今年のお正月は、東京から来たお友達家族を案内するミモロ。お友達の家族は、アラウンド70のご両親と、修学旅行以来、京都に来たことがないというアラウンド40の夫婦です。宿泊先は、東山地区のホテル。
「初詣に行くなら、どの神社がいい?」と聞かれたミモロは、「うーん、ちょっと待って考えるから…」と。
京都の初詣スポットは、数多く。どこの神社やお寺も、それなりに素晴らしいものが…。
でも…
・京都らしい風情がある場所
・宿泊先のホテルから遠くなくて、交通の便がいい所。
・足が弱っているので、階段が多くない所。
・参拝客が多過ぎて、身動きできない場所はNG。
・トイレの設備がある所
・お茶などが飲める休憩場所や喫茶店が近くにあること。
などなど、ミモロに突きつけらた条件は、多数。
しかも、2時間か3時間ぐらいで…と。
「えーと、伏見稲荷と清水寺は、すごく人が多いし、タクシーで近くまで行けないし…。北野天満宮は、学問の神さまで、あんまり興味なさそうだし…。八坂神社は、大晦日に、をけら詣りで行っちゃったしー。貴船神社は、素敵だけど遠いし…どうしようかな…」と、今まで行った神社などを必死に思い浮かべます。
「あのねーお正月の三が日は、どこの神社も大勢の参拝客がいるから、それは覚悟してね。でも、人が少ない地元の神社だと、せっかく京都に来たという実感がないでしょ。だから…下鴨神社がいいかも…」
ミモロは、お友達家族のために考え抜いて、選んだのは、下鴨神社です。
「ここは歴史も長く、京都を代表する神社のひとつで、世界文化遺産なの。上賀茂神社もおすすめだけど、ちょっと離れているから、今回は、パスね。下鴨神社なら、タクシーも近くまで行けるし、階段がないから、歩きやすいと思う…。でも、きっと参拝客が多いから、本殿の中まで入るには、時間がかかるかも…まぁ、本殿の前で参拝して、境内にある、ほかの摂社に参拝してもいいし、お休み処もあるんだー。帰りのタクシーもすぐに拾えるから、ホテルにすぐに帰れるんだけど…どう?」と、選んだ理由を説明。
「うん、そこいいかも…」と、全員の同意を得て、ホテルからタクシーで向かいます。
糺の森の入口でタクシーを降り、のんびりと周囲の自然を楽しみながら、本殿の方向へ。
「いつもは、人が少ないから、もっとすごく静かで、いい雰囲気なんだー」とミモロ。「でも、大きな森って感じで、いい気持ちよ」と、普段を知らないお友達は、大満足のよう。人の多い参道でも、上を見上げると、樹齢数百年の大木が。
本殿に行く前に、「ここによって行かない?」と、河合神社へ。
「方丈記」の作者、鴨長明の方丈があったところで、玉依姫命をご祭神にする神社です。
昔から女性を守護する神さまとして崇められ、縁結びや安産などの祈願に、今も多くの女性たちが訪れています。
ここも、多くの参拝客が。ミモロたちは、本殿の脇から参拝。
「きっとここからでも、神様はミモロのこと見つけてくれるよねー」と。
「おみくじしましょう…」とお友達。
「いいこと書いてあった?」とミモロは興味津々。
「あ、大吉だって…よかったねー。きっといい1年が過ごせるよ」
河合神社の神さまは、女性をしあわせに導く神さま。絵馬も、カワイイ手鏡の形。
お顔部分にお化粧をさせて、裏にお願いごとを書いて納めます。
「きっとこれ飲むと美人になるのかしら…」とお友達。
かりん風味の飲み物が、人気でした。
「じゃ、本殿に行きましょう…」と、ミモロは、糺の森をトコトコと進みます。
本殿前は、予想通り、大勢の人たちが、参拝のために長い列を作っています。
「どうする?並ぶ?」とお友達に聞くと、「ちょっと時間がかかりそう…。本殿の入口でお参りして帰りましょう」と。
「あ、そうだ。ちょっとこっちに来てー」とミモロは、人垣をかき分けて、本殿の東方向へと進みます。
向かったのは、みたらし池。
「ここは、葵祭の時、斎宮が、禊をする清らかなお水なんだよー」と、池の水に手を入れて、お清めを。
「ここの泡をイメージして、みたらし団子ができたんだよー」と説明も付け加えます。
池の一角には、みたらし社(正式には井上社)という水が湧きだす上に、瀬織津比売命(せおりつひめのみこと)をご祭神にする社が祀られています。
ミモロは、そこでもお清めをして、
そして、参拝を。
ミモロの後に、お友達家族も参拝しました。
「ここはね、心身の穢れを祓ってくださる神様。病気にならないようにお清めしたら…」と。
下鴨神社は、病気平癒のご利益も。最近、体が動きにくくなったというお友達のご両親には、ぴったりの神社です。
「本殿には、参拝できなかったけど、もう大満足…参道も歩きやすかったし、いろいろ見られて楽しかったー」というお友達家族。下鴨本通に出て、そこからタクシーに乗って、ホテルにもどることに。
タクシーの中でも、「さすが京都の神社は、趣が違う…。来てよかったねー」「ホント、やっぱり京都のお正月は、いいねぇー」と、いたく感動しているお友達家族を見ながら、ミモロは、ホッと肩の荷を下ろします。
途中、平安神宮のそばをタクシーが通りました。
「ここも、おすすめ…下鴨神社より、ずっと新しい神社だけど…お庭がステキなんだー。特に桜の時期は、素晴らしいよ」と。
平安神宮は、バスや地下鉄の便もよく、周囲には、美術館やおしゃれなカフェ、食事処も多く、気軽に行ける初詣スポットです。お庭も高低差があまりないので、歩きやすくなっています。
*京都を案内するとき、その人が、何を京都に期待しているかを、知るのはとても大切なポイント。事前に何に興味があるのか、またどのくらい歩けるか、何時間余裕があるのか、などなど、さまざまなことを考慮の上、場所選びをするのは、実は、なかなかむずかしいこと。京都初心者には、あまりディープな場所に案内しても、喜んでもらえないことも。まずは、定番の京都観光の中から、場所選びをして、「あ、前にテレビなんかで見たことがある…」という感動が必要なよう。京都に来た人に、「やっぱり京都って素晴らしい!」と思ってもらうために、案内場所選びは、慎重に…。
*旅のポイント:冬の京都のお寺や神社の見学には、かならず厚手の靴下を用意しましょう。ブーツを脱いで、薄手のタイツやストッキングでは、足が冷えて辛いもの。ぜひお忘れなく…
お友達家族をホテルに送ったミモロ。約2時間の初詣。短い時間だったけれど、お友達家族に喜んでもらえて…ミモロは、幸せな気分になりました。
さて、元旦に、今年ミモロが食べたお料理は…。
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