昨日NHK・BS2で今話題のTGCを見ました。上野千鶴子さんが言う通り、プレイメイトのポーズとまったく同じである男を誘う仕草をするモデルたち。そしてそれに嬌声を上げる女性たち。不思議な空間でした。
さて、本「顰蹙文学カフェ」の中で山田詠美さんが真面目に言葉遊びやってる一番おもしろい種類の小説だと言っていた、高橋源一郎さんの'02年作品「官能小説家」を読みました。
朝日新聞に連載小説を書いている高橋源一郎は、いきつけの文壇バーで森鴎外に出会います。彼は向こうの世界の短調さに辟易してこの世で新作を書きたいので編集者を紹介しろと言います。やがて鴎外は気紛れからAV男優になりますが、今度は夏目漱石が現れ、しばらくすると彼がリーダーとなって明治時代の文豪たちがバーに勢ぞろいし、各出版社の新人賞を総なめし、漱石の「新明暗」もベストセラーになります。そんな中、源一郎は作家以外の食いぶちを探したりしながらも何とか連載小説を書き終えると、漱石はすべてを元に戻して本来自分たちがいなくてはならない世界に戻ることにし、源一郎は未来に希望を抱きます。一方、明治時代の一葉は小説の手引きを半井桃水に受けて衝撃的なデビューを果たし、一時文壇から遠ざかった後自分の性生活を赤裸々に語った問題作で復帰したにも関わらず評価は今一つだった鴎外は、病気の漱石から朝日新聞の連載を譲られ「官能小説家」という題で連載を始めます。漱石の仲立ちで対談した一葉と鴎外は恋に落ちますが、桃水との三角関係から一葉が自殺未遂を起こし、桃水と鴎外は和解するのでした。
実際にはユーモラスな現代の話と「純文学」している明治時代の話が交互に章立てされていて、最後の章でそれが重なり入れ子状態があいまいになって面白い効果を上げていました。現代の話の方は楽しく読めましたが、鴎外をAV男優にしてしまったり、石川啄木を路上の色紙売りにしてしまったり、実在の人物にこれだけのコラージュを施して叱られないのかと要らぬ心配をしました。一方明治時代の話は心理描写を読むのに疲れ、後半は飛ばし読みしてしまいました。源一郎さんの本はこれからも機会を見つけて読んでいこうと思います。変わった小説を読みたい方にはオススメです。
さて、本「顰蹙文学カフェ」の中で山田詠美さんが真面目に言葉遊びやってる一番おもしろい種類の小説だと言っていた、高橋源一郎さんの'02年作品「官能小説家」を読みました。
朝日新聞に連載小説を書いている高橋源一郎は、いきつけの文壇バーで森鴎外に出会います。彼は向こうの世界の短調さに辟易してこの世で新作を書きたいので編集者を紹介しろと言います。やがて鴎外は気紛れからAV男優になりますが、今度は夏目漱石が現れ、しばらくすると彼がリーダーとなって明治時代の文豪たちがバーに勢ぞろいし、各出版社の新人賞を総なめし、漱石の「新明暗」もベストセラーになります。そんな中、源一郎は作家以外の食いぶちを探したりしながらも何とか連載小説を書き終えると、漱石はすべてを元に戻して本来自分たちがいなくてはならない世界に戻ることにし、源一郎は未来に希望を抱きます。一方、明治時代の一葉は小説の手引きを半井桃水に受けて衝撃的なデビューを果たし、一時文壇から遠ざかった後自分の性生活を赤裸々に語った問題作で復帰したにも関わらず評価は今一つだった鴎外は、病気の漱石から朝日新聞の連載を譲られ「官能小説家」という題で連載を始めます。漱石の仲立ちで対談した一葉と鴎外は恋に落ちますが、桃水との三角関係から一葉が自殺未遂を起こし、桃水と鴎外は和解するのでした。
実際にはユーモラスな現代の話と「純文学」している明治時代の話が交互に章立てされていて、最後の章でそれが重なり入れ子状態があいまいになって面白い効果を上げていました。現代の話の方は楽しく読めましたが、鴎外をAV男優にしてしまったり、石川啄木を路上の色紙売りにしてしまったり、実在の人物にこれだけのコラージュを施して叱られないのかと要らぬ心配をしました。一方明治時代の話は心理描写を読むのに疲れ、後半は飛ばし読みしてしまいました。源一郎さんの本はこれからも機会を見つけて読んでいこうと思います。変わった小説を読みたい方にはオススメです。