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「米国の歴史において現大統領や大統領候補、著名な政治家が攻撃や銃撃、暗殺の対象になることは珍しくない」とし、「前大統領の参加する政治集会で、セキュリティ措置が取られていたにもかかわらず・・・

2024-07-16 | アメリカの常識は世界の非常識

「トランプ銃撃は米国の民主政治に絶望したため」

登録:2024-07-16 08:07 修正:2024-07-16 10:07
 
 
14日、北京市内のショッピング街の大型スクリーンに、米国のトランプ前大統領の銃撃事件のニュースが映し出されている=北京/AFP・聯合ニュース

 中国官営メディアは米国のトランプ前大統領の銃撃事件について、「米国の民主政治に絶望したため」と評した。

 中国官営の環球時報は15日、「米国政治、暴力と両極化の悪循環」と題する専門家の論評を通して、トランプ前大統領銃撃事件は「現在の米国の直面する政治的ジレンマと国家統治の重大な危機をはっきりと示している」と伝えた。この論評は、北京大学国際政治経済研究センターの王勇主任によるもの。

 王主任は、「政治的両極化が政治暴力へとつながるのは、米国社会でますます多くの人が米国民主政治に対して絶望しているため」だとし、「立法や選挙では自分たちの要求と関心事は解決できないと判断し、競争者を傷つけたり邪魔したりする暴力的な解決策を模索している」と分析した。

 官営グローバル・タイムズも14日、中国の専門家の話を引用して「米国の歴史において現大統領や大統領候補、著名な政治家が攻撃や銃撃、暗殺の対象になることは珍しくない」とし、「前大統領の参加する政治集会で、セキュリティ措置が取られていたにもかかわらずこのような事件が発生したことは、米国でまん延する銃器の問題と、その問題の解決がどれほど難しいかを示している」と指摘した。人民大学のチョウ大明教授は、「今回の選挙は前職と現職の大統領の対決であり、本質的に米国の異なる2つのビジョンの衝突」だとし、「このような対決は米国社会をよりいっそう分裂させ、より多くの暴力的な爆発を誘発しうる」と評した。

 中国外務省も14日に記者との問答のかたちでウェブサイトに掲載した文章で、「中国はトランプ前大統領が銃撃事件の被害にあったことに注目している」とし、「習近平主席はトランプ前大統領にお見舞いを伝えた」と述べている。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 
 
 
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裏金事件にとどまらず、今、自民党政治は、暮らしと経済、平和と外交、ジェンダー平等をはじめ人権、あらゆる面でどん詰まりに陥っています。新しい政治への転換が求められているのが、今の情勢です。

2024-07-15 | 世界の変化はすすむ

2024年7月15日(月)

日本共産党創立102周年記念講演会

いま日本を変える歴史的チャンス―暮らし・平和・人権、そして未来社会

幹部会委員長 田村智子

 日本共産党の田村智子委員長が13日に党本部で行った党創立102周年記念講演は次の通りです。


 会場のみなさん、オンラインでご参加のみなさん、こんにちは。日本共産党創立102周年記念講演会にご参加いただき、ありがとうございます。そしてまた、4人のみなさんから大変温かい激励のメッセージをいただいたことにも心から感謝申し上げます。改めまして、田村智子です。初めての記念講演で、少々緊張していますが、心を込めてお話ししますので、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

都知事選挙について

写真

(写真)講演する田村智子委員長=13日、党本部

 まず、7日に行われた東京都知事選挙についてです。自民党政治への国民の怒りに応え、また都政を変えようと、蓮舫さんが勇気をもってチャレンジし大奮闘されたことに、心から敬意を表します。猛暑のなか奮闘されたみなさん、ご支援いただいたみなさんにも、心から感謝と敬意を表するものです。

 結果は残念なものでしたが、市民のみなさんと心を通わせてたたかう選挙となったことは、今後につながる大切な財産になると思います。先日、蓮舫さんが、応援した国会議員の事務所を訪ねてお礼に回られました。私も直接お話しし、健闘をたたえましたが、「共産党の応援に心から感謝している。『ひとり街宣』が広がったことは、新しい民主主義への一歩だと思っている」と元気に話されていました。その通りだと思います。

 この選挙からどういう教訓を引き出すか、都民のみなさんの声に耳を傾けて、ともに選挙をたたかった市民と政党のみなさんと、率直に議論をしていきたいと考えています。

 自民党は、都知事選挙では姿をあらわすこともできず、都議補欠選挙で8選挙区で候補者を立てましたが、2議席獲得にとどまり、議席を後退させました。このことをみても、自民党への強い怒りがはっきりと示されたことは明らかです。

 私たちが候補者を立ててたたかった都議補欠選挙では、どこも前回の得票を大きく伸ばしています。特に、板橋区では、立憲民主党の都議、社民党の区議、そして市民のみなさんが最初から最後まで一緒に街頭に立って応援し、板橋区での過去最高の得票で、下村博文元文科大臣が応援する自民党候補者に肉薄しました。

 私たちは、政治を変える力は「市民と野党の共闘」にあり、日本共産党を伸ばすことにあると確信していますが、きょうの講演のテーマにある通り、自民党政治を変える歴史的チャンスの情勢が、この選挙でも示されたと、このことをまず強調したいと思います。

裏金事件。自民党の本性があらわになった

 今年、これまでに行われた選挙では、自民党が候補者を出せない、あるいはわが身を隠さなければ選挙をたたかえないという事態となっています。裏金事件への国民の怒りは、決しておさまっていません。しかも、スキャンダルへの怒りというにとどまらず、裏金の温床である企業・団体献金を禁止すべきという世論が多数になったことは、大変重要です。

 30年前、政治腐敗への国民の怒りを小選挙区制導入にすりかえ、企業献金を温存する偽物の「政治改革」が、当時の非自民政権と自民党の談合によって強行されました。この時、これに真っ向から反対を貫いたのは日本共産党だけでした。それ以降、わが党は、企業・団体献金禁止の法案を、繰り返し提出しつづけてきました。先の国会で、これが国民多数の世論となり、初めて他の野党からも禁止法案が提出されました。いまや拒否するのは自民党だけとなったことは、わが党の歴史的奮闘の先駆性を鮮やかに示すものです。

 自民党は、世論がどれほど強まろうとも、裏金事件の真相究明にも、企業・団体献金の禁止にも、一歩も踏み出すことはできません。財界・大企業に政治資金を提供してもらい、その目先の利益のために貢献する、それが自民党の姿だからです。

 こうした自民党の本性を暴き、窮地に追い詰めているのが、日本共産党だと、胸をはって知らせていこうではありませんか(拍手)。「しんぶん赤旗」日曜版の決定的スクープ、国会での追及、地域で「しんぶん赤旗」を配達し、対話や宣伝にとりくむ党員のみなさん、後援会や読者のみなさん、まさにみんなで、国民の世論を広げ、自民党を追い詰めています。

 ここで終わったことにしたら、裏金議員をはじめ自民党を喜ばせるだけです。組織的犯罪である裏金事件の真相究明、そして、企業・団体献金の全面禁止、政党助成金制度の撤廃へ、さらに世論と運動を広げていこうではありませんか。(拍手)

講演のテーマについて

 裏金事件にとどまらず、今、自民党政治は、暮らしと経済、平和と外交、ジェンダー平等をはじめ人権、あらゆる面でどん詰まりに陥っています。新しい政治への転換が求められているのが、今の情勢です。

 2012年12月に自民党が政権に返り咲いてから、今年で12年。安倍・菅・岸田政権によって、自民党政治がいまどういう地点にあるのか、そして、日本共産党は政治と社会をどう変えようとしているのか、暮らし・平和・人権そして未来社会についてお話をいたします。

1 暮らし・経済―アベノミクスがもたらした“どん詰まり”。「暮らし応援」の「経済再生プラン」で政策の転換を

「生活が苦しい」が過去最悪の6割―アベノミクスの12年の結果

 まず一つ目に、暮らしと経済です。「何より、暮らしに希望がほしい」、みなさんの実感ではないでしょうか。今、政府が発表するさまざまな調査は、私たちの暮らしがかつてないほどに苦しくなっていることを示すものばかりです。

 今月、厚生労働省が発表した「国民生活基礎調査」では、「生活が苦しい」が59・6%、統計が始まった1986年以降、最悪となりました。内訳をみると、高齢者で59%、18歳未満の子どもがいる世帯では65%、どちらも前の年から10ポイント以上も増えていて、物価高騰で「もう節約も限界。なんとかしてほしい」という悲鳴が聞こえてきます。

 「生活が苦しい」という実態はどういうものか、東京都内で10年以上、街頭での食料支援や生活相談に取り組み続けている、谷川智行さん――医師で党中央の政策委員会副責任者でもあります、この谷川さんにお聞きしました。

 ――コロナ危機の前は、食料を受け取りにくるのは、住居を失った方がほとんどだった。最近は、圧倒的に、仕事がある、住まいがある、保険証がある、けれど長期にわたる賃金の低迷、年金カット、そこに物価高騰で、きょう、あすの食事に事欠くという方々が増えている。派遣で働く40代の女性は収入が安定せず、国民健康保険料は何とか払っているが、生活がとても苦しく、体調が悪くても病院には行けない。「今後のことを相談しましょう」と持ちかけるが、「今は何も考えられません。毎日生きているだけで精いっぱいです」と、毎週、食料やマスク、ばんそうこうなどを受け取って帰られる。次の支援につながればと祈るような思いで渡している――お話を聞いて胸が痛くなる事例ばかりです。

 食料支援の現場からは、物価高騰の影響があまりに大きいという声が、どこでも聞かれます。なぜ物価高騰が止まらないのか。アベノミクスの「異次元の金融緩和」が、異常円安をもたらしていることが最大の要因です。エネルギーも食料も輸入に依存しているために、異常円安が食料品、電気・ガス料金の高騰に直結しています。

 何よりも今の深刻な生活苦の根本には、実質賃金が減り続けているという大問題があります。実質賃金は、1996年をピークに年74万円も減っていますが、2012年から23年でみても33万6000円も減少しています。そして、2度にわたる消費税率の引き上げで17・3兆円、人口で割れば、国民1人あたり13万9000円も消費税負担が増えてしまった。かつてない生活苦は、まさにアベノミクス以来12年の自民党政治の結果なのです。

大企業と富裕層に巨額の利益が流れ込んだ

 一方で、大企業と富裕層はどうでしょうか。大企業の純利益はアベノミクスからの10年間で3倍(12年→22年)、内部留保は178兆円増えて511兆円。日本の大資産家、上位40人の資産は、12年間(12年→24年)で、7・7兆円から29・5兆円へと3・8倍にも膨れ上がりました。

 例えば、トヨタ自動車は、今年3月期決算で5兆円の利益です。史上最高益を更新し続けています。このうち2兆円が配当などで株主に回る。一方で、賃金総額は46億円増えただけ。賃金に回ったのは、利益に対して0・09%、1000分の1、ほとんど見えないほどということになってしまいます。

 それでは会長である豊田章男氏の役員報酬はどうでしょうか。前年比6割増の16億2200万円。つまりは60%の賃上げということになります。豊田会長は大株主でもあるので、これ以外に配当を17億6000万円、あわせて33億8000万円を1年間で受け取っています。

 下請け企業にはどうでしょうか。トヨタは、24年度に、取引企業への支払いを3000億円増やすと言いますが、これに対して、日本商工会議所の小林健会頭が次のように述べています。

