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上橋菜穂子『獣の奏者 ?探究編』

2010-03-30 12:45:00 | ノンジャンル
 上橋菜穂子さんの'09年作品「獣の奏者 ? 探究編」を読みました。
 かつて唯一人の王獣使いだったエリンは現在夫イアルと8才の息子ジェシとともに平和に暮らしていましたが、闘蛇が大量死した原因を究明するために、リョザ王国の大公シュナンの命を受けたヨハルとともに大量死の現場に向かいます。二人はいくつかの事実をつかみますが、そこでリョザ王国を侵略しようとしている東の国・ローザの刺客に襲われます。イアルとジェシも襲撃を受け、危険から逃れるために家を出て、エリンを探す旅に出ます。一方、過去に王獣と闘蛇が闘った時に起きた惨事の詳細を知るために、神々の山脈をめざしたエリンは、濁流を泳いで渡ろうとして溺れますが、ちょうど彼女に追い付いたイアルが彼女を助けます。二人は話し合った結果、王宮に出頭し、エリンは大公に請われていた王獣の軍隊を作る代わりに、自分が王獣について知ったことは他の人間に漏らすことなく、すべて真王のセイミヤに学びとってほしいと言い、その申し出はシュナンとセイミヤに受け入れられます。一方イアンは、現在対立している真王側の勢力と大公側の勢力を結び付けるため、元真王側の兵士であった自分が大公側の闘蛇乗りになることをシュナンに申し出るのでした。
 次作への舞台作りとしての役割を果たす部分でしたが、十分読みごたえがあり、複雑な背景の説明も非常に効率良くされていて、最後まで楽しく読めました。第4巻の完結編が楽しみです。なお、あらすじの詳細は私のサイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)の「Favorite Novels」の「上橋菜穂子」の場所にアップしておきましたので、興味のある方は是非ご覧ください。