ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

八坂庚申堂の三ノ庚申。災い、病気、煩悩がサルという庚申信仰。無病息災を祈る護摩供

2013-06-25 | 寺社仏閣

6月23日は、暦の上では、庚申(かのえさる)の日。この日は、60日に1回まわってきます。「八坂庚申堂で、こんにゃく炊きの接待があるんだってー」と、接待という言葉にいたく弱いミモロは、さっそく出かけることに。

「八坂庚申堂」は、以前、ミモロが上った「八坂の塔」のすぐ近く。京都らしい風情漂い、観光客に大人気のエリアです。

「あ、ここ、ここ…」門の前には、「庚申まつり」ののぼりが。
この「八坂庚申堂」は、約1000年前に、この地に建立されたそう。御本尊は、青面金剛(しゃめんこんごう)で、秦氏の守り本尊としてお祀りされたました。

奈良時代から人々の間に広まったと伝えられる「庚申信仰」。大阪の四天王寺、東京入谷と共に、日本三庚申のひとつで、庚申信仰の霊場となっています。(今は、東京入谷庚申堂は、現存しないそう)さて、この「庚申信仰」というのは、奈良時代に、中国から伝わった民間信仰とか…。
なんでも、庚申の日は、人間の体内にいる三シの虫が、寝ている間に抜け出して、寿命を決める天帝に、その人の悪行や罪を報告にでかけるのだとか。だから、昔は、この日の夜は、徹夜で、虫が出るのを防ぎ、虫を食べるという青面金剛さまを拝む「庚申待ち」を行っていたとか。報告をさせず、寿命を延ばすための徹夜です。


青面金剛さまは、病気平癒、あらゆる災難除け、商売繁盛などにご利益があると言われ、この日も、次々に参拝者が本堂で行われる「護摩供」のため、ここに訪れていました。


「これなんだろ?」ミモロが見つめるのは、境内中央にあるお堂。そこには、手足を縛られたような姿の人形がたくさん吊るされています。

これは「くくり猿」。猿が手足を縛られて動けない姿を現しています。「なんか可哀想だねぇー」と同情的な視線。
庚申のサルの日に由来するもので、いつもは思うがままに自由に動き回る猿を縛ることで、欲望のコントロールを願うのだそう。怒りそうになったり、怠惰に過ごしたり、嫉妬や恨みの心を抱いたりなどなど、人間の煩悩、欲望を抑える戒めの姿なのです。
「ついもっと食べたくなる…そんな心も抑えられるかなぁー。抑えられないと…ブルッ…」ミモロは、自分が縛られた姿を想像して震えます。

この日は、参拝者に、こんにゃく炊きの接待が。

こんにゃくを食べるのは、こんにゃくは体内の砂を下すと言われ、三シの虫を追い払おうということから…。
「三シの虫ってこんにゃくが苦手なんだー」
ここでは、サルの形に抜かれたこんにゃくを3つ、北を向いて黙って食べると、願い事が叶い、強運になれると。

ミモロも真剣に頂きます。「お醤油がよくしみてて、美味しい…おかわりしたくなっちゃう…」。おかわりはナシですよ。

さて、「八坂庚申堂」の御守は、もちろんサルがモチーフ。

「いろんなサルがいるよー」大小さまざまな大きさの土鈴が並んでいます。

「全部手作りですから、みんなお顔が違うんですよ。指の形をしたのは、三味線、お琴などの芸事が上達するように…気に入ったおサル見つかりましたか?」とお寺の方が、やさしくミモロに説明を。
どれにしようか、やはりかなり悩むミモロです。
「指の形のサルなら、スマートフォンなんか、上手に操作できるようになるかも…」っと勝手にご利益をプラス。

やっと選んだのは、「これー」
口を丸めて、ちょっとビックリしたような顔のサル。「なんかひょうきんで可愛いんだもの…」と。


また、本堂前のお線香をお供えする場所では、三方を三猿が支えています。見ざる、言わざる、聞かざるのお馴染みのおサルさんたち。
ミモロは、なにか話しかけたよう…でもおサルは、口を押さえて何も話してくれません。

「見ざるさんに話しかけるべきだった…」と、その時気づいたミモロです。

お気に入りの小さなサルの土鈴を包んでもらったミモロは、「これで、またパワーがついたー!」と言いながら、お寺を後に。

この辺りのおうちの門口には、くくり猿が厄除けとして下がっています。

八坂の塔の周辺は、高台寺、清水寺へ通じる観光の大人気エリア。京都の風情が、観光客を魅了します。


*「八坂庚申堂」京都市東山区金園町390 075-541-2565 拝観時間 9:00~17:00



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コメント (2)
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