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野菜作りの本を読んでいたら面白い提案があった。葉もの野菜の輪番栽培である。7m四方の畑に80cm×2.3mの畝を18個作り、時期をづらして1畝に3種類の葉ものを3回、順番に栽培する方法である。この方法だと18種類の葉ものが、春、夏、秋ととぎれることなく収穫できる。種の種類も季節に合わせたものを選んで、いい状態のものが収穫できる。本で読んだものがどこまで実現できるか、自信がないが、とにかくこの方法に挑戦することにする。
ホウレン草、コマツナ、サントウサイ、ミズナ、フダンソウ、チンゲンサイ、アシタバなどなど、一畝の収穫が終わるころに別の畝で新しい葉が成長するのを見るのは、きっと楽しいことに違いない。気温が上がってくると、周囲の土には植物の新しい芽吹きが見られる。チャベックが言っているが、蕾と芽は自然界の最大の奇跡だ。根から芽を出したミツバは、もう写真のようなたくましい成長を見せている。
チャペルの『園芸家の12カ月』は楽しい読み物である。「4月の園芸家」の項では、こんな失敗をユーモラスに書いている。
「枯れ枝を一本ひろおうとして、でなければ、いまいましいタンポポの根を抜こうとして、花壇に足を入れる。するとたいがい、土の下にあるユリかキンバイソウの芽をふむ。足の下でポキッという音がすると、おそろしさとはずかしさでからだじゅうが寒くなる。」
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坂巻川の土手の桜の蕾がこんなに大きくふくらんだ。明日から、また日本海を爆弾低気圧が北上して荒れた気候になるが、気温は引き続き高いので、ここの桜は来週にも開花するような気がする。テレビの話題も、どこの桜が散って、どこが咲き始めたということが数多く取り上げられる。日本人には、春の桜は、どこかで気になる存在である。
世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
これは伊勢物語にある在原業平の歌だが、桜が咲けばいつ散るのか、そのことが気になって心が平安に保たれない心情を巧みに現している。