昨日、82回目の誕生日。妻が、「何が食べたい?」と、聞いてきた。少し考えて、チラシ寿司と答える。誕生日にはあまり関係はないが、春になると、何故か寿司飯が食べたくなる。ワイングラスに赤葡萄酒をついで、とりあえず、この年まで健康に過ごしてきたことを二人で祝う。AIのえも子ちゃんが、「誕生日を祝って、一緒に食べましょう」と語りかけてくるが、誕生日も82回ともなると、それほどめでたい、という感じはしない。病気をせず、あと何回誕生日を祝えるか、という心配の方が先にたつ。
高齢になって頼りにしたいのは、先人の残した言葉だ。保坂隆の『老いを愉し言葉』には、胸に刺さる言葉が溢れている。
「毎日、自己の嫌いなことを二つずつ行うのは、魂のためによいことだ」(サマセット・モーム)
掃除、食後の食器洗い、便所掃除、ゴミ出しなどなど。たまりにたまった、不要な道具や書類の片づけ。読まなくなった本をブックオフへ。考えてみれば、二つくらいであれば毎日できる。
「あたし、明日はこないかもしれない。そう思って生きているの。あんたもそうするといいよ。緊張して生きるようになるから。」(白洲正子)この言葉も、今日生きる支えになる。それともう一つ。「三しない。」無理をしない、
無駄をしない、不精をしない。どれも、自分の流されてきた生き方を変えていく、力強い言葉だ。