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野に出て、地面を見ると、イヌフグリや福寿草の花、スイセンが頭を出して伸び始めているが、雑木林はまだまだ新芽を出すには早い。冬枯れの景色があたりを圧するが、梅の花が咲くといよいよ春が来たという感を深くする。えもいわれぬ香りがたちこめ、百花のさきがけの花はやはり気品がある。
咲く梅の遠からねども畦絶えぬ 水原秋桜子
妻を誘って悠創の丘に、春の山菜を探す。カミソリ葉、山ニンジン、蕗の薹など春の香りを楽しむ山菜を少しだけ頂いてくる。花ワサビは、花茎がまだ伸びていまいので収穫しない。冬支度をやめて丘に登っても、寒さは感じない。