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京都は、ものづくりの町。
伝統に培われた技が、今も多くのものづくりに活かされています。
それと同時に、伝統を礎に、新しいものづくりへと、挑み続ける進取の精神!
これも、とても京都らしいことなのです、
11月、花街、祇園の町家で、従来の着物に、「今」という時を織り込んだコレクションが発表されました。
『でにむどす』という、ちょっとふざけたようなネーミング。
しかし、それは、今に受け継がれた技と選び抜いた素材を融合させたコレクションです。
コレクションの発表会場の町家に上がり、受付を済ませるミモロ。
2階の展示会場に入ると、そこには、今まで見たことのない着物がズラリと並んでいます。
それは、デニム素材を使った着物。深い藍色のデニムに「琳派 燕子花図」をモチーフにした花が、美しく描かれています。
これは、優れた技を持つ絵師により、直接、デニム生地に模様を描く「素描」で施されたもの。
ほかにも「琳派」シリーズはいろいろと。
また、「源氏物語」を英訳し、描かれた作品も。
「デニムの着物って、初めて見た…」とミモロは、次々に作品を見て行きます。
そもそも、このコレクションを企画、制作したのは、西陣の織元「秦流舎」の社長の野中健二さん。
「戦後、かつて上級階級の人しか買えなかった高級素材の絹の着物が、一般の人も買えるように…。でも、そんな絹の着物は、やはり高級品で、特別の日に着るものというイメージが付いてしまった。でも、着物は、もともと日本人の日常着。時代によって、その素材は、木綿やウールなど、いろいろ登場したんです。じゃ、現代の素材は、何か?そう考えた時、デニムを使おうと…。デニムも、始めは労働者のものだった。でも今では、誰でも着る素材です」
「うーん、確かに、アップルコンピューターの社長さんも着てたよね」とミモロ。
「私が使うデニムは、イメージする着物を作るのに適した、岡山の児島の良質のデニムです。使い込むほどに味わいが出て、いっそう素敵になりますよ」
「ジーンズも、初めより着込んで、自分の体に合ったものがカッコいいよね。それと同じ?」
「そう、『でにむどす』も、着てゆくと、次第に自分のものになってゆきますよ」
「縫製にも、さまざまな工夫が…。この着物は、和服のようにオーダーではなく、手軽にすぐに着られるように、すべて既製品で、S,M,Lというサイズ展開がされているんですよ」
「買って、すぐに着られるのがいいね」とミモロ。
ミモロもちょっと羽織ってみることに。
「思ったより軽くて、柔らか…このドット柄も洒落てる」
すっきりと『でにむどす』を着た方。
藍色は、紬の着物のよう、またステッチがアクセントになって、ジーンズを思わせます。合わせる帯は、織や染めの名古屋帯や半幅帯など、組み合わせもさまざまに楽しめるそう。
男性用の着物も揃っています。この着物が気に入って、神戸から買いに来たという方たち。
「洋服と組み合わせたり、自由な発想で楽しめるのが魅力的ですね」と。
帯は、レザー素材のものでオシャレに。
「わー楽しい!」と、ミモロが見つけたのは、男性用のスニーカーをイメージした草履です。
「若い人が、気軽に着物を楽しめるようなコレクションですが、決して、若い人向けではありません。きっと誰でも着物を着たいと思っているでしょ。でも、なかなか手が出しにくいというのが本音…そうじゃありませんか?」と野中社長。
「うん、そう、だってお手入れ大変そうだし、第一、汚しちゃったらって、心配だもの…」とミモロ。
「でも、デニム素材なら、扱いは簡単。脱ぎ捨てても平気だし、自宅で洗濯もできますよ。ですから、気軽に自由に着ればいいんですよ。まさに日常着なんです」と。
「なるほどー。ジーンズ感覚で楽しめるんだー」とミモロは、興味津々です。
なにか、ウキウキするような楽しい着物。
もっと、ホントに多くの人に着物を着て欲しいもの。だって着物は、大切な日本の文化ですから。
*「でにむどす」に関する詳しい情報は、ホームページから。販売店なども詳しくのっています。ぜひ、一度、その着心地を味わってください。