先日の買い物で谷中生姜を買ってきた
私にとっては初夏を感じさせるとともに 子供の頃の食卓を思い出す食材である
決してご飯のおかずにはならず 父親の晩酌のための一品であり 私たち子供にとっては漬物にも似て あっても無くても良いような食材だったが いつからかこうした小さな料理ほど食卓を豊かにするものだということが わかってきた
谷中生姜は江戸野菜のひとつであり 名前の通り荒川の地である谷中で栽培されていた葉生姜が本来のものだったが 戦前にはもうすでに谷中生姜は栽培されなくなったそうだ
現在は荒川を超えた土地で栽培されているという
我が家で圧倒的に多かった食べ方は味噌をつけるというもので 時々 母が漬けた梅干しの汁の中につけて出されることもあった
最近よく見るレシピは 豚肉を巻いて焼くものだったり 生ハムやスモークサーモンなどを巻いて食べるというもの
悪くないだろうと思いつつも 私はやっぱり昔通りの味噌ディップ派を頑なに守っている
買う時には手に取ってじっくり観察し 筋の無いものを選ぶようにしているが 品物が少ししかないのが残念
次なる私にとっての旬の食材はサクランボで これが出回ると梅雨を感じる
葉生姜の肴を前に父胡坐(粗忽)