ピアノの師匠順子先生の中村屋でのモーツアルトのコンサートは、毎年1月に開催され、今回で20回目になります。20回目は、中村屋のオーナーの念願だった、ケーゲルシュタットトリオKV498が演奏されました。クラリネット、ビオラ、ピアノという見慣れない楽器の組み合わせです。
モーツアルトは当時、新しく生まれたばかりのクラリネットを使った曲を手がけました。優れたクラリネット奏者のためと言われています。
吹奏楽でおなじみのクラリネットですが、我々は意外に知らないことがいっぱいあります。ほとんどのクラシックのクラリネット奏者は、A菅とB♭菅の両方使い分けしてい演奏します。この理由を説明すると長くなるので別の機会にします。また、長く吹いていると水滴が出るので、布を用意してこまめに拭かなくてはいけません。クラリネットの譜面は、楽譜通りの音を出したら、違う音が出ますので、クラリネット用に移調した譜面になっているのです。
モーツアルトは、新しい楽器であるクラリネットに、ビオラとピアノが合うと直感的に感じたのかもしれません。
この曲はとっても華やかです。特に第3楽章は終わりに近づくにつれて、もう終わってしまうのかと思うと寂しくなりました。それぞれの楽器の音色が十分に生かされていたり、それぞれの楽器どうしが共鳴し合うような感覚があります。このトリオの特徴は、いつも伴奏的な役割をするピアノが主役の部分があります。
中村屋のオーナーは20回目にしてやっと実現しましたと、感慨無量の様子でした。
もう一つ注目だったのは、モーツアルトがプラハに行った時に、滞在したお屋敷の主人に頼まれて一時間で作った曲KV509です。
モーツアルトの才能が十分開花して、円熟期に当たる時期でした。踊り出したくなるような楽しいリズミカルな舞曲に仕上がっています。一時間で仕上げるなんてやはり天才です。
師匠の第一回目のKV1の演奏も、私は聴かせていただきました。あれから20年が経過したんですね。来年はどんな演奏が待っているのでしょうか。楽しみです。
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