熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

日本の財政

2012-07-04 16:24:55 | Weblog
土井丈朗さん編集の「日本の財政をどう立て直すか」を読みました。

日本の財政危機が叫ばれているので、遅まきながら財政の勉強をしようと思い、自宅近くの大学図書館でこの本を借りてきて読んでみました。

編者を含めて7人の著者が、日本の財政について分かりやすく解説しています。

「日本の財政政策ーこれまでの運営は何が問題だったのか」「コースの定理で読み解く日本の財政システムの問題点」「租税負担と社会保障負担」「社会補償と財政」「地方分権と政府間関係」「財政赤字の政治的要因とその是正ー我が国の年金制度を零にー」「財政健全化に必要な方策」
というように、日本の財政の全体像が分かりやすく述べられています。

本当に参考になりました。

この本の中に、世代間格差の話が出てきます。
世代間格差を定量的に捉える手法として、世代会計があります。

世代会計の基本式は以下のようになります。

現在世代の将来純負担の現在価値+将来世代の将来純負担の現在価値
=将来の政府支出の現在価値ー現在の政府の純資産

この世代会計の手法を用いて、世代間格差を見てみると、

2007年における世代別の将来純負担額は、20歳代で1054万円、30歳代で281万円の負担超過となっていますが、40歳代では逆に635万円の受益超過、50歳代1982万円、60歳代で3577万円の受益超過となっています。
一方、将来世代は、7145万円の負担超過です。

これが世代間格差ですね。

時系列的に見てみると、1990年の生涯純負担額は、20歳代で1730万円なのに対して、将来世代では2930万円でした。
1999年の20歳代の生涯純負担額は、470万円と減少しているのに対して、将来世代の負担額は、6360万円と大幅に負担増となっています。
これは、1990年代に、現役世代の負担を軽くして、将来世代に負担を先送りする政策が取られていた事を示しています。

2000年代は、60歳代(退職者世代)の便益を減少するのではなく、20歳代から40歳代の負担を増加させるという政策をとっていることが分かります。

つまり、世代間格差を増大させ、負担を先送りにする政策が取られていました。
この原因は、いろいろあるでしょうが、年金給付額を減らすという政策は有権者、特に、高齢者に評判が悪いので、選挙権のない将来世代に借金のツケを支払わせるような政策をとっていたのでしょうね。

最近、私を含む団塊の世代の社会貢献が際立って少ないことが気になります。
JALや東京電力の企業年金額削減に反対する高齢者の言い分を聞いていると、高額の年金を受給している人が、生活が苦しくなると言っていたのには呆れましたね。

もっと将来世代のことを考えて、身を削る覚悟を示して欲しいものです。

私も、人のことを言えた義理ではありませんが、海外ツアーに参加している団塊の世代の方々は、自分と子供、孫のためにお金を使う話は出てくるのですが、社会貢献をしているという話は聞いたことがありませんね。

テレビ報道や雑誌の記事を見ていると、団塊世代が海外ロングスティや地方に移住して晴耕雨読の生活を楽しんでいることを取り上げていますが、社会貢献をしている団塊の世代を取りあげた番組は、あまり見ませんね。

団塊の世代は、もっと志が高かったはずですが、定年退職をすると自分と子供や孫の利益を考えることに注力して、日本の将来のため、将来世代のために、少しでも貢献しようとする人が少ないように感じます。
寂しいですね。

自分の時間、自分の財産の10%でも社会貢献に振り向ければ、日本もかなり良くなると思うのですが。

団塊の世代よ志を高くもって行動しましょう。





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