 「本当はその実もうけの中に、経費として下請けに値増し分を払ってやる分が1兆円ぐらいあってしかるべき」「大企業活動のコストとして必要なコストとしてあらかじめ入れておかないとおかしい」――後から払うんじゃない、最初から1兆円ぐらい中小企業に渡る分だったじゃないか、こういうお話ですね。日本商工会議所は、経済3団体の一つですが、小林会頭の指摘は全くその通り、私も同感だとお伝えしたいと思います。(拍手)

 今月5日、トヨタの子会社が下請法違反で行政指導を受けました。下請け会社6万社に対して不当な費用負担を強い、賃上げの阻害までしていたということです。となれば、そもそもが、中小企業から搾り取った利益ということではありませんか。

 安倍・菅・岸田政権の12年、大企業の内部留保、富裕層の所得や資産へと巨額のお金が流れこみ、ためこまれ続けています。その一方で多くの国民が、生活苦に追い詰められ、中小企業も苦しんでいます。こんな不公正でゆがんだ状態を、自民党政治は変えようともしません。変える策もありません。まさに“どん詰まり”状態に陥っているのです。

「トリクルダウン」(大企業の利益優先)から「ボトムアップ」(暮らし優先)への大転換が、経済再生・暮らしに希望の道

 日本共産党は、このどん詰まりを打開しようと、昨年9月「経済再生プラン」を打ち出しました。(1)政治の責任で賃上げと待遇改善をすすめる――人間を大切にする働き方改革、(2)消費税減税、社会保障充実、教育費負担軽減――暮らしを支え格差をただす税・財政改革、(3)気候危機打開、エネルギーと食料自給率向上――持続可能な経済社会への改革。この三つの改革を柱とした政策提言です。党中央のホームページにも全文が載っていますので、ぜひお読みください。

 ここでは、どういう立場での政策なのかをお話しします。アベノミクスは、「まずは大企業をもうけさせること。そうすれば、賃上げにつながる」という、典型的な「トリクルダウン」(利益がしたたり落ちる)という政策です。2013年アベノミクスが始まったときの国会論戦を振り返ると、日本共産党は「政治の責任で賃上げが必要」だと繰り返し求めましたが、当時の安倍首相は「何が足りなかったかと言えば、思い切った金融緩和」あるいは「成長戦略で、企業収益を向上させ、雇用拡大や賃金上昇という好循環をもたらす」という答弁に終始しています。まさに「トリクルダウン」です。

 しかしどんなに待っても、したたり落ちてこなかった。もう失敗を認めて、「ボトムアップ」――暮らし最優先の経済政策に転換しよう、というのが「経済再生プラン」です。

 アベノミクス以降増えた大企業の内部留保に課税して、中小企業への直接支援として賃上げにそのお金を回す新たな仕組みをつくる、最低賃金1500円、ケア労働者の賃上げを政治の責任でなど、大幅賃上げの現実的な政策を提案しています。

 税金の集め方、使い方も同じ考え方です。アベノミクスは、大企業に減税しながら消費税を増税しました。大企業の税金の負担が軽くなれば経済が活性化して、いずれ暮らしに回る。そのために国民の家計に負担を増やしても仕方がない、ここでも「トリクルダウン」です。これを転換して、利益を大きく増やし巨額の資産をつくった大企業と富裕層に、応分の負担をしてもらい、消費税を減税する。教育費の負担を軽くし、社会保障を充実する。「暮らしの応援」という「ボトムアップ」こそ、国民の切実な願いに応え、格差と貧困をなくしていく。同時に、経済を活性化させるという改革提言になっています。

 また、再生可能エネルギーを大幅に増やし、エネルギー100%自給の戦略をもつ。そして、食料も「いくらでも輸入できる」という時代は終わった、3割台に落ち込んだ食料自給率を、早く50%に回復させる戦略をもち、農業・畜産・酪農の危機を打開することも柱にすえました。

 明日に希望がみえてくる経済政策ではないでしょうか。私たちは今、各地でシンポジウムや懇談にとりくんでいますが、大阪では、関西の経済団体に「経済再生プラン」を届けて懇談したところ、共産党が真剣に日本の経済のことを考えていることに共感が表明されたということです。

 日本の経済の現状をどうにかしたいというのは、経営者も同じではないでしょうか。大企業にとっても、投資にも賃金にも回らず内部留保が膨張し続けるというのは、健全な企業経営ではないでしょう。お金は生きた経済に回らなければ、新たな富を生み出すこともありません。しかし、一つひとつの企業では身動きがとれない。だからこそ、ゆがみをただし、経済を再生させる政治の転換が求められているのではないでしょうか。

職場のたたかい、各分野の運動を広げてこそ実現できる

 それでも、政治の転換には、妨害・抵抗があるのが世の常です。国民的な運動、たたかいのなかにこそ、「経済再生プラン」実現の希望があります。私たちは、今とりくまれている運動・たたかいに連帯して、それを、政治を変える力につなげていく決意です。

職場のたたかい――闘う労働組合とともに

 賃上げ・労働条件の待遇改善は、なんといっても職場のたたかいがあってこそ実現します。今、日本でも世界でも、闘う労働組合、ここに注目と期待が寄せられていることをご存じでしょうか。

 アメリカの自動車産業の労働組合、全米自動車労組(UAW)は、昨年、米国ビッグ3の自動車メーカーの主要工場で、大規模なストライキをたたかいました。7週間に及ぶストライキをたたかったといわれています。「経営トップの役員報酬は4年間で40%増えている。ならば労働者の賃金も4割アップを」と要求をかかげ、4年半で20~30%の大幅賃上げを勝ち取ったのです。このたたかいは世界の注目を集め、多くの労働者に勇気を与えています。

 実はこのストライキの先頭に立ったショーン・フェイン委員長が、全労連にビデオメッセージを送っていて、私も全労連のユーチューブチャンネルで見てみましたが、実に感動的なメッセージです。5分30秒を超えるメッセージですが、その一部を紹介します。

 「米国の地から、みなさんの春闘を注視し、公正な経済を目指す闘いに連帯します」「大企業の強欲はとどまるところを知らず、世界中のどこででも1ドルでも多く労働者から搾取しようとします」「人間性を求める私たちの闘いは国境を超えてつながっています。資本に国境はありません。労働者にも国境はないはずです。職場と家庭でより良い人生を実現するために立ち上がっている全労連と労働者のみなさんに、UAWが連帯していることを誇りに思います。みなさんの闘いは私たちの闘いです。みなさんが歩む道は私たちの歩む道です。企業経営者に目にもの見せてやりましょう」

 実に熱いメッセージですね。こうしたメッセージが届いたのは、全労連を先頭とした春闘が、ストライキも構えて大幅賃上げを勝ち取ろうとしている、そのことが、国境を超えて伝わっているからだと思います。

 日本医労連はストライキを正面にすえて春闘をたたかいました。「ストライキによって労使対等になれることを、実感できた」「看護師や医療人だけでなく、患者さんや地域とともに変えていきたい」「看護師の賃上げだけを要求するのではなく、すべての労働者の底上げが必要」――看護師をはじめ病院の職員のみなさんがストライキに団結するというのは、相当な勇気も決断も求められるものだと思います。たたかいの中で、自分の生活のためだけでなく、労働者全体のため、患者さんや地域のため、連帯し団結することが大切だと語られていることに、敬意を表し連帯したいと思います。

 非正規で働くみなさんが、職場の違いを超えて労働組合に結集して、非正規春闘がたたかわれたことも大きな激励になっています。また、公務職場の労働組合に、非正規の職員が結集して、理不尽な雇い止めをやめろと声をあげています。このもとで、ハローワークなど国家公務の職場で起きている、非正規は3年で機械的に雇い止めという国の方針がついに見直されました。この見直しは自治体にも波及するでしょう。私も国会で、その仕事が継続しながら、その人が必要とされているのに機械的に雇い止めをするのかと、何度も取り上げてきました。公務職場の労働組合のみなさんとたたかいとった一歩を、とてもうれしく思います。民間も公務も、人生を細切れにするような雇い方を規制し、明日に希望が持てる安定した働き方を保障する、それでこそ安心してスキルアップもできるのではないでしょうか。(拍手)

 職場のたたかいに連帯して、人間を大切にする働き方への改革を実現していこうではありませんか。(拍手)

若者たちの新たな運動――学費値上げ反対、 学費半額・無償化へ

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(写真)田村智子委員長の講演を聞く人たち=13日、党本部

 暮らしをめぐる各分野の運動にも大いに連帯したいと思います。その一つが、大学学費値上げに反対し、値下げと無償化を求める青年・学生の運動です。

 5月中旬、東京大学で現在の授業料53万5800円の2割、11万円近い値上げが検討されていることが大きく報じられ、学生のみなさんは、すぐに反対の声をあげました。学生自治会のアンケートをはじめ、多くの学生が、学生投票、学内集会、国会での集会などに立ちあがり、値上げの検討を断念するよう迫っています。当初、6月にも値上げが発表されるのではないかとみられていましたが、学生たちの運動でこれを許していません。昨日の報道では「11月までに決定される予定」とのことですが、値上げ撤回へ、学生たちの運動へエールをおくろうではありませんか。(拍手)

 学生のみなさんがどういう思いでこの運動に立ち上がっているのか、教養学部学生自治会発行の「学費問題を考える」というパンフレットには、行動を起こした学生たちの思いがたくさんつづられています。「東大だけの問題でも国立大学だけの問題でもない。歯止めを今かけなければ、他の大学も追随するだろう」、「同じ大学で、同じ教室で、同じことを学んでいるのに、何百万円の借金を背負って卒業する学生と、一円も借金を背負わずに卒業する学生がいる。私はこの事実をどう受け止めていいかわかりません」――学生たちの真剣な議論が伝わってきます。

 それに対して自民党や政府の中の議論はどうでしょうか。今、自民党の中でも文科省の審議会でも、大学の国際競争力を確保するためには、教育・研究費を増やさなければならない、だから、学費値上げが必要という議論が出てきています。しかし、自民党政治は、国立大学の運営費交付金を1割以上削減し、物価高騰で大学から悲鳴があがってもまともに予算を増やすことさえしていません。こんな政治を続けながら、学生に頼ろうというのは、あまりにも情けない議論ではありませんか(拍手)。こんな議論をしているから国際競争力、教育や研究、世界から立ち遅れているのではないでしょうか。(拍手)

 日本の高等教育への公費負担はOECD(経済協力開発機構)諸国でワースト2。学生が学費のために深夜バイト、子育て世代が生活を切り詰める、若い世代が奨学金という借金を総額10兆円も背負っている。こういう国に未来があるのか。学生たちに連帯して、教育予算の大幅増で、ただちに授業料半額、無償化へと政治を転換する大きな運動を起こしていこうではありませんか。(拍手)

 社会保障が暮らしの安心になるように、また農業、気候危機など、あらゆる分野で要求が強まり、運動が広がっています。要求の一致点で連帯し、ともに運動を広げたいと思います。同時に多様な要求を、自民党政治を終わらせて新しい政治へ転換する国民的な運動へとつなげていくために、力を尽くそうではありませんか。

 たたかいと一体に政治を変えることが求められています。来たるべき総選挙では、財界・大企業の利益最優先の政治をもとから変える、日本共産党をどうか躍進させてください。どうぞよろしくお願いいたします。(大きな拍手)

