常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

春一番

2021年02月05日 | 日記
昨日、関東地方で春一番が吹いたと発表された。朝のテレビに「依田さんのお天気検定」というのがあある。三択のクイズ形式で、テレビのリモコンから回答できる。数日前の出題で、「一番早い春一番はどれですか」の質問に、答えは「2月5日、2月7日、2月10」から選びなさいという出題である。全く知らないので、あてずっぽうに「2月7日」と回答すると外れ、正解は「2月5日」であった。調べてみると、1988年2月5日の春一番が、1951年に気象庁が統計を取りだしてから最も早い記録であった。検定問題が出た翌日に記録が更新されたことになる。不思議な巡りあわせだ。

春一番は立春から春分の日までに、日本海で発達した低気圧に向かって吹く強い南風で、風速8m以上とされている。この低気圧の背後には、寒気があって低気圧が太平洋に抜けると、寒気を呼びこんでくる。そのためか、昨日は一日中の真冬日で、吹雪が吹き荒れた。一夜明けて、高気圧のため、青空が戻った。昭和51年にヒットしたキャンディーズの「春一番」は
「雪が融けて 川になって 流れて行きます~ もうすぐ春ですねえ」という歌詞が今も口をついて出てくる。歌手可愛いイメージもあって春の喜びが伝わってくるが、春一番は春の台風でもある。

安政6年2月13日、長崎県の郷の浦町から出漁した漁船は、折から強風によって漁船は転覆、53人もの漁師の犠牲者をだした。この時から、この地方では
春の強風を「春一」や「春一番」と呼んで恐れた。春一番と聞くと、うきうきするように感じるが、南の海の漁師たちは、この風は出漁を止める合図でもあったのである。

春嵐鳴りとよもすも病家族 石田波郷
コメント (1)
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