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小野川温泉を訪れたのは、昨年秋飯森山へ登ったとき以来である。まだまだ雪深い置賜地方であったが、温泉街には雪はなく、のどかな湯の街の雰囲気を漂わせていた。温泉街の入り口のあたりに、新しい共同浴場「瀧の湯」がオープンしていて入ってきた。入浴料250円、シャワーがあるがシャンプー、石鹸は置かれていない。湯は43℃ぐらいで、若干熱めだが、ラドンや硫黄を含んだ湯は、透明な清潔感のある温泉である。効用としては、皮膚病、火傷、関節炎などである。
伝説によるとこの湯は、美人で有名な小野小町が834年に発見されたいうが、その真偽はわからない。昔から尼の湯という共同浴場があるが、こちらは熱くてとても湯に浸かるなどということはできない。この湯で作った温泉タマゴは、お土産として店で売られている。ほかに豆もやしが名産で、これも有名だが、1束300円とかなり高価だ。雪菜など温泉の熱を利用して栽培される珍しい野菜もある。
温泉のなかにカマクラが作られ、観光客がそこへ入り、出前のラーメンを取って食べることもできる。先週でそのカマクラも取り壊されたという。近くにはきれいな水の川が流れ、夏には蛍狩りの観光客で賑わう。