2 平和―強権政治で「平和国家」のあり方を根底から壊す暴走。憲法9条にもとづく平和外交を進める日本へと転換しよう

集団的自衛権の行使容認から10年。立憲主義も「平和国家」のあり方も破壊する暴走に日本共産党が立ち向かっている

 二つ目に、平和についてです。いま、南西諸島をはじめとしたミサイル配備、全国の自衛隊基地の「強靱(きょうじん)化」、米軍と自衛隊のかつてない規模での軍事演習など、「戦争の準備」としか言いようがない事態が進んでいます。

 この始まりは、安倍政権による、2014年の集団的自衛権行使容認の閣議決定です。日本は攻撃を受けていないのに、海外でのアメリカの戦争に参加し、米軍を支援するため自衛隊が武力を行使できる――憲法9条に反することは誰の目にも明らかです。ところが安倍政権は、閣議決定で憲法9条の解釈を百八十度変えてしまった。そして2015年、この閣議決定にもとづき、集団的自衛権行使のための法整備、安保法制が強行されました。

 2022年12月、岸田政権は「安保3文書」で、集団的自衛権を行使できる自衛隊へと、自衛隊の装備と組織をつくりかえる方針を示し、そのために2027年度までに軍事費を2倍化することを、これも閣議だけで決定しました。

 敵基地攻撃能力の保有――日本から相手の国の領土を攻撃・破壊するために長射程ミサイルを大量に配備する。これまでは、相手の国まで攻撃することは「専守防衛に反し、憲法違反」としていたものをかなぐり捨てました。最新の戦闘機を他国と共同開発し、第三国にも輸出できる――国際紛争を助長しない、だから武器輸出はしないという、憲法にもとづく「平和国家のあり方」とされてきたことも投げ捨てて、武器産業で経済成長ということまで言われています(「死の商人だ」の声)。「死の商人」、その通りです。

 さらに、陸・海・空の3自衛隊それぞれの司令部の上に、統合作戦司令部をつくる――4月の日米首脳会談での合意にもとづいて、自衛隊を米軍の指揮・統制下に深く組み込み、日米一体で敵基地攻撃能力を運用する体制をつくろうということです。米軍の統合防空ミサイル防衛(IAMD)は先制攻撃を柱としています。IAMDについての公式文書では、「同盟国の主権の一部を切り離させる」とまで書いてあります。日本の主権まで米国に差し出そうというのでしょうか。

 2014年の閣議決定で、憲法解釈を勝手に変えたことが、どこまでも憲法をふみにじるタガがはずれた暴走政治を引き起こし、戦後の日本のあり方が土台から崩されるところまできています。

 この暴走に断固として立ち向かっているのが、私たち日本共産党です。野党であるならば、立憲主義の回復という立場にたって、自民党政治の暴走に決然と立ち向かうべきではないのか、この場からも訴えたいと思います。(大きな拍手)

憲法解釈を変える政権は、政治的モラルさえ失った

 憲法解釈を平然と変える政権は、どこまでも堕落し、最低限のモラルさえも失っています。森友・加計・桜を見る会に見られた政治の私物化、検察人事への介入、日本学術会議の会員任命拒否、防衛省・自衛隊の組織ぐるみの違反・不正も明るみに出ました。そして沖縄への強権政治です。

 自民党の政権復帰の直後、2013年1月、沖縄は、普天間基地撤去・県内移設断念を求め、県内すべての市町村長とすべての議会の議長が署名した「建白書」を安倍政権に提出しました。その後も、県知事選挙・国政選挙、県民投票で何度も、辺野古に米軍基地はつくらせないと民意を示しました。しかし、安倍・菅・岸田政権は、米軍辺野古新基地建設をひたすら強行しています。民主主義も地方自治も踏みにじってはばからない政治は、ついに、米兵による性的暴行事件を隠蔽(いんぺい)するところまで、モラル崩壊を起こしている――このことを厳しく指摘しなければなりません。(「その通り」の声、拍手)

 昨年12月、16歳未満の少女に対する誘拐・性的暴行という重大な米兵の犯罪が起きたにもかかわらず、日本政府は沖縄県に通報せず、6カ月後に地元メディアの報道によって明らかとなりました。沖縄県議会の質疑で、2023年以降、米兵による性的暴行事件は5件発生したのに、すべて通報されていなかったことも判明しました。

 私も先週、外務省・防衛省を呼んで、「なぜ沖縄県に通報しなかったのか」と直接、問いただしましたが、こともあろうに「被害者のプライバシーに配慮した」という説明が繰り返されました。プライバシー保護は当然です。しかし政府がやったことは、被害者ではなく加害者である米兵と米軍を守ったに等しいではありませんか。(「そうだ」の声)

 そもそも米兵犯罪の通報制度がなぜつくられたのか。1995年、当時小学生の少女に対して米兵の性的暴行事件が起き、沖縄に怒りが燃え上がったからです。県民のすさまじい怒りのもとで、米兵の犯罪を迅速に関係自治体に通報するためにつくられた制度、それを日本政府が壊し、性的暴行事件を隠蔽した。断じて許されません(拍手)。なぜ沖縄県に通報しなかったのか、全容が解明されなければなりません。

 16歳未満の少女への誘拐・性的暴行事件が発生したのは、昨年12月24日、その4日後に、政府は、辺野古新基地建設をめぐり、玉城デニー知事から権限をとりあげ、埋め立てを強行する「代執行」を決定。今年4月、日米首脳会談で、日米同盟強化を確認し、沖縄へのミサイル配備や基地強化を押し付けることを公然と掲げ、5月17日、アメリカのエマニュエル駐日大使が、軍用機で与那国島と石垣島へ行き、自衛隊基地などを訪問。軍用機の使用中止の沖縄県の要請は無視されました。5月26日、またもや米兵による性的暴行事件が発生、その11日後に、沖縄県議選告示。辺野古新基地建設を進めるためには、自民党など県政野党が議席を伸ばすことが求められていました。

 一連の政治日程をみれば、在日米軍への沖縄の怒りを広げるわけにはいかない、だから米兵による重大な犯罪をいずれも隠蔽したのではないのか――こうした重大な疑惑を指摘せざるをえません。(拍手)

 憲法解釈を変えて恥じない自民党政治は、日米同盟強化のためには何をやってもよいというモラル崩壊を起こし、ついに国民の命と安全、女性の尊厳よりも、日米同盟を優先するところまで落ちぶれた。

 米軍基地があるために、沖縄でどれだけの命が犠牲になり、どれだけの女性や子どもの人権が蹂躙(じゅうりん)されてきたのか。これは沖縄だけの問題ではありません。「オール沖縄」の不屈のたたかいに連帯しようではありませんか(大きな拍手)。強権政治に断固たちむかい、辺野古新基地建設の中止、普天間基地閉鎖・撤去、基地のない平和で豊かな沖縄を返せと全国で声をあげていこうではありませんか。(大きな拍手)

「オール沖縄」の不屈のたたかいも、市民と野党の共闘も、強権政治への怒りのなかで生まれた

 日米同盟強化にひた走る自民党政治は、その理不尽さゆえに、強権政治への怒りを広げ、そのもとで「オール沖縄」の不屈のたたかい、そして、市民と野党の共闘が生まれました。

 2015年9月19日、安保法制が強行されたその日に、私たち日本共産党は中央委員会総会を緊急に開き、集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回、安保法制の廃止、この一致点で、国民連合政府をつくろう、そのために市民と野党は共闘しようと呼びかけました。この呼びかけは、連日連夜、国会に駆けつけた方々、全国で安保法制反対の声をあげた方々の「野党は共闘」という声にこたえたものでした。

 市民の皆さんとともに築いた「市民と野党の共闘」は、自民党を震え上がらせるほどの力となりました。だからこそ、すさまじい妨害や攻撃が絶えず起きています。それでも、市民のなかに「立憲主義を守れ」「野党は共闘」の声は決して絶えることはありません。私たちも決してあきらめません。

 あらためて心から呼びかけます。2014年の集団的自衛権行使容認を一大契機に、自民党政治によって、憲法がこれほど蹂躙されているいま、「立憲主義を守れ」の原点に立って、市民と野党の共闘を再構築しようではありませんか。(大きな拍手)

「東アジア平和提言」に、共感が広がり、平和運動の発展の力に

 いま日本が直面しているのは、どうしたら戦争の心配のない東アジアをつくることができるか、ということです。軍事同盟強化一辺倒では、軍事対軍事の悪循環のエスカレーションに陥っていきます。私たちは、日本の外交として、憲法9条を生かし、ASEAN=東南アジア諸国連合と協力した平和外交を行うよう求めています。

 4月17日、国会内で、志位和夫議長が「東アジアの平和構築への提言――ASEANと協力して」を講演し、21カ国から大使や外交官、日本の外務省、他党の国会議員も参加して大きく成功しました。(冊子を掲げ)これもこのようにパンフレットにまとめられています。ぜひお読みください。参加した外交官の方々からは、一政党が平和をテーマに、国際社会にも開かれた講演を行うのか、驚いた――こういう声とともに、「国際政治の中でどう平和を構築するか、包括的な話を聞くことができた」「理想を掲げつつ現実的なアプローチをとっていることに共感した」など、熱い共感が寄せられています。大変うれしいことです。

 この「東アジア平和提言」をもって、緒方靖夫副委員長がヨーロッパや中国を訪問しています。今もヨーロッパにおられます。

 5月、フランス共産党主催のパリ平和国際会議では、緒方さんがこの提言を紹介したことに対し、外交問題の研究者の方々から、「ASEANという地域共同体に着目して、その平和の役割、すでに存在している東アジアサミットの活用という着想には考えが及ばなかった。ASEANを視野に入れて世界を見ることは必要だと感じた」。あるいは、「世界の分断とブロック化に反対する明確なメッセージが提言にある。ウクライナ戦争をどう終わらせるかという重大な課題にとっても役立つ普遍性をもつテーゼだ」など、スピーチを終えた緒方さんに次々と感想が寄せられたといいます。

 中国への訪問は、上海の復旦大学日本研究センターの招きに応えたもので、「日中関係および東アジアの平和と発展」と題して基調報告を緒方さんが行いました。日中両国関係では、わが党が昨年3月に発表した「日中両国関係の前向きの打開のために」の提言を紹介しました。その内容は「東アジア平和提言」に盛り込まれています。日本と中国は、2008年の日中首脳会談で、「互いに脅威とならない」と合意しています。尖閣諸島の問題では2014年の日中合意で、「尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていること」について日中が「異なる見解を有している」と認識し、「対話と協議」を通じて問題を解決することを確認している。さらに日中両国が参加する多国間の枠組みとしては、双方が東アジアサミットに参加し、「ASEANインド太平洋構想」(AOIP)を支持している。こうした合意や一致点を互いに尊重して、日中両国関係の前向きの打開をはかる外交努力が必要だ――こういう立場で緒方さんは話しました。そのさいに、尖閣問題、台湾問題では、「東アジア平和提言」で表明したわが党の立場を率直に話しました。先方からは、尖閣諸島、台湾問題について中国の立場が表明されました。この点では双方が異なる意見を述べた、ということです。同時に、「互いに脅威とならない」など、日中両国政府に存在する共通の土台に着目して両国関係を前向きに打開するという「東アジア平和提言」「日中提言」の提起に対しては、全体として肯定的な受け止めが語られ、こうした率直な議論を続けていくことになりました。

 中国に対して言うべきことは言いつつ、両国間に存在する共通の土台を大切にして、両国関係の前向きの打開、日中両国と両国民の友好のために、道理にたって冷静な平和外交の努力をつくしている政党、それが日本共産党だということを強調したいと思います。

