ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

とうとうこの日がやってきました。

2008年11月04日 | 世界とわたし
なのに、市民権を持っていないので投票できません

この国で、市民権を持つ人と持たない人の違いは何かというと、投票できるかできないかぐらいでしょうか。
ここに来て1週間後には、わたしも息子達も社会保障番号が記載されたカードをもらい、車の免許を取り、まるでここで生まれ育った人間みたいな顔して暮らしています。
なので、投票権が無いことをちょっぴり残念に思うことが4年に1度あるだけで、今まではあまり気にしていませんでした。
でも……今回のこの選挙に、自分の1票が投じられない無念さったらありません。
実はものすごく悩んだんですが、やっぱり日本が重国籍を認めない国である限り、とても難しい選択になってしまいます。

ついさきほどまで、ずっとテレビにかじりついて、チャンネルサーフィングをしていました。
政治を茶化すのでお馴染みのコメディセントラルやサタデーナイトライブ特別編、普通のニュース番組、その他いろいろ、
いくら数字を並べられても、%がどうの、ポイントがどうのと同じような説明を何回聞いても、まだ不安です。困りました
こういう、なにかはっきりしないのだけれど、不安でたまらなくなる症状の人が最近すごく増えているそうな……。
わたし達があえて見ないようにしてきた、自分達が押し込められていた世界の暗さに、今初めて気がついたのでしょうか。

選挙権を持つ旦那は、いつもの通りいつもの時間に寝ちゃいました。
開票が行われる日の夜も同じ。朝のニュースで分かるやんと、とても冷静です。

今日、独りでテレビの前のソファに座り、家猫と一緒に布団を被りながら観ているうちに、ふとこんなことを思いました。
わたしって、ただの感激したがり屋

フットボールや野球の試合を球場まで観に行っても、必ず興奮して大声を出すわたしを、冷や~っとした目で見る男組3人衆。
息子達はしまいには、わたしからかなり離れた席に座るようになってしまいました。恥ずい、とか言って……。
盛り上がったり感動したりするのが好きですね、やっぱり。
そんなわたしが、こんな大きな、歴史的な、アメリカが変わり(希望的観測ですが)、世界がホッと胸を撫ろす瞬間を、寝る時間だの、明日の仕事に差し支えるだの、翌日の新聞読んだらすべてが分かるだの、そんなこと言うてられまっかいな

というわけで、独りワクワクドキドキしながら、手のひらを猫のお尻に置いて気を落ち着けながら、ちょいと夜更かししました。

日本とは14時間ずれているけれど、そんなんどぉ~ってことありません。
明日、旦那は2~4時間待ちを覚悟で投票の列に並ぶそうです。
あちこちで、6時間、10時間と待って投票している人のニュースが流れています。
ニュースキャスターは、念のため、食事や簡易椅子、それから本などを持って投票に行くよう呼びかけていました。
わたしも明日、旦那と一緒に列に並ぶつもりです。建物の中には入れないけれど、投票をする人達と同じ時を過ごしたいと思っています。

明日の晩は、8年前、そして4年前の晩のように、キッチンの小さなテレビの前で「NO~!!!」と大声で叫ぶわたしがいませんように。神様、仏様、ご先祖様、どうかお守りください。
コメント (3)
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