月、オファーに対する返事を待たされることが多く、
急いで話をまとめたい買い手には、避けたい物件。


我々の場合、待たされるのは全くかまわないので問題は無いのだけれど、
もともとローンの借金額より低い値段で売りに出している銀行に、さらにまけてよと交渉するってことになり、
赤字を抱えてくさっている相手に、さらに追い討ちをかけてどうするのさ、ですよね。

でもまあ、こんなご時世です。駄目もとで、いっぺん言うてみたらどう?ということになりました。
デブラも、「まあ、99.99%は相手にされないだろうけど、でも、ほら、世の中ひっくり返ってるからさ、誰かがうっかり、ああ、もうそれでええわってサインしちゃうかもしれないから」なんて、メチャクチャ無責任です。

で、わたしはというと、サイズ的にはかなり理に適っているし、中身も好きな所はいっぱいあったのですが、
あの汚さと傷の多さが……とブツクサ言ってたら、
「あ~もう、そ~ゆ~とこが日本人!」と旦那。
「スーパーのりんごとちゃうねんからさあ。器の中身が自分達に合ってることが大事で、外見なんか後からゆっくり磨いたり修理したりしたらきれいになるねん。日本人は、まず見た目がきれいかどうか、それにこだわり過ぎ!つまらんこと考えるのはやめ!」

ええ、ええ、そうですよ。中身が大事、なんて口では偉そうなこと言うてても、スーパーの野菜や果物の陳列棚の前で、長々と時間をかけて、新鮮で、美味しそうで、しかもきれいなのを選んでますよ。
りんごも栗も大根も三度豆も椎茸も。
だって日本人だもぉ~ん
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