 私たちの「提言」は机上、机の上でつくったものではありません。日本共産党は、1990年代から、ASEANが「紛争の平和的解決」を明記する東南アジア友好協力条約(TAC)を基盤にして、平和の地域をつくろうとしていることに注目してきました。そして、ASEAN諸国への繰り返しの訪問やアジア政党国際会議(ICAPP)への参加などの野党外交にとりくんできました。とりわけ、昨年12月の東南アジア3カ国訪問で、最新のとりくみを学んできたことは、「東アジア平和提言」を作成するうえで大きな力となりました。

 私も昨年の東南アジア訪問に参加しました。インドネシアの首都、ジャカルタにあるASEAN本部は大きな二つのビルで、ここにASEAN10カ国から外交官が派遣され、ワンチームで仕事をしているのだと考えるだけで、そのスケールの大きさに感動しました。

 ラオス出身のエカパプ事務局次長が、日本からようこそと迎えてくれましたが、最初は、日本からの経済協力・海洋協力の重要性を強調する話でした。その大切さはわかるのですが、これはどういう面談になるのだろうかという思いになりました。共産党に投資の大切さということをお話しされて、どうなるのかなという思いだったんですね。ただ考えてみれば、日本政府は、ASEANとの関係では経済ばかりに目を向けているので――これ自体はASEANが重視している柱の一つなんですが――、日本から来た政党も同じだと、こういうふうに思われていたんだと思うんです。しかし、当時の志位委員長が、ASEANの平和構築の努力に注目しているんですよと、こういう話をすると、エカパプ氏の話がパッと発展したんです。そこからが本当にフレンドリーな踏み込んだ対話になったと実感しました。ASEANが、「平和」と「経済」の両面で関係強化に努めているという姿がよく理解できるやりとりでもありました。

 エカパプ次長は、ASEANの国ぐには互いに家族だ、家族のなかでトラブルが起こることもある。だからといって排除や外からの力で解決することはしない。家族が結束して、粘り強い対話を重ねて、時間がかかっても一歩ずつ問題を解決するんだと、こう話されました。これが包摂だということを実感しました。国家体制も経済力も、宗教や文化も異なる10カ国が、多様性を尊重し、対等・平等の立場で対話を重ね、みんなが合意できる一致点を見いだしていく。それは時間がかかる。しかし徹底した対話を積み重ねていけば武力衝突には絶対にならない。対立や分断も生まれない。あの国は気に入らない、問題があると言って排除や敵対するのではなく、地域のすべての国ぐにを包摂し、平和的共存のためにどこまでも努力する。これがASEANが実践している外交です。これこそ憲法9条が求めている外交であり、そういう日本外交をぜひとも実現したいと、心から思います。(大きな拍手)

 今、私たちの「提言」を契機に、今月24日には全国革新懇などがシンポジウムを、8月の原水爆禁止世界大会ではフォーラムが企画され、草の根から東アジアの平和構築をはかっていこうという新しい運動が始まろうとしています。立場の違いをこえて、市民の運動を広げ、平和外交に踏み出せと日本政府に求めていきたいと思います。

 「東アジア平和提言」は、軍事同盟の是非についての立場の違いを超えて、緊急にとりくむべき内容になっています。軍事同盟のもとでも実現可能な提案ということです。同時に、「日米同盟絶対」という流れが支配的なもとで、こうした「提言」を打ち出せるのは、日本共産党がアメリカいいなりから脱却するという日本の政治改革を目指しているからだということを強調したいと思います。

 戦争への道にキッパリ反対を貫くとともに、世界の道理にたって平和の対案を示し、その実現のために行動する党――日本共産党を総選挙で伸ばすことこそ、日本とアジアの平和をつくる最大の力となることを心から訴えたいと思います。(大きな拍手)

 

3 ジェンダー平等―人権後進国から先進国へ

人権をめぐる巨大な前進。 世界の流れに逆行し孤立する自民党政治

 ジェンダー平等、人権をめぐって、日本でも世界でも大きな前進が始まっています。

 同性婚を認めない法制度は憲法違反という札幌高裁の判決、旧優生保護法は憲法違反であり国家賠償を命じた最高裁判決、「生理の貧困」のとりくみ、痴漢ゼロの運動、子どもの権利への注目、また、外国人の人権を軽んじる出入国管理制度に対して、若い世代が声を上げ続け、個人の尊厳を掲げた大きな連帯も生まれています。

 しかし、こうした前向きの変化に対して、安倍政権以降の自民党政治は、妨害・サボタージュを続け、世界の流れにも逆行した孤立した姿を示しています。

ジェンダー平等・個人の尊厳を求める大きなムーブメント

 なかでも自民党の孤立が鮮明になっているのが、選択的夫婦別姓制度への妨害です。先月10日、日本経団連が「夫、妻、おのおのが希望すれば、生まれ持った姓を、戸籍上の姓として名乗り続けることのできる制度」、つまりは選択的夫婦別姓の早期実現を政府に求めました。長年の女性たちの運動、国民の運動で、経済界も大きく変わったのです。

 私も、先の国会最終盤の党首討論、持ち時間4分で、このことを岸田首相に示して、選択的夫婦別姓に踏み出そうと迫りました(拍手)。岸田首相は、経済上の問題が起きているということは認めた。ところが、「家族の一体感に関わる問題」だから議論が必要といって、結局、棚上げにする姿勢に終始しました。

 すでに日本には、事実婚の家族、夫婦で異なる名字の家族は、何百万も存在しています。何か問題があるとでもいうのでしょうか。家族のあり方は、それぞれの家族の営みのなかでつくるものであって、政府に指図されるいわれはありません(大きな拍手)。別姓か同姓かどちらかを選ばせてほしいという要求に対して、「家族の一体感」といって、圧倒的に女性が名前を変えている現状を続けようとする、それは、夫の家に妻が入るのだから女性が名字を変えるのが当たり前という、明治時代の「家制度」に根ざした古い価値観を壊したくない、ただそれだけのことではないでしょうか。

 今週の「しんぶん赤旗」日曜版の1面、見出しは「経団連に聞いてみた」です。選択的夫婦別姓の提言について、赤旗記者が経団連を訪問して取材する――いまや時代は大きく変わっています。変わってないのは自民党。立場の違いを超えた連帯と運動で、特定の価値観を押し付けるな、多様な家族を法的に認めろと求めていこうではありませんか。(大きな拍手)

 男女賃金格差の是正では、女性たちの運動、国民の運動、わが党の国会質問で、企業に男女別の賃金を公表させた、これはとても重要な一歩前進です。公表によって、一般職・総合職という、コース別採用をしている大企業ほど、格差が大きいということがわかってきました。

 先日、男性が大半の総合職だけ利用できる社宅制度は、一般職の女性社員への間接差別だと断罪する判決が確定しました。間接差別を男女雇用機会均等法違反とする、初めての判決です。AGC(旧旭硝子)の子会社を訴えた女性は、総合職の男性社員と変わらない仕事をしていました。総合職に転換してほしいと希望すると「転勤できるのか」と突き付けられ断念していたといいます。しかしあきらめなかった。「これは間接差別」だと、勇気をもってたたかった女性に敬意を表するとともに、この判決を格差是正の力にしていく決意です。(拍手)

 これまでも、「女性は30歳で定年」という早期定年制、これはテレビ局などで女性の容姿は30歳までだと言って、「30歳定年」ということがやられたんです。パートだからという賃金差別、女性の正社員への昇給昇格差別などに対して、多くの女性たちが職場で声をあげ、裁判にも訴えてたたかい、女性への直接の差別を禁止する社会へと変えてきました。しかし、財界と大企業、そして自民党政治は、手を替え品を替え、女性を使い勝手のよい「安上がりな労働力」として、今も利用し続けています。その一番の問題は、形のうえでは平等だが結果として格差がつく間接差別が、日本には今も深刻な形で存在していることを認めようとしないし、理解しようともしないことにあります。こうした考え方のもと、「女性は家事・育児を担うから」「女性は家計を補助的に支えればよいから」、そして男性には「長時間労働・単身赴任をしなければ出世できない」という働き方が押し付けられてきました。「間接差別」への無理解、「性別役割分担」の古い考えを、もう一掃して、差別・格差を当然とする働き方を変える時ではないでしょうか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

 多くの国ぐにが、ジェンダー平等でこそ、個人の尊厳が大切にされるとともに、社会も企業も経済も元気になる、という方向に進み、実際にこれらの国ぐにの経済は、日本よりも大きく成長しています。日本も、ジェンダー平等社会へと本気で変わる時です。自分も大切にしながら働ける、家族も大切にできる働き方、生活を楽しめる賃金と労働時間、将来を見通せる安定した雇用――安心して働けてこそ、能力を伸ばし発揮することができる、そして経済も成長する。日本もこの方向へと転換していこうではありませんか。(大きな拍手)

 日本共産党は、4年前の綱領一部改定で、日本改革の柱に、「ジェンダー平等社会をつくる」「性的指向と性自認を理由とする差別をなくす」ことを掲げました。そのことで、性暴力や性搾取をなくそう、避妊や中絶は女性の権利、LGBTQへの差別解消を、女性の議員を増やそうなど、多くの運動に学び連帯することができました。国会や地方議会でも、ジェンダー平等・個人の尊厳を、日本の政治の中心課題にすえようという努力が強まりました。綱領に太く位置づけたことが、党のなかでもジェンダー平等を進めようという自己改革にもつながっています。こうした努力をさらに進める決意を表明するものです。

憲法制定77年、憲法守れ、生かせのたたかいが社会を変える

 人権後進国から先進国へ、それは憲法を守り生かす政治と一体のものです。

 NHKの連続テレビ小説「虎に翼」で憲法の条文が読み上げられて、それだけで涙が出てきたという方が日本中におられるのではないでしょうか。基本的人権を高らかにうたう日本国憲法の誕生から77年。この憲法が自民党政治によってないがしろにされてきたことで、日本は世界の流れから取り残され、恥ずべき人権後進国になってしまいました。

 「すべて国民は、個人として尊重される」「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」――私たちには憲法があります。この憲法を実現する政治へと転換し、人権先進国へと、ともに進もうではありませんか。(大きな拍手)

 経済、平和、人権で、政治を変える展望をお話ししました。希望ある政治はみえてきたでしょうか。

 ゆきづまった政治を希望の政治へと変える力は、なんといっても市民の運動・たたかいです。あらゆる分野で、要求の一致点での運動を広げて、自民党政治を終わらせる国民的なたたかいへと大きな流れをつくろうではありませんか。(拍手)

 そしてもう一つの力。それは、政治を変える展望、政策を持ち、市民との連帯を何よりも大切にして、どんな困難にも屈せず社会変革をめざす日本共産党が大きくなることです。これが、政治を変える確かな力です。

 来たるべき総選挙にむけて、自民党政治を終わらせる大きな運動をまき起こしましょう。そして総選挙で、日本共産党の躍進を必ず勝ち取らせてください。どうぞよろしくお願いいたします。(大きな拍手)

4 未来社会―資本主義の危機。社会主義・共産主義の展望を語ろう

資本主義の危機。気候危機が日本社会に重大な影響を与えている

 今、世界でも日本でも、資本主義がもたらす害悪が深刻となっています。その一つとして誰もが痛感しているのが、気候危機ではないでしょうか。猛暑、豪雨、海水温の上昇などが、今、暮らしにも経済にも大きなダメージを与えています。

