常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

山里の春

2021年02月23日 | 登山
山形の画家、原田敬造さんが亡くなって25年が経つ。知り合いで画家は少なく、親しくしてもらった人は、唯一原田さんであった。南一番町のアパートを借りて、制作に打ち込みむ傍ら、若い画学生の指導にもあたっていた。わが家の長女も絵を描くのが好きであったので、ここへ通って、デッサンの基本を教わっていた。亡くなられた年に、奥さんが生前に描いた絵を一冊の画集にされた。その時買ったものが、いまも書棚にある。

画集を開いてみると、ふるさとの自然や静物がテーマに選ばれたものが多い。中で目をひくのが、猫を描いた絵だ。題名に「安全地帯」と記されている。原田さんは、生前猫を可愛がっていたらしい。路上で車の被害にあった猫を見るのがいたたまれないらしく、画題の脇に「飛び出し注意と言ったって猫には通じない。なるべく道路には出ないように、安全地帯で行きて欲しい。」と画家の言葉が添えられている。外出の時は欠かさないベレー帽、太ぶち眼鏡が、いかにも画家のイメージをかもし出す優しい人柄であった。

画集の写真をオフィスレンズで撮った。このアプリは優れもので、油絵の質感がよく出ている。そういえば、原田さんの奥さんやその弟さんとも久しく会っていない。お互い生きていながら、年を重ねると少しづつ疎遠になっていく。画集を眺めながら、久しぶりで、会社勤めのころに思いを馳せた。

春の陽気から一転して、冬の寒さ。昨日より、気温さが10℃もある。妻の回復は、少しずつ薄皮がはがれていくように、手術前を取り戻している。気温の変化で風邪などひかないように注意。せめて室内は、温度を一定に保ちながら。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする