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フレデリック・ワイズマン監督『パブリック・ハウジング』

2010-03-01 18:57:00 | ノンジャンル
 バンクーバー・オリンピック終わりましたね。思っていた以上にのめりこみ、また見ていて多く泣いたオリンピックでした。選手の皆さん、結果が出せた人にも出せなかった人にも、ありがとうと大きな声で言いたい思いです。

 さて、フレデリック・ワイズマン監督・製作・編集の'97年作品「パブリック・ハウジング」を川崎アートセンターで見ました。シカゴ郊外の居住者のほとんどが黒人である公共住宅の日常を追ったドキュメンタリーです。
 住民団体の会長が空き部屋に人を入れるように電話で交渉しています。路上に目的もなくいる女性を追い払おうとする警官。住宅開発局の住民向けの説明会。家族保護センターによる説明会。爆竹を家に投げ入れられた住民団体の会長を落ち着かせる警官。机でキャベツをむしっている老女と、彼女の部屋の水漏れを修理する男。自分たちを見て逃げたとして二人の男の身体検査をする二人の警官。床屋の様子。麻薬更正センターでカウンセリングを受ける男と医師。盗品らしい冷蔵庫を持ち出そうとしていて逮捕される二人の男。避妊具の説明を受ける若い女性たち。キング児童センターでの様子。子供の日に屋外でダンスして楽しむ子供たちと女性たち。ケネディ・キング高校で、公共住宅出身でNBAの選手となり、現在政府の住宅局で働く男性が会社を起こすための講座への参加を促す演説をして、映画は終わります。
 ここでも長いシーンの後は必ず屋外の短いショットの連なりがある構成となっていました。キング児童センターの子供たちのシーンにだけ、カメラを意識する場面がありましたが、それ以外はこれまでの映画と同じようにカメラを全く意識していない生々しい表情が映し出されていました。ドキュメンタリー映画が好きな方には特にオススメです。