 しわしわのサクランボ、すかすかの大根、白濁したおコメなど、猛暑による農作物の被害が大問題になっています。日本近海での海水温の上昇が、海流を変え、とれるはずの魚が全くとれなくなり、漁業と水産加工に甚大な影響を与えています。災害も多発し、命と暮らしが脅かされています。

 国連(国連・国際防災戦略事務局)の報告によれば、世界で、豪雨など気候変動に関連する災害の被害額は、2017年までの20年間で2・2兆ドル(約350兆円)にのぼり、その前の20年間の2・5倍にもなったということです。

 私たちは、「気候危機打開のための2030戦略」を打ち出して、日本政府に、ただちに二酸化炭素排出ゼロにむけた実効性のある対策をとるよう求めています。同時に、資本主義のシステムのままでよいのか、「もうかりさえすれば、あとは野となれ、山となれ」の「利潤第一主義」から抜け出すことが必要だという声を、今こそ上げていきたいと思います。資本主義をのりこえた未来社会――社会主義・共産主義を求めるのが、日本共産党だからです。

「人間の自由」こそ社会主義・共産主義の目的であり特質

 しかし、社会主義・共産主義には「自由がない」、そんな社会になるのはいやだという声も多く聞かれます。

 今年1月の第29回党大会で、私たちは、「人間の自由」こそ社会主義・共産主義の目的であり特質だということを「三つの角度」から打ち出しました。この大会決定の実践として、4月27日、志位和夫議長が、民青同盟主催の「学生オンラインゼミ」で、「共産主義と自由」をテーマに講演を行いました。さらに、この講演の理論的背景について、6月25日の講義で語られました。志位議長の講演と講義では、マルクスの生涯をかけた大著『資本論』とその準備のための『資本論草稿集』などを研究して、そもそもマルクス、エンゲルスがめざした社会主義・共産主義社会はどういうものだったのか、科学的社会主義の原点に立って明らかにされました。「人間の自由」の全面的な開花、「人間の自由で全面的な発展」、これこそが、マルクス、エンゲルスが未来社会の最大の特質としたものだった、こういう解明です。

 講演を聞いた学生や青年からは「社会主義のイメージが百八十度変わった」。それはそうですよね。“自由がない”と思っていたら、“自由だ”っていう講演ですから。「社会主義・共産主義についてもっと学んでみたい」などの感想が相次いでいます。この講演は『Q&A 共産主義と自由――『資本論』を導きに』という書籍になったばかりです。ぜひ広げていただきたいと思います。

 マルクスは、『資本論草稿集』と『資本論』を執筆するなかで、資本主義的な搾取の秘密を解明していきます。経済のところでお話しした通り、働く人はひどい搾取のもとにあり、その利益は大株主など資本家にため込まれています。まさに「カネ」や「モノ」の強欲な搾取です。しかし搾取されているのは、「カネ」や「モノ」だけなのでしょうか。今の日本の長時間労働をみれば、自分のための「自由な時間」が搾取されている、奪われている、これが多くの人々の実感でしょう。おカネやモノは、取り戻せるかもしれません。しかし、搾取された時間は取り戻すことができません。「資本家は自由な時間、すなわち文明を、横領する」。これがマルクスの告発でした。

 マルクスが、ここに注目していたことは、『資本論』と『草稿集』などに、随所にあらわれています。「自由に処分できる時間」――「自由な時間」こそが、人間と社会にとっての「真の富」だ、万人に十分な「自由な時間」が保障され、「自由で全面的な発展」が実現する社会――ここにマルクスの求めた社会主義・共産主義の最大の真髄があるのです。この点を明らかにしたところに、わが党が綱領と大会決定を土台にとりくんできた「共産主義と自由」論の重要な意義があります。

 7月10日、志位議長は書籍出版についての会見のなかで次のことを強調しています。

 「旧ソ連などでは、マルクスのこの肝心の思想が、未来社会論からまったく消し去られ、封印され、踏みにじられてきました。それは、マルクスの未来社会論を、物質的生産の分野の、しかも生産物の分配のあり方の問題にしてしまい、『人類の未来史からそのもっとも輝かしい部分を切り捨てる、きわめて大きな誤り』(不破哲三さん)でした。私は、この理論的な誤りは、旧ソ連において社会主義とは無縁の抑圧体制がつくられ崩壊にいたったことと、無縁ではないと思います」

 日本共産党の綱領路線は、かつての国際的な「定説」とされたこうした社会主義論を大胆に克服し、マルクスの未来社会論の一番の輝き――「人間の自由」が開花し、人間の「自由で全面的な発展」を可能にする社会――ここに光をあて、マルクスの未来社会論の本来の輝きを現代によみがえらせるものにほかなりません。それは資本主義の深刻な矛盾の深まりのもとで、希望ある人類的未来を照らすことになるものだと確信いたします。

 「自由に処分できる時間」――「自由な時間」を取り戻し、広げよう――マルクスのこの呼びかけは、現代の日本に生きるすべての人たち、とりわけ若い世代のみなさんの心に深く響くのではないでしょうか。

 日本の労働者の労働時間はヨーロッパ諸国に比べて、年間400~600時間も長い。正社員には、残業や休日出勤をやってでも仕事をこなす責任を押し付ける。非正規で働けば、低賃金が押し付けられる――これでは、「自由な時間」を奪われるか、人間らしい生活を支えるお金を奪われるか、どちらかを選べというのと同じではないでしょうか。

 搾取をなくせばどうなるか――賃金は大きく増え、かつ労働時間はぐっと減る。自分のための「自由な時間」、友人や家族と過ごす時間を今よりもずっと多くもつことができます。これは、妊娠・出産・子育てに時間を必要とする女性にとってはもちろん、子どもの養育に共同の責任を負う男性にとっても、劇的な変化をもたらすでしょう。

 「自由な時間」を十分にもてたら、みなさんは、何に使うでしょうか。本を読む、旅行をする、スポーツや音楽を楽しむ、絵を描く、今の仕事とは全く異なることに挑戦することもできるでしょう。自分の内面からやりたいと思えることにたっぷり時間を使うことで、知識や経験が豊富になる、専門分野が深められる、個性や多様な能力が花開く、一人ひとりの人間が豊かに発達する、エンパワーメントする。そういう人間たちがつくる社会はますます豊かに発展するでしょう。それは社会に素晴らしい発展の力をあたえ、人間の発展と社会の発展の好循環がつくりだされるでしょう。

 「自分を大切にして生きたい」「自由な時間をもちたい」――自分勝手でもなければ、封じ込めて我慢しなければならない思いでもありません。人類が成長・発達するうえで、当然の願いであり、この願いに応える社会へと歩むことは、とてもやりがいのある、わくわくするような大事業ではないでしょうか。(拍手)

 社会主義・共産主義――未来社会は、私たちの大きな展望です。同時に、それは「夢に見るはるか先の話」というものではありません。今の自民党政治による暮らし破壊の政治とたたかい、労働でも、社会保障でも、教育でも、ジェンダーでも、資本主義の枠内で人権を守り、暮らしをよくするルールをつくっていくことが、未来社会に地続きでつながっているのです。そういう大きな展望、ロマンのなかに、今のたたかいを位置づけて、ともにたたかおうではありませんか。(拍手)

 ゆとりをもって生活できる収入とともに、もっと「自由な時間」をと堂々と求めていきましょう。現役世代だけでなく、老後の「自由な時間」を保障する年金も求めましょう。ルールなき強欲な資本主義から、人間を大切にする経済社会へと変革し、その先にある未来社会への道を開こうではありませんか。心から呼びかけます。(大きな拍手)

5 時代を変える歴史的チャンス―日本共産党への入党を呼びかける

 今、日本共産党の政策、国民が主人公を貫いて政治を変えようという立場とともに、未来社会と結びついた日本共産党という名前も、魅力となる時代が始まっています。政策も未来社会への展望も、知らせれば知らせるほど、日本共産党への共感や支持を広げることができる歴史的なチャンスを迎えていると、私たちは確信しています。

 自民党政治のゆきづまりは、もうこれ以上、今の政治を続けさせるわけにはいかないというところまできています。日本共産党が強く大きくなって、多くの市民の皆さんと力を合わせ、古い政治の殻を破る、新しい政治、新しい時代へと変えていく歴史的チャンスの時ではないでしょうか。日本共産党に入党していただきたい。最後に心から呼びかけます。(拍手)

 古い政治が限界にきているだけに、自民党や自民党を支えることで利権を手にする人たち、「アメリカいいなり」で日本を軍事大国にしたいという人たちは、国民の暮らしがどんなに犠牲になっても、今の政治にしがみつき、政治をもとから変えようという私たちに激しい攻撃、妨害をしてくるでしょう。私たちにとってのチャンスは、彼らにとっての大ピンチだからです。

 日本共産党の創立から102年、先人たちも、私たちも、こうした攻撃や妨害にさらされながら、新しい時代への羅針盤をもち、どんな困難にも屈しないたたかいで、社会を変えようと歩んできました。党を強く大きくすることで、困難を打ち破ってきました。私たちも今、何よりも党の力をつけて、古い政治の殻を破りたいのです。

 日本共産党員としての人生は、楽だとは言いません。悔しい思いもします。けれど、困難を乗り越えようとするから、仲間とともに成長する喜びがあり、社会の進歩と自分の人生を重ね合わせて生きる喜びがあります。

 戦前、侵略戦争反対を不屈に掲げた日本共産党の先人たちは、激しい弾圧にあいました。逮捕・投獄され、命をおとした先人が何人もいます。「アカ」「非国民」と差別され、「共産党は怖い極悪人」だと偏見にさらされても、信念を貫いた先人たちがいたことが、どれだけ日本の歴史にとって大きな意味を持つか。今日の日本国憲法の平和と民主主義の理念は、戦前から日本の中で切望されていたのだと、先人たちのたたかいとともに語ることができるのです。

 私は20歳で日本共産党に入党しました。アメリカと当時のソ連が核兵器の軍拡競争をしている時代に、日本共産党が「核兵器は廃絶できる」と呼びかけていたからです。核兵器の使用、実験、開発、貯蔵、これらすべてを禁止する国際条約をつくり、核保有国を包囲しようという呼びかけに衝撃を受けました。「無理だ」「理想だ」と言われながら、核兵器廃絶を求める国際署名にとりくむことは、私に未来への希望を持って生きることを教えてくれました。それから時がたち、核兵器禁止条約が誕生した時、時代を拓(ひら)く一人になれたことに心から震えるほどに感動しました。

 今、新しい時代への扉を開く歴史的チャンスの時です。古い政治の殻を、ともに力を合わせて打ち破りましょう。希望の政治を、未来への展望を、ともに学び語り、日本の社会を前へと進めましょう。日本共産党への入党を重ねて心から呼びかけます。

 「ともに歩もう、時代を拓こう」――ありがとうございました。(大きな拍手)

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日本共産党は、この国の歴史の中で一世紀あまりにわたって、労働者、民衆の立場に立ち、その解放をめざして最も早くから活動している政党です。

2024-07-14 | 日本共産党へご協力を!

