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ジョン・ル・カレ『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』

2007-12-02 17:10:37 | ノンジャンル
 ジェフリー・ディーヴァーの推奨本としてジョン・ル・カレの「ティンカー、テイラー、ソルジャー,スパイ」を読みました。本のカバーにあるあらすじは「英国諜報部〈サーカス〉の中枢に潜むソ連の二重スパイを探せて---引退生活から呼び戻された元諜報部員スマイリーは暗黒の領域に分け入る困難な任務を託された。情報によれば、この二重スパイは彼のかつての仇敵、ソ連諜報部のカーラに操られているという。スマイリーは〈サーカス〉の記録を遡り、関係者の証言を集め、複数の容疑者を洗いあげていく。やがて彼が見いだす意外な裏切り者の正体とは? 敵味方の区別もつかぬ灰色の世界に展開するスマイリーとカーラの凄絶な頭脳戦。二人の宿命の対決を描きスパイ小説の頂点を極めた三部作の第一弾!」
 何と面白そうじゃないですか! 期待に胸膨らませて読み出しましたが、なかなか話が進まなくてじれったい。あまりにも話が詳細に及び、読んでて疲れてしまうんですね。訳者の文体もこなれてなく、誤字が目立ち、それも読みにくい原因の一つになっていると思います。
 全部で38章からなっているのですが、物語りの発端となる英国諜報員の報告が10章以上も続き、この段階で私は嫌になって読むのを止めてしまいました。'86年に文庫本の初版が出ている古い小説なので、当時はこうしたぐずぐずした展開が普通だったのかもしれませんが、ジェフリー・ディーヴァーのスピーディーな小説に慣れている私たちの世代にとっては、最後まで読むにはかなりの耐久力が必要であるように思いました。そうした小説でもついていける方には、面白い小説なのだと思いますので、試しに読んでみたらいかがでしょうか?