きのう、24節季の啓蟄。朝のウォーキングで、満月前日の月をみることができた。ここ数日、お昼ごろ中天にかかっていた半月が、大きくなって朝の陽に輝いて見えた。啓蟄は、穴の中から虫がはい出してくる季節だ。ウォーキングで姿勢を確認する。骨盤を前傾させて、肩甲骨をひく感じで姿勢を正すと、歩きが軽くなって、気持ちがよくなる。晴れが続き、一段と春を感じさせる気候だ。先日の山歩きで、少しだけ筋肉痛が残っている。近所の庭にフクジュソウを見に行くが、まだ芽を伸ばす様子もない。気温は朝だけ零下になるが、日に日に、春らしい陽気である。水仙が茎を伸ばし始めた。
春もはや十色にあまる小草かな 青蘿
啓蟄は、穴から虫がはい出て来る季節だ。唐の詩人、杜甫もこの季節は早起きすると詩に詠んでいる。「春来常に早起し、幽事頗る相関す」と詠み、心の平穏を表現する。戸外に出て、坂道を下りたり上ったりしていると、牧童が酒甕をを抱えて帰ってきた、と何気ない朝の描写。そこに隠退した人の幸せがある。
知人から初どりのフキノトウを5つほどいただいた。玄関にチャイムがなり、今度は取れたての椎茸。年をとると、日々の暮らしを思いやってくれる人から頂き物が多くなる。黒田三佳の『森に暮らす』から。「フキノトウが出てたよ」は雪国の早春の挨拶。雪をとかした水を沸かし、このお湯で茹でると本当の春の味、と書いている。