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冬のあるいいお天気の日。ミモロは、京都の酒どころで、日本酒をつくる酒造メーカーさんの酒蔵が並ぶ伏見へ、「月桂冠大倉記念館」を見学しに出かけました。

伏見は、古くから良質の水が豊かに湧き出る場所で、そのため多くの酒造メーカーが、集まっている場所。
特に、明治時代以降、京都の町中にあった酒造メーカーが、近代化による大量生産のために、伏見へと移転し、現在も26社ほどが、酒造りを行っています。その中でも、「月桂冠」の歴史は古く、その前身である「笠置屋(かさぎや)」が、伏見で酒屋を創業したのは、寛永14年(1637)のこと。
「月桂冠」という名を商標登録したのは、時代を経た明治38年(1905)からだそう。
酒造りの工程、日本酒の歴史、文化を紹介する「月桂冠大倉記念館」は、明治期にできた酒蔵を改装した博物館です。
見学のスタートは、中庭を通って、記念館に隣接する「月桂冠酒香房(げっけいかんさけこうぼう)」から。


ここは、明治39年(1906)建造の酒蔵の内蔵の中にある、どの季節でも酒造りのできるミニプラントで、月桂冠創業360年の記念事業の一環として作られました。
大きな杉玉が下がる内蔵へ、案内してくださる方の後について、重い大きな木の扉をちょこっとだけ開けて、中へと進みます。

蔵の中には、酒造りの工程がよくわかる展示が。
酒米の山田錦などが、コシヒカリなどの米と比較できるようになっています。

ガラスケースの中にはお米の展示が。

「お米って言っても、いろいろあるんだねぇ。大きさも微妙に違うし…」と興味深く見学するミモロです。
「なんか白っぽお米…」

「これは麹。蒸したお米に麹菌を移し、育てているところです」と。「これがお酒になるの?」
お酒造りに入って11日目という醪。「ちょっと匂いを嗅いでみてください」と言われ、ミモロは鼻をピクピクさせます。

「なんか酸っぱい匂いがする…。まだお酒になってないみたい…」と、ちょっと残念そうなミモロです。
ガラス越しに見学できるのは、発酵室。

大きな仕込み桶が並ぶ室内では、桶の一部がガラスになっていて、発酵の様子が観察できます。
「あ、ここにも神棚が祀られてる!」と白い壁の高い場所を見上げて…。

そう、酒造りの場所には、必ず神棚がありますね。お酒は、もともと神様に奉げるために作られたもの。だから、酒造りに関わる人は、神様に常に感謝し、見守っていただきながら、作業をするんです。
ミモロも神棚にそっと手を合わせました。「美味しいお酒が飲めますように…」と。
「月桂冠酒香房」の見学を終えたミモロは、トコトコと再び中庭へ。
庭といっても、ガランとして空間という感じ。ここは、昔、酒造りの桶などを天日干しした場所。
その面影を留めるように、大きな桶が置かれています。

また、酒造りに使われる良質のお水が湧く井戸も。

そばに置かれた器で、ちょっと飲んでみるミモロです。「うん、美味しいお水…ゴクリ…」。
美味しい水と澄んだ空気、そして良質のお米…美しい日本だからできるお酒です。
さて、中庭の片隅には、青々とした葉を付けた木が。
「あ、これ月桂樹だって…」。
「月桂冠」のシンボルでもある月桂樹です。

「知ってるー。古代ギリシャでは、これで冠作って、競技で勝った人の栄誉を讃えたんでしょ。でも、この葉っぱで作ったら痛そう…」。あのね、冠にするのは、もっと若くて柔らかな葉をつけて若木なの。
「そうなの。よかったー」とミモロ。何を考えていることやら…。
また、葉を乾燥させたものは、フランス語でローリエと呼ばれ、そう、スープなど煮込み料理によくつかわれる香辛料です。
さぁ、次は、お酒にまつわるいろいろな品々が展示されている「月桂冠大倉記念館」に移動しましょう。
*「月桂冠大倉記念館」の見学など、詳しい情報は、ホームページをご覧ください。