2024年7月14日(日)

日本共産党創立102周年記念講演会 

ビデオメッセージ

 13日の日本共産党創立102周年記念講演会に寄せられた4人のビデオメッセージを紹介します。

戦争・ヘイト 常に反対

小説家 中島京子さん

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 102周年おめでとうございます。

 「ひとり街宣」をする方がどんどん出てきて最終的には3000人っていいましたかね。本当に新しい空気、新しい景色が見られたなという気持ちがして、結果はすごく残念なんですけど、なにか良い形でこれから生かしていけると良いなというふうに思った選挙でした。

 私は『小さいおうち』という小説、戦前・戦中を舞台にした小説を書いたんですけど、それが出たのが2010年だったんですね。震災の前の年なんですけれども、あの頃と比べると本当にすごく時代が動いて、空気が変わってしまったというのをすごく感じています。

 『やさしい猫』っていう小説を書いたのは2021年のことなんですけれども、それは日本に来て滞在している非正規の滞在の外国人の話なんですけれども、去年、入管法の改正というか改悪というか、そういうものがあったんですけれども、そんなふうに政治がというか国の姿勢が排外主義を容認するというか、お墨付きを与えるような国・法律といったものが、ヘイトを助長してしまうような状況が続いていることを、すごく怖いと思っています。

 やっぱり共産党さんは、そういう意味ではヘイトであるとか戦争になりそうな空気であるとか、そういうことにきちんきちんといつも反対していらした党だと思うんですよね。

 例えば「赤旗」がいろんな不正みたいなものを一番最初に知らせてくれていたりとか、メディアとして「赤旗」への信頼というようなものが醸成されてきたりとか、田村(智子)さんが委員長になられたということもありまして、女性だということもあって私たちにとっては近しいイメージができつつあるという感じがするんですね。

 オープンな感じというか、党以外の人たちにとっても開いている、そういう存在であっていただきたいなと、すごく思っています。頑張ってください。

人間の自由掲げる党と

全労連議長 小畑雅子さん

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 日本のメーデーが今年104年を迎えたことを考えたとき、日本共産党の102年は常に労働者の人間らしく生き、働きたいとの要求を実現するたたかいとともにあったと感じています。

 いま政府・財界は一体となって、労働者が人たるに値する生活を営むための労働条件の最低基準を定めた労働基準法を解体する、恐ろしいたくらみをすすめようとしています。労働基準法は憲法27条に基づいて、たとえ労使が合意しても下回ってはならない労働条件の最低基準を定めたのみならず、労使に基準を上回る労働条件づくりの努力義務を課しています。労働条件を決めるにあたっては、労使は対等とされ、そのために憲法28条は、労働者に労働基本権、団結権、団体交渉権、団体行動権を保障しているのです。

 ところが現在進められている、この議論は「労使自治」「労使コミュニケーション」の名のもとに、労使合意が取れれば「デロゲーション」という規制を逸脱し、基準を下回ってもよいという仕組みをつくろうとするものです。労働者保護の要であり、労働者が長い時間をかけて獲得してきた、労働時間、働き方にかかわる基準を解体しようとするこうしたたくらみを決して許すことはできません。

 私たちの要求は、労働者に生活時間、自由な時間を取り戻し、誰もが家族的責任を果たしながら、生き生きと働き続けることができるように、大幅賃上げ、底上げと一体に労働時間をさらに短縮していくことです。効率優先で労働者に自己責任を押し付け、格差と貧困を広げる新自由主義社会から脱却し、個人の尊厳、法の下の平等、両性の本質的平等すなわちジェンダー平等など、日本国憲法が掲げる理念が全面的に保障される社会を実現することが求められています。

 そのために、人間の自由があらゆる意味で豊かに保障され、開花する社会をめざし、新たな一世紀に向かい、力強い歩みを続ける日本共産党のみなさんと協力、共同し、労働者の要求実現の取り組みをすすめていきたいと思っております。

「困った時は共産党」や

作家 アルテイシアさん

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 102周年おめでとうございます。私と共産党の出合いは3年前に、地元の友人が鉄道会社に痴漢対策の強化を要請したけれどゼロ回答だったことがきっかけです。

 その後、その友人は神戸市東灘区でたまたま街宣中だった松本のり子さん(神戸市議)と、きだ結さん(前兵庫県議)に出会って「鉄道会社がやる気なくて困っている」と相談しました。そこからお二人が、鉄道会社に要請に行き、議会でも痴漢対策の強化を兵庫県警に要請しました。それを私はSNSで発信しまして、さまざまなメディアにも取り上げられました。そこから神戸での痴漢対策というのは一気に前進しました。その時に、一人ひとりに社会を変える力があると思ったし、「困った時は共産党」ってホンマやったんやと思いました。

 私も共産党のことをよく知らなかったんですけど、社会を良くしたいと本気で真剣に思っている人たちの集まり、特に社会で弱い立場に置かれている人、すみっこに追いやられている人たちの声を聞いて、それを届ける。その人たちの少しでも力になりたいって思ってる人たちの集まりなんだな、ということを知りました。

 今、松本さんたちと「東灘区ジェンダーしゃべり場」っていうのをしています。今までに14回開催して、650人ぐらいの方が来てくれました。みなさん、地元にこんな議員さんがいるなんて知らなかったとか、議員さんと初めてしゃべったという方が多いです。そこから一緒に議会の傍聴に行ったり、選挙ボランティアに参加してくれたりもしています。

 ジェンダーは、政治の入り口になると思います。若い人はジェンダーに関心が高いし、大学生にはジェンダーの授業が大人気なんですね。20代の人たちから「ジェンダーがきっかけで政治に興味を持った」とか「ジェンダー平等に一番取り組んでいる党だから共産党を推している」というような話も聞きます。

 だからジェンダーのことをこれからも発信して、それで共産党のことを知ってもらってファンになってほしいなと思います。これからも応援しています。一緒に頑張っていきましょう。

不屈のたたかいを共に

総がかり行動実行委員会 高田健さん

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 日本共産党創立102周年、おめでとうございます。

 日本共産党は、この国の歴史の中で一世紀あまりにわたって、労働者、民衆の立場に立ち、その解放をめざして最も早くから活動している政党です。当時の社会の最大の障害物であった天皇制軍国主義とそれが引き起こしたアジア侵略戦争に身をていして反対し、弾圧に屈することなく、アジアの民衆とともにアジアの平和のためにたたかった政党だと思います。いま日本が、覇権主義の大国アメリカに追従して、これと同盟して再び「戦争をする国」になろうとしているとき、私たちがこれに反対して、反戦平和・民主主義の社会をめざしてたたかう上で、この先輩たちの結党とその苦難に満ちた不屈のたたかいに、どれだけ勇気づけられ、はげまされているかを思い起こし、心からの敬意を表したいと思います。

 この戦前のたたかいの上に、私たちは主権在民、基本的人権の尊重、平和主義を柱にした日本国憲法を持っています。いま自民党など歴史修正主義、差別主義、新自由主義の勢力が、この国の憲法を踏みにじり、社会の進路をねじ曲げています。この攻撃にあらがい、共同戦線を前進させる道は、決して容易ではなく、ジグザグな苦難な過程をたどってきたと思います。

 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会は、「市民と立憲野党の共同」の旗を掲げ、主張しています。この広範な勢力の間には、当然ながら歴史の違いもあり、意見の違いや活動の流儀の違いもあります。反動勢力は分裂を絶え間なく画策しています。私たちはこの策動に負けるわけにはいきません。共同こそ「力」だと思います。

 さきの東京都知事選挙は、市民と野党が力を合わせてたたかった蓮舫候補の当選を勝ち取ることはできませんでした。しかし運動の中で、数千人にものぼる「ひとり街宣」が生まれたことなど、政治の変革を求める新しい運動が誕生し、希望が生まれました。

 日本共産党の創立102周年にあたり、共産党のみなさんにたたかいとその前進に敬意を表しながら、今後とも反戦平和、全民衆の利益の擁護のためにともにたたかっていく決意を固めております。よろしくお願いいたします。

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習近平氏を核心とする中共中央は戦略の大局を把握し、歴史の正しい側に立つことを堅持し、経済のグローバル化を揺るぎなく維持・推進し、開放的発展という理念を実践し、対外開放において新たな重大な成果・・

2024-07-13 | 中国をしらなければ世界はわからない

習近平国家主席の言葉から見る

中国の改革開放への決意

人民網日本語版 2024年07月12日13:58
 

開放は歴史の大勢を把握したうえでの中国の選択だった。1978年の中国共産党第11期中央委員会第3回全体会議(三中全会)は、改革開放という歴史の大きな幕を開いた。2013年の第18期三中全会は中国の改革開放に全く新たな局面を切り開いた。新華社が伝えた。

中国共産党第18回全国代表大会(第18回党大会)以来、習近平氏を核心とする中共中央は戦略の大局を把握し、歴史の正しい側に立つことを堅持し、経済のグローバル化を揺るぎなく維持・推進し、開放的発展という理念を実践し、対外開放において新たな重大な成果を収め、中国と世界の融合的発展という新たな楽章を奏でてきた。

「中国の開放の門戸は大きく開かれていくのみだ。我々は揺るぎなく改革開放を全面的に深化させ、揺るぎなく質の高い発展を推進し、自らの発展によって世界にさらに多くのチャンスをもたらしていく」

(2022年10月23日、第20期中共中央政治局常務委員と各国記者との面会時における習近平総書記の重要談話)

「中国は国の門戸を開いた発展を堅持し、閉鎖・半閉鎖から包括的開放への偉大な歴史的転換を遂げた。開放はすでに現代中国の鮮明な特徴となっている」

(2018年11月5日、第1回中国国際輸入博覧会の開幕式における習主席の基調演説)

「我々は対外開放という基本国策を堅持し、開放による改革、発展、革新の促進を堅持し、より高い水準の対外開放を推進していく」

(2019年11月5日、第2回中国国際輸入博覧会の開幕式における習主席の基調演説)

「中国は開放・協力・団結・ウィンウィンという信念を堅持し、開放を全面的に拡大し、国内・外国市場の連結、要素・資源の共有をより効率的に実現し、中国市場を世界の市場、共有の市場、皆の市場にし、国際社会にプラスのエネルギーをより多く与えていく」

(2020年11月4日、第3回中国国際輸入博覧会の開幕式における習主席の基調演説)

「中国は対外開放という基本国策を堅持し、超大規模市場の強みと内需の潜在力を発揮し、ルール、制度、管理、標準など制度型開放の推進に力を入れ、知的財産権の保護を強化し、市場化、法治化、国際化されたビジネス環境を築き、国内外の企業に公平かつ公正な市場秩序を提供していく」

(2021年10月30日、第16回G20サミット・第1段階会議における習主席の演説)

「我々は、開放によって発展上の問題を解消し、開放によって協力の力を結集し、開放によってイノベーションの勢いを集め、開放によって共有の幸福を図り、経済グローバル化を前進させ、各国の発展の原動力を強化し、発展成果の恩恵がより多く、より公平に各国の人々に及ぶようにする必要がある」

(2022年11月4日、第5回中国国際輸入博覧会の開幕式における習主席のスピーチ)

「中国は高水準の対外開放の推進を堅持し、質の高い発展によって中国式現代化を全面的に推進し、各国の開放的協力に新たな機会を提供していく」

(2023年9月2日、2023年中国国際サービス貿易交易会のグローバルサービス貿易サミットにおける習主席のビデオメッセージ)

(編集NA)

「人民網日本語版」2024年7月12日

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「政策推進費」は、官房長官しか使途を知らない支出で、“闇ガネの中の闇ガネ”といえるものです。岸田内閣では、「政策推進費」が支出の95%超を占めていました。

2024-07-12 | 自民党の常識は、国民の非常識

官房機密費

岸田内閣 32億円超支出

自民政権3代で139億円

ほとんどが政策推進費

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(写真)2023年度末の「出納管理簿」。岸田内閣が12億2989万円余を支出し、残った額が31万円余だったことがわかります。林芳正官房長官の確認印があります

