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大陸から秋雨前線が入ってきて、待ちかねた雨になる。
早朝、農作業。植えつけたブロッコリーの苗は、きのうの強烈な日ざしに耐えて元気であった。種を蒔いたバジルが大きくなったので、二回目の収穫を行う。フレッシュバジルの香りは、畑のなかで自己主張をし、家に持ち帰ってもあたりじゅうに芳香を放っている。
バジルはイタリヤ語でバジリコ、ナポリタンをはじめイタリヤ料理にはたくさん使われる。ことしたくさん採れたトマトにバジルを添えて、サラダにして食べるのが我が家のお気に入りである。スライスしたトマトにレモン汁をかけ、パラパラと塩をふって冷蔵庫に入れておく。ハサミでバジルを細かく切って散らして食べる。ちょっと贅沢して、亜麻仁油と酢と塩を加えたドレッシングで食べると更においしい。
南イタリアのシェフは「トマトあるところにバジリコあり」というぐらい、トマトとの相性は抜群だ。トマトの煮込み料理の仕上げに、フレッシュを2、3枚加えると味がまったく違う。うっかり忘れても最後に入れて、蓋をして蒸らすだけでOK。
いよいよ秋野菜の種まきだ。あまりの乾燥に種まきを延ばしてきたが、ここに来て秋雨が期待できるので、明日から種まきを始める。大根は青首と聖護院。去年千枚漬けがおいしかったので、聖護院をしっかりと蒔く。春菊、ホウレン草、京水菜など、成長する前から食べられる葉ものは、我が家の食卓にとって貴重な存在だ。
今年はこれに加えて、コリアンダーを蒔く。娘からの依頼もあるので、種も2袋準備した。ラタトウユを作るとき、バジルとこのコリアンダーを使うと、ある人にいったら、「コラナンダーだね」と寒いしゃれを言ったので、大笑いになった。カレーの香辛料にもよく、たくさん採れれば、乾燥して保存という方法もあるので、今年はチャレンジだ。中国では香菜(シャンツアイ)、タイでパクチーと呼ばれ広く用いられている。
見上ぐれば雨一粒や花木槿 石田 あき子
最高気温24℃、気候の変わり目である。きのうまで、この暑さいつまで続くと思っていたが、一夜明けると一転してこの状況。畑の野菜たちも秋の装いを始めた。