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ジャ・ジャンクー監督『世界』

2010-03-19 21:34:00 | ノンジャンル
 蓮實重彦先生が本「映画崩壊前夜」の中で絶賛していた、ジャ・ジャンクー監督の'04年作品「世界」をDVDで見ました。
 北京郊外にある、ピラミッドやエッフェル塔など世界遺産を縮小して再現してある世界公園でショーのダンサーとして働くタオ。以前の恋人がモンゴルに行くというので会いに来ると、今の恋人のタイシェンが駅まで送っていきます。タイシェンは以前の恋人に嫉妬してタオとケンカしますが、すぐに仲直りし公園のアトラクションを二人で楽しみます。ロシア人のダンサーたちが加わり、タオはそのうちの一人アンナと親友になりますが、アンナは次の仕事に行かなければなりません。タイシェンは縫製工場のオーナーのチュンと親しくなります。高級クラブのパーティに誘われたタオは、トイレでホステスをしているアンナと再会し、二人は抱き合って号泣します。タイシェンは幼馴染みで工事現場で働くサンテイをタオに紹介し、タオとサンテイが話している上を妹の住むウランバートルへ向かうアンナを乗せた飛行機が飛んで行きます。サンテイが事故にあったというメールがタイシェンに届き、サンテイは知り合いにしていたわずかな借金をタイシェンに告げてから死にます。北京にやってきたサンテイの両親は無表情のまま、会社から渡された札束をしまいます。同僚の結婚パーティで浮かれるタオとタイシェン。世界公園は正月特番に取り上げられることになって重役は喜びます。そしてチュンはパスポートが取れて夫がいる香港に旅立ちます。ハネムーンで留守になっている同僚の部屋で会っていたタオとタイシェンは一酸化中毒で運び出されますが、「おれたちは死んだのか?」というタイシェンの声に「これは新しい始まりよ」とタオの声は答えるのでした。
 ここでも登場人物たちは並んで話すシーンが目立ちました。撮影が素晴らしく、特に夜のシーンは近未来を思わせる不思議な光景でした。携帯にメールが届くと必ずそこからアニメになるのも面白く見ました。見ごたえのある映画です。オススメです。