 領収書が不要で内閣の「闇ガネ」と呼ばれる内閣官房機密費(報償費)。岸田文雄内閣が2021年10月の発足から今年5月までに32億円超も支出していることが12日、本紙が情報公開請求で入手した資料でわかりました。機密費が、自民党候補の選挙資金に使われた疑惑が再浮上する中、岸田政権による機密費の使途があらためて問われます。(矢野昌弘)

 今回、本紙が入手した資料によると、岸田内閣は23年度に12億2989万円余の機密費を支出していました。国に返納した使い残しは、わずか31万円ほどです。今年度も、5月半ばまでの2カ月足らずで1億9400万円を支出していました。

 支出の仕方も問題です。機密費には「政策推進費」「活動関係費」「調査情報対策費」と三つの類型があります。「活動関係費」「調査情報対策費」には、官邸の職員が事務補助者として出納に関わります。

 「政策推進費」は、官房長官しか使途を知らない支出で、“闇ガネの中の闇ガネ”といえるものです。岸田内閣では、「政策推進費」が支出の95%超を占めていました。

 12年12月に自民党が政権復帰してから第2次安倍晋三内閣、菅義偉内閣、岸田内閣と、歴代3内閣の11年半で139億円余りの機密費を支出しています。そのうち130億円余りを「政策推進費」が占めています。この期間を通じて、年度末に国庫に返金した官房機密費は、122万円にすぎません。毎年、ほとんど使い切ることが特徴です。

 機密費をめぐっては昨年秋、石川県の馳浩知事が東京五輪の招致活動のために機密費で記念品を購入し、IOC(国際オリンピック委員会)の委員に配ったと発言しました。安倍首相(当時)が「金はいくらでも出す。官房機密費もある」と発言していたとされます。

 今年5月には中国新聞が、13年の参院選の際、東日本の選挙区候補が安倍首相(同)から現金100万円を渡されたと証言。複数の元政権幹部が、その現金の原資が機密費である可能性を指摘しています。

 このような党利党略・政権浮揚のために、機密費を私物化している疑惑について岸田内閣は答えるべきです。

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昨年来発生した米軍関係者による5件の性犯罪について、1997年に日米間で定めた通報手続きに基づく米側からの通報が全くおこなわれていなかったことが判明しました。

2024-07-11 | 政府は、沖縄いじめをするな!

2024年7月11日(木)

米兵性犯罪 過去5件通報なし

米軍から外務省・防衛省に

 昨年12月に発生した在沖縄米軍の性犯罪をめぐり、参院外交防衛委員会は10日、理事懇談会を開催しました。そのなかで、昨年来発生した米軍関係者による5件の性犯罪について、1997年に日米間で定めた通報手続きに基づく米側からの通報が全くおこなわれていなかったことが判明しました。

 通報手続きは事件が発生し、米側が把握した時点で米軍が外務省と防衛省沖縄防衛局に速やかに通報し、県や関係市町村にも伝えると定めています。ところが、外務省の有馬裕北米局長は10日付で、昨年から今年にかけて発生した性犯罪事案5件について、いずれも合意された手続きによる通報はなかったと説明。防衛省の大和太郎地方協力局長も、昨年12月に発生した事案を把握したのは6月25日になってからだと明らかにしました。

 日本共産党の山添拓議員が日米合意の有効性をただしたのに対して、有馬・大和両氏とも「現在も有効」だとの認識を示したものの、いつごろから手続きに沿った通報がなくなったのかについては、「事実関係を確認したい」として、明確にしませんでした。

 山添氏は「情報が官邸まで上がっていた以上、岸田首相も出席した予算委員会をはじめ閉会中審査を強く求める」と表明しました。

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 政府代表はオーストリア、キューバ、インドネシア、カザフスタンからの参加が決まりました。

2024-07-10 | 原発やめろ!

2024年7月10日(水)

国連・4カ国政府代表参加

原水爆禁止2024年世界大会 実行委が発表

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(写真)中満泉さん
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(写真)アレクサンダー・クメントさん
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(写真)トーマス・ハイノッチさん
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(写真)クルマンセイト・バトルハンさん
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(写真)ダイロン・オヘダさん
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(写真)ジョセリン・カバニャスさん

 原水爆禁止世界大会実行委員会は9日、原水爆禁止2024年世界大会に国連と各国政府代表が参加することを発表しました。

 国連から、中満泉軍縮担当上級代表が8月6日のヒロシマデー集会(閉会総会)に参加します。中満氏は、核兵器禁止条約が採択された2017年の世界大会に初参加し、「国連は核兵器のない世界という目標へ具体的な歩みを進めるため、すべての国々や市民社会と協力し、いっそう努力したい」と核兵器廃絶に向けた連帯を表明していました。

 政府代表はオーストリア、キューバ、インドネシア、カザフスタンからの参加が決まりました。

 オーストリアからアレクサンダー・クメント欧州統合外務省軍縮軍備管理不拡散局長・大使が4日の国際会議に参加。トーマス・ハイノッチ大使も参加します。オーストリアは核兵器の非人道性から核兵器禁止条約成立に向けて尽力。禁止条約第1回締約国会議の開催国を務め、クメント氏は、締約国会議の議長を務めました。

 来年開かれる禁止条約第3回締約国会議の議長を務めるカザフスタンから駐日カザフスタン大使館のクルマンセイト・バトルハン公使参事官と、東南アジア諸国連合(ASEAN)の中心的役割を担うインドネシアの政府代表(インドネシア大使館から参加)が5日のフォーラム1に参加します。

 インドネシアの政府代表は5日のフォーラム2にも参加します。キューバからダイロン・オヘダ駐日キューバ大使館1等書記官とジョセリン・カバニャス3等書記官が9日のナガサキデー集会に参加します。

ヒロシマデー集会 田村委員長あいさつ

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(写真)田村智子委員長

 日本共産党の田村智子委員長が、8月6日に広島市で行われる原水爆禁止2024年世界大会「ヒロシマデー集会」であいさつすることが決まりました。

 来年の被爆80年に向け、被爆者の生きているうちに核兵器のない世界の実現を目指して開かれる世界大会にあたって、世界大会実行委員会が、核兵器禁止条約に賛成する政党、会派に対し、世界大会へのメッセージ・あいさつを要請し、これに応えたものです。

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決選投票の投開票が7日に行われ、左派4党の共闘組織「新人民戦線」が182議席で議会最大勢力となりました。

2024-07-09 | 世界の変化はすすむ

2024年7月9日(火)

仏左派連合 最大勢力 国民議会選挙

極右内閣誕生を阻止

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(写真)選挙勝利を市民と分かち合う新人民戦線の議員たち=7日、パリ(吉本博美撮影)

 【パリ=吉本博美】フランスの国民議会選挙(下院、定数577)の決選投票の投開票が7日に行われ、左派4党の共闘組織「新人民戦線」が182議席で議会最大勢力となりました。マクロン大統領の与党連合は第2位に沈み、アタル首相が辞意を表明しました。第1回投票(6月30日)で1位だった極右政党「国民連合」(RN)は第3位にとどまりました。投票率は約66%と1997年以降最高。マクロン与党に厳しい審判を下すとともに、極右内閣誕生の危機を阻止した歴史的選挙となりました。

 内務省の暫定結果によると、新人民戦線が182議席、与党連合が168議席、RNが143議席となりました。事前の世論調査では決選投票でもRNが最大勢力となる予想が出ていましたが、新人民戦線と与党連合が候補者一本化に踏み出し極右阻止の受け皿となりました。

 左派連合の中の第1党「服従しないフランス」のメランション代表は会見で、マクロン氏に対し、「国民の意思を尊重し、新人民戦線から首相を指名すべきだ」と指摘。今後与党として公共福祉の回復や賃金・年金の引き上げをはじめとする公約を実践していくと意気込みを語りました。直後の集会では選挙運動に奮闘した市民らに謝意を表明しました。

 国民連合のバルデラ党首は、「フランスは極左の手に落ちた」と新人民戦線と与党連合の選挙協力を批判しました。

 今回の選挙で下院は左派、中道、極右の3陣営がいずれも過半数に届きませんでした。連立政権の樹立に向けた交渉は難航が予想されます。

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小池氏は、「この選挙からどういう教訓を引き出すか、都民のみなさんの声に耳を傾け、蓮舫候補を共同で擁立した市民と野党のみなさんと率直な議論を行いたい」と発言。

2024-07-08 | しんぶん赤旗を読んでください。

2024年7月8日(月)

都知事選

新たな民主主義の動き “政治変革の力”と確信

小池書記局長が会見

 日本共産党の小池晃書記局長は7日、東京都知事選で現職の小池百合子氏に当選確実の報が出たことを受け、蓮舫氏の選挙事務所で記者会見し、「都知事に勇気を奮ってチャレンジされた蓮舫候補に心から敬意を表します」と述べました。また、蓮舫氏を支持した都民をはじめ、関係者や市民、党員、後援会員に「心からの感謝と敬意」を表明しました。

 小池氏は、「選挙結果自体は、非常に残念なものだ」とした一方、蓮舫氏が「自民党政治と小池都政を変えるという旗を掲げて立ち上がり、都民の声に耳を傾けながら政策を日々バージョンアップさせていったことは多くの都民を励ました」と発言。「それが、都内各地での蓮舫候補の街頭演説にかつてない規模で人々が集まり、無数の『ひとり街宣』が都内各地に広がり、SNS上で多くの著名人が蓮舫候補支持を表明するなど、新たな動きにつながった」と指摘し、「こうした取り組みの広がりは、日本の民主主義の力を示すものだ」「今後の東京と日本の政治を変えていくうえで、必ず大きな力となると確信している」と述べました。

 小池氏は、「この選挙からどういう教訓を引き出すか、都民のみなさんの声に耳を傾け、蓮舫候補を共同で擁立した市民と野党のみなさんと率直な議論を行いたい」と発言。「日本共産党は、引き続き、都民が主人公の都政改革のために全力を尽くすと同時に、岸田自公政権を退場させ、自民党政治を終わらせるために全力を尽くす決意だ」と強調しました。

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裏金の原資となった企業・団体献金の「抜け穴」を温存し、政治資金の流れをさらに不透明化する改定政治資金規正法を公明、維新などとともに成立させました。

2024-07-07 | 自民党の常識は、国民の非常識

2024年7月7日(日)

国民生活や平和脅かす重大法が次々成立

通常国会

 通常国会で、岸田政権は自民党裏金事件の真相解明に背を向け続ける一方で、国民生活や平和を脅かす重大法も、十分な審議も経ずに次々成立させました。審議のなかで重大な欠陥が指摘されても、見直すことなく採決を強行してきた政府・与党の国会軽視の姿勢は重大な問題をはらんでいます。

 岸田内閣が通常国会に提出した法案62本中、61本が成立。11本の条約が承認され、8本の議員提出法案が成立しました。

 通常国会の最大の焦点であった裏金事件をめぐっては、自民党が長年、組織的に違法行為を続けてきたにもかかわらず、真相解明には常に消極的。しかも、裏金の原資となった企業・団体献金の「抜け穴」を温存し、政治資金の流れをさらに不透明化する改定政治資金規正法を公明、維新などとともに成立させました。

 日本の「平和国家」としての歩みを覆す安全保障の大改悪も連発しました。

 陸海空3自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」創設を含む防衛省設置法等を改定。政府が指定する秘密の範囲を「防衛・外交・スパイ活動・テロ活動」から経済分野にまで拡大する経済秘密保護法、政府が「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」と判断すれば国が地方自治体に指示ができる「指示権」を新たに導入する改定地方自治法なども成立させました。

 暮らしや人権をめぐっても、社会保障費の歳出改革や医療保険料に上乗せする「支援金」で財源を賄う改定子ども・子育て支援法が成立。合意がない父母にも離婚後「共同親権」を裁判所が定めることができる仕組みを改定民法で導入。技能実習制度を「育成就労」と言い換え、外国籍住民の永住許可を取り消す要件を盛り込んだ改定入管法・技能実習法など、生活に重大な影響を及ぼす法律を十分な審議も経ずに強行しています。

 数の力で次々と悪法を強行する岸田政権は完全に行き詰まっています。真摯(しんし)な議論を通じ、国民の理解をえながら政治を進める道への切り替えが必要です。

表:通常国会で成立した法律、条約承認に対する各党の賛否
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志位氏は「蓮舫さんが知事になれば、都政も日本も必ず変わる」と力を込め、最後の最後まで支持の輪を広げようと呼び掛けました。

2024-07-06 | 市民のくらしのなかで

2024年7月6日(土)

あす投票 都知事選・都議補選 大激戦

蓮舫知事誕生へ最後まで

志位議長・野田元首相ら応援 有楽町

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(写真)蓮舫都知事候補(奥左から2人目)の必勝を訴える志位和夫議長。その右に野田佳彦元首相=5日、東京都千代田区

 大激戦のまま、最終盤を迎えた東京都知事選・東京都議補選(7日投票)で、蓮舫(れんほう)知事候補を支援する市民と野党は5日も総力をあげて宣伝や対話を広げました。蓮舫氏の支持は、SNSや「ひとり街宣」など創意的な行動も加わり日に日に広がりを見せています。蓮舫氏は同日、千代田区有楽町のイトシア前では日本共産党の志位和夫議長や立憲民主党の野田佳彦元首相と、大田区蒲田駅前で共産党小池晃書記局長や立民小川淳也衆院議員と訴え。志位氏は「蓮舫さんが知事になれば、都政も日本も必ず変わる」と力を込め、最後の最後まで支持の輪を広げようと呼び掛けました。都議補選で小池氏、山添拓、吉良よし子の両参院議員も街頭から訴えました。

小池書記局長が応援 蒲田駅前

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(写真)聴衆の拍手に応える蓮舫都知事候補(右)と小池晃書記局長=5日、東京都大田区

 「蓮舫さんが勇気をもってチャレンジし、激しく追い上げている。何としても都知事に押し上げていただきたいと、矢も盾もたまらず駆けつけた」―。志位氏は、選挙戦の論戦を通じて、政治姿勢でも政策の対決点でも「小池(百合子)都知事と蓮舫さん、どちらが都知事にふさわしいか、もうはっきりした」と強調。「蓮舫さんが勝てば東京が変わる。日本が変わる。7月7日にはそういう素晴らしい結果をみんなでつくろう。日本共産党も最後まで総力をあげる」と訴えました。

 野田氏は「志位さんと私はたたかいの歴史もあるが、今回は『反自民、非小池都政』を実現するためにそれぞれの立場で全力を尽くす」と訴えました。小池知事を支援する自民党東京都連は幹部らが裏金事件に深く関わっていると批判。「裏金事件に反省のない彼らにペナルティーを与えなければならない。東京から、蓮舫さんを中心にして変えていこう」と力を込めました。

 蓮舫氏は「小池都知事は光に光を当てるのは得意だ。私は豊かなものをより豊かにするのではなく、広がる格差―伸びる長い影、影に光を当てる都知事になりたい」と訴え。選挙戦の中で、「期日前投票に行こう」などのポスターを街中で掲げアピールする街宣は2500人、620駅を超えたと紹介し、「こんなに力強いことはない。どうかみなさん一緒にたたかってください」と呼び掛けました。

 一方、他陣営も最後まで必死の運動を展開。小池知事も街頭宣伝の回数を増やすなど激しい動きをしています。宣伝の現場では、小池氏に批判的なカードやボードを持って声を上げる市民の姿が、回を追うごとに増えています。5日夕方のJR新宿駅前街宣にも多数が集まっていました。

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 保守党は、結党以来最少の議席数になる見込みです。トラス前首相、モーダント下院院内総務、シャップス国防相などが相次ぎ落選。「壊滅的」(英メディア)な結果となりました。

2024-07-06 | 世界の変化はすすむ

英総選挙

保守党が歴史的惨敗

閣僚落選相次ぐ 14年ぶり政権交代

 英国の総選挙(下院、650議席)は4日投開票され、与党・保守党が歴史的惨敗を喫した一方、労働党が400議席を大きく上回り14年ぶりに政権に返り咲くことが確実になりました。労働党のスターマー党首が5日に首相に就任します。

 英BBCの開票速報によると、未確定の5議席を残して、労働党411(前回比210増)、保守党119(249減)、自由民主党71(63増)、スコットランド民族党(SNP)9(38減)などとなっています。

 スターマー氏は「われわれはやり遂げた。変革はいま始まる」と勝利宣言。一方、スナク首相は敗北を認め「敗北の責任は私が取る」と述べました。

 保守党は、結党以来最少の議席数になる見込みです。トラス前首相、モーダント下院院内総務、シャップス国防相などが相次ぎ落選。「壊滅的」(英メディア)な結果となりました。

 労働党は前回2019年の総選挙で失ったイングランド中・北部の伝統的地盤を取り戻し、スコットランドでも第1党になりました。

 保守党政権の14年間は、緊縮策と公共サービスの解体を通じて貧富の格差が拡大。国民がコロナ禍や生活費高騰に苦しむなか、たがが外れたスキャンダルや経済問題での無策が露呈し有権者の怒りを呼びました。

 次期政権が取り組むべき課題は貧困、格差拡大の是正など山積しています。英労働組合の中央組織、労働組合会議(TUC)のノバク書記長は、安定雇用や賃金引き上げ、公共サービスの拡充で「英国を再建する機会が今日から始まる」とX(旧ツイッター)に投稿しました。

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沖合に作業船をのぞむ名護市辺野古、米軍キャンプ・シュワブの新基地建設工事の土砂搬入ゲートでは4日、市民30人が座り込み、「くい打ちやめよ」と声を上げました。

2024-07-05 | 日米政府発表を鵜呑みできない

2024年7月5日(金)

沖縄・大浦湾 くい打ち試験着手

県の要請拒み防衛省作業

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(写真)大浦湾で金属製のくいを海中に降ろす作業船=4日、沖縄県名護市

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、防衛省は3日、広大な軟弱地盤が広がる大浦湾側で8月1日から予定している本格工事に備え、くい打ち試験の関連作業を開始しました。試験は4日にも行われ、作業船に搭載された大型クレーンから金属製のくいが打ち込まれました。護岸工事などに備え、地盤強度を確認しているとみられます。

 県は埋め立て承認に伴う事前協議が整うまではくい打ちに着手しないよう要請してきましたが、防衛省はくい打ちについて「工事そのものではないので、事前協議の対象外」との見解を示し、県の要請を拒みました。

 沖合に作業船をのぞむ名護市辺野古、米軍キャンプ・シュワブの新基地建設工事の土砂搬入ゲートでは4日、市民30人が座り込み、「くい打ちやめよ」と声を上げました。

 工事の監視活動をしている男性(72)は「海が壊されているのにただ見ているしかなく、非常に悲しい気持ちだ。ゲート前での抗議や監視を通じてここで何が起こっているか報告していく。県外の方々も真実を知ってSNSなどで広めていってほしい」と語りました。

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手話通訳のほかに、大きな字幕で見られる別チャンネルもあります。どなたでも日本共産党ホームページからユーチューブで視聴できます。

2024-07-04 | 日本共産党へご協力を!

13日に党創立102周年記念講演会

田村委員長が講演

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 日本共産党は15日に創立102年を迎えます。記念講演会を13日(土)午後2時から、オンラインで開催します。田村智子委員長が記念講演を行います。

 記念講演会では、小説家の中島京子さん、作家のアルテイシアさん、全労連議長の小畑雅子さん、総がかり行動実行委員会の高田健さんのビデオメッセージの紹介を予定しています。

 手話通訳のほかに、大きな字幕で見られる別チャンネルもあります。どなたでも日本共産党ホームページからユーチューブで視聴できます。

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「渋沢栄一は我が民族からの経済的収奪の先兵役を果たした第一銀行の所有者で、鉄道を敷設して韓国の資本を収奪し、利権侵奪のために第一銀行の紙幣発行を主導しつつ、貨幣に自身の肖像画を描き入れ、・・

2024-07-03 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで
 

「日本、1万円札に植民地収奪の象徴を使うとは…」

韓国の光復会が撤回要求

登録:2024-07-03 00:32 修正:2024-07-03 06:57

 

 
日本政府のウェブサイトより//ハンギョレ新聞社

 日帝強占期に日本の銀行を朝鮮に進出させ、植民地政策を主導した渋沢栄一(1840~1931)の顔が日本の新紙幣に使われることについて、韓国の独立運動家と子孫・遺族の団体「光復会」は強い遺憾を表明し、直ちに撤回するよう求めた。

 光復会は1日の声明で、「日帝の侵奪の張本人を貨幣の人物とする決定は、植民地支配を正当化することを狙った欺瞞(ぎまん)的行為」だとしつつ、このように述べた。

 光復会は、「渋沢栄一は我が民族からの経済的収奪の先兵役を果たした第一銀行の所有者で、鉄道を敷設して韓国の資本を収奪し、利権侵奪のために第一銀行の紙幣発行を主導しつつ、貨幣に自身の肖像画を描き入れ、我々に恥辱を抱かせた張本人」だと指摘した。

 さらに「帝国主義時代の植民地収奪の象徴的な人物を国際的に通用する日本の公式の貨幣に使うことは、韓日関係を改善しようとしている韓国政府の努力にも冷や水を浴びせる行為」だとし、「特に来年の韓日国交正常化60年を前に関係正常化を望む両国の関係にも役立たない行い」だと述べた。

 そして「過去の誤った行為を反省するどころか、帝国主義の蛮行を連想させる人物を使う日本政府の本音はいかなるものか」とし、「本当に韓国との関係改善と友好増進を尊重するのなら、問題の人物の貨幣への使用を直ちに中止するよう願う」と述べた。

 日本では3日に、20年ぶりに新紙幣が発行されるが、新1万円紙幣には実業家の渋沢栄一の肖像画が使用される。日本ではパリ万博を見学し、500社あまりの会社を設立したことから「資本主義の父」と呼ばれる人物だが、日帝強占期に日本の銀行を朝鮮に進出させ、植民地政策を主導した人物のひとりだとの批判を浴びている。

 渋沢が設立した第一銀行は、日本が朝鮮半島に対する影響力を拡大しはじめる1878年に、釜山(プサン)に支店を設立した。その後、金融・貨幣分野で日本政府の代理人役を果たし、朝鮮内で様々な特権を獲得した。特に1905年に、朝鮮の国庫金の取り扱い▽貨幣整理事業▽第一銀行券公認の「3大特権」を得てからは、事実上朝鮮の中央銀行同然の地位を確保した。渋沢は晩年、早くから朝鮮に進出した理由について「日本が朝鮮を失うことになれば、国力を維持することは困難だと判断したため」だと